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ファウンデーションの夢 第七部 アルカディア・ダレル 第1話 ミュール破局後の危機

2023-04-03 05:52:04 | アルカディア・ダレル
47第1話ミュール破局後の危機
ファウンデーションの夢 
第七部 
アルカディア・ダレル
第1話
ミュール破局後の危機

あらすじ

 ジータ・マロウの娘ロアには、極めて聡明な娘ベイタがいた。

 ベイタとミュールの壮絶なる物語は、ファウンデーション設立から300年後に起こる。ベイタの物語はこうして始まる。

 ベイタの両親がガール・ドーニックの農園を再び買い取り、住み始めた。ベイタもモーヴ(ターミナスの首都)に住んでいたのでしばしば泊まりに来ていた。

 時代は、ターミナスも徐々に往時の精彩を欠いて来たインドバーの世襲政権のもと、時代の暗雲に気付いていた数名の人々がいた。
 一人は心理学者、エブリング・ミス。もう一人は貿易商人のランデュ・ダレル、そしてベイタ・マロウもその一人に加えなければいけない。
 
 ベイタ・マロウはトラン・ダレルと結婚し、トランの出身星ヘイブンに赴く。そこで、トランの叔父のランデュに新婚旅行にカルガン行きを勧められる。ハネムーンは数日で今後の銀河を揺り動かす大事件に移行する。

 ミュールの宮殿から道化師がハネムーン中の両人に助けを求めて来た。

 その道化師はボボと名乗った。彼らは早々宇宙船の格納庫に戻る。

 そこに第三者がまた登場する。
 二重スパイ!?

 そのハン・プリッチャー大尉は、すでにミュール(ボボ)によって、洗脳されていた。

 さらにミュールはトラン・ベイタの宇宙船でターミナスまで同乗し、モーヴ市に降り立ち、ファウンデーション軍の宇宙戦艦軍に喪失感を与え、ハリ・セルダンの出現する時間霊廟に集う人々を降伏感へ誘導し、一日に、完全占領してしまった。

 最後の救いの砦であったファウンデーションの遊軍、独立貿易商人協議会連合の星々も、戦意を喪失。ミュールの圧倒的な感応力の前ではなすすべもなかった。ヘイブンに一時避難したベイタ夫婦とボボとエブリング・ミスは、トランターに赴くことになった。ランデュはボボの存在に何かを察するようになったが、ランデュは残った。

 トランターでは、旧ストーリーリング大学付近の自称コンポレロン人たちの農村共同体が300年祭の催し物の準備で忙しくしていた。そこの村長、リー・センターは彼ら4人を丁重に向かい入れてくれた。

 彼ら4人を、トランターの農村指導者家族は丁重に、ファウンデーション300年祭の晩餐会に、趣向を凝らして招き入れた。その席には同じくネオトランターから来ていた(?)、一応議会議長と言う立場の、ヴェナ・ビリ女史がいた。

 エブリング・ミスはボボと一緒にストーリーリング大学の一室に籠って、当のミス博士は食事も絶って一心不乱に調べものに没頭していた。
 
 事件が突然起きたのは、そんなやさきだった。エブリング・ミスは、何かを発見して、訪ねて来たベイタに口を開こうとした瞬間のことだった。

 ヴェナ・ビリ女史も程なく息を引き取る(停止する)。

 そのエブリング・ミスとボボがいた場所が、300年前のハリ・セルダンの心理歴史学の研究室であったことがわかるのは、ベイタ・ダレルの孫アルカディアがトランターを訪れてからのことであるのだが。

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見習い候補生、ペレアス・アンソーア。君を呼んだのには訳がある。君にはもうそろそろ見習いから卒業して貰いたい。そして現場に赴く前の最後の口頭試問をしたい。といってもほとんどは私が喋る。喋るといっても、口、言葉ではないがね。
 
 ええ結構です。よく感応できてます。ナロビ長老、いや第一発言者。
 
 それでは、まず、五十年前に第二ファウンデーションにミュールを誘き寄せるのに成功した、辛うじてトランターのことを秘密にできた。捨て身の戦法が功を奏した第一の要因はなんであったかね?

 それはミュールの自尊心を利用できたことです。一度、ターミナスを征服できた、次は残る第二ファウンデーションのみだという過信から、焦りすぎたのを逆手にとったからです。

 それでいい。そして彼にプリッチャーを通して、ダゼンダ( the end of stars )が本当の第二ファウンデーションだと思わせた。ダゼンダがミュールに征服される前に、我々は、ダゼンダ人をコントロールして、ミュールのいないカルガンを支配下に置いた。彼の帰る場所をなくした。彼をカルガン星系のロッセムに誘き寄せたのも私だった。そして彼の寿命とともに、彼の全銀河支配の野望も費失せた。
 
 彼の自信を徹底的に挫いたからの成功だったのですね。

 ところが、それが次の大問題を引き寄せてしまった。セルダンにでも読めなかった事態に突入してしまった。新たなセルダン危機の到来なのだよ。アンソーア君。
 第一ファウンデーションが復活するに及んで第二ファウンデーションを快く思わなくなった、という事態なのだ。次の銀河で覇を唱えるのは、第一ファウンデーションのみだという第二ファウンデーションに対する警戒を生んでしまった。両者は飽くまで補完関係であり続けなければならないのだが!そこで君にはターミナスに潜入して貰いたいのだ。

yatcha john s. 「ミュール破局後の危機」『ファウンデーションの夢』第七部 その1
 

yatcha john s.



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