【北京時事】中国の地方政府債務が大幅に増えていることが分かった。地方債務問題は「中国経済最大の弱点」と言われ、金融危機を招く可能性も再三指摘されてきた。世界株安連鎖の震源地となった中国は景気のてこ入れが急務だが、当局は債務増大を抑制する方針で、追加の景気対策には重い足かせとなる。 国営新華社通信などによると、2014年末時点の広義の地方政府債務残高は24兆元(約456兆円)。中国の会計検査院に当たる審計署が公表している13年6月末時点の債務は17兆9000億元で、単純比較すると1年半で34%も増えた計算だ。景気対策の実施などが背景とみられる。 地方債務の国内総生産(GDP)比率は38%に悪化。債務全体のうち、地方政府が直接の返済責任を負っているのは15兆4000億元で、残り8兆6000億元にも事実上の政府保証などを付している。 中国当局は08年のリーマン・ショック後、世界的な金融危機の影響を最小限にとどめようと、大規模な景気対策を打ち出した。地方政府によるインフラ投資が柱で、傘下の投資会社を通じて資金を調達。通常の銀行融資と異なる「影の銀行(シャドーバンキング)」をフル活用した。その時の債務が今、重くのしかかっている。 高金利で借り入れた資金の返済負担を軽減しようと、当局はこのほど、借り換え目的で発行する地方債の限度額を2兆元から3兆2000億元に引き上げると明らかにした。地方債は当局の意向で金利を低めに抑え、国内金融機関が引き受ける。 また当局は、地方政府が直接の返済責任を負う債務について、15年末残高を前年比6000億元増の16兆元に抑える方針。債務懸念が払拭(ふっしょく)されない限り、大規模な景気対策は控えざるを得ないようだ。 (時事通信社) |
中央政府と地方政府・・・世界に緒及ぼす影響。