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ファウンデーションの夢  第三部  ウォンダとガールの地球探訪  第7話 地球は一つの生命体

2022-10-24 19:38:35 | ウォンダとガールの地球探訪
17第7話地球は一つの生命体
ファウンデーションの夢 
第三部 
ウォンダとガールの地球探訪 
第7話

地球は一つの生命体

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

 話しは、それより約半世紀前のハリの逃避行において行った出来事の回想に触れなければならない。
 ハリは学会出席のために故郷ヘリコンからトランターに来たのであったが、なぜか意に反してトランター中を駆け巡らなければならなくなった。
 逃避行の末、それまで不確かだった推測が、完璧に正しかったことを知った。何ものかが、ハリの逃避行を企てた、ということ。何ものかが、ハリに目指す「心理歴史学」の中心原理を考案させるように誘導している、ということ。ハリの目指す「心理歴史学」を担う新たな組織、それを維持する施設を、より堅固にするのに、何を乗り越えなければならないか、をY 市の反乱事件で示されたように思った。
 その背後の人物、それはチェッター・ヒューミンであり、ロボット・ダニール・オリヴォーであり、宰相エトー・デマーゼルだったということ。そしてドース・ヴェナビリも彼のお膳立てによるものだと。

 話しを元の状態に戻す。ヒューミンは、何食わぬ顔で現れ、ハリに禍福の入り混じりあったニュースを伝えた。

 ガールは、久しぶりのヒューミンとの再会に歓喜するやいなや、突如として眠気を催して、睡眠に陥ってしまう。

 ガールは、催眠術に懸けられていたのだろう、気がつけば見知らぬ航宙船のなかにいる自分に気がついた。見上げれば、容姿端麗な女性が立っていた。
 そして親しげにガールに話しかけてくる。

17
「地球に命がある、と本当に信じているだろうか?話の上でみんなが言えば言うほど呆れてくるのは私だけなのかもしれない。様々な証拠をつきつけられようとも、人の心はそう簡単に利己主義の殻から抜け出せないのが真実ではないのか。例えば地球が何十億年にも亘って、酸素濃度が20%を維持してきたと言っても心の底から驚嘆し、畏敬の念を懐く人が何人いるかだ。」(『ジョン・ナックの歴史思想書』)

ウォンダ 私は、ウォンダ・セルダン。あの禿ジジイの孫。血は繋がっていませんけどね。これからヒューミンおじさんのご依頼にお答えするために地球に向かってるわ。
 ご心配なく。この船は完全制御よ。

ガール 何だって?その依頼というのは?僕はなんにも聞いていないし、承諾もしていない。 冒険は好きだけど、狂ってる!
 
ウォンダ 私も詳しくはなにも聞いていないのよ。
 なんか、ヒューミンおじさんが地球でこの前、何かを発見したらしいけど、ある星をつくっているお仲間が、ある報告をしたそうよ。

 ヒューミンさんが受けたその光の放射は、「心」を持っていたとしか考えられなくて、その場所が地球の目じゃないか、というのよ。
 そしてヒューミンさんが光を受けてから、その場所から水が湧いてきて、真ん中に島が出来て、木が生えてきたというの。

 私もワクワクよ。なんか、人間でなくては本当の感応ができない、とか言ってましたけど!

 それを体で感じて貰いたい、と言ってたわ!

ガール 地球だって?!
 君の言ってること、ゆっくり説明してくれないと、僕の頭は、全然整理されないんだけど...
 なんで、僕が地球とやらにいかなくちゃならないのか?
 それに君ってなんだ?

yatcha john s.


ファウンデーションの夢  第三部  ウォンダとガールの地球探訪  第6話  What on earth !

2022-10-24 05:32:02 | ウォンダとガールの地球探訪
16第6話What on earth !
ファウンデーションの夢 
第三部 
ウォンダとガールの地球探訪 
第6話 

What on earth !

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

 話しは、それより約半世紀前のハリの逃避行において行った出来事の回想に触れなければならない。
 ハリは学会出席のために故郷ヘリコンからトランターに来たのであったが、なぜか意に反してトランター中を駆け巡らなければならなくなった。
 逃避行の末、それまで不確かだった推測が、完璧に正しかったことを知った。何ものかが、ハリの逃避行を企てた、ということ。何ものかが、ハリに目指す「心理歴史学」の中心原理を考案させるように誘導している、ということ。ハリの目指す「心理歴史学」を担う新たな組織、それを維持する施設を、より堅固にするのに、何を乗り越えなければならないか、をY 市の反乱事件で示されたように思った。
 その背後の人物、それはチェッター・ヒューミンであり、ロボット・ダニール・オリヴォーであり、宰相エトー・デマーゼルだったということ。そしてドース・ヴェナビリも彼のお膳立てによるものだと。

 話しを元の状態に戻す。ヒューミンは、何食わぬ顔で現れ、ハリに禍福の入り混じりあったニュースを伝えた。

 ガールは、久しぶりのヒューミンとの再会に歓喜するやいなや、突如として眠気を催して、睡眠に陥ってしまう。

 ガールは、催眠術に懸けられていたのだろう、気がつけば見知らぬ航宙船のなかにいる自分に気がついた。見上げれば、容姿端麗な女性が立っていた。
 そして親しげにガールに話しかけてくる。

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「ウォンダが自分の最後を予期して、私を呼び出したのが、惑星イオス。暗くて寒い星だった。息をひきとる前に、『あなたは、祖母とそっくりなのね!
 祖母ドースは、ハリを守るため、10人の男を一瞬のうちに投げ飛ばした話、聞いているわよね。
 それとは反対にあなたのお母さんは、とても美人で、優しかった、と聞いてますよ。妹には逢いたかった!

 あの4本の花ねえ、実はねえ....

 悲しまないでちょうだい。私がいなくなっても、私の夢は消えないのよ!あなたにその夢をついでもらいの。』と優しく右の耳元で囁いた。

 息をひきとる前に部屋の影に二人の人がいたような気がしたのけれど。
 片方はすすり泣いてたような気がした。」(『ドース・ドーニックの日記』)

ガール ここはどこなんだ?ヒューミンさんは?セルダン先生は?

ウォンダ あんたがガールね。あなたはやせっぽちだと思ってたら、クレジットバッグみたいなのね。
 ここはシンパシック・ハーヴェイ号のなかよ。ヒューミンおじさんに言われて、今地球に向かってるわ。二人だけだけど、宜しくね!
 
ガール 地球!?!

 ターミナスじゃない!?!

 君は誰だ!?!

 一体全体どうなっているんだ!?!

yatcha john s.


ファウンデーションの夢  第三部  ウォンダとガールの地球探訪  第5話   ウォンダ・セルダン

2022-10-23 08:21:48 | ウォンダとガールの地球探訪
15第5話ウォンダ・セルダン
ファウンデーションの夢 
第三部 
ウォンダとガールの地球探訪 
第5話
 
ウォンダ・セルダン


あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

 話しは、それより約半世紀前のハリの逃避行において行った出来事の回想に触れなければならない。
 ハリは学会出席のために故郷ヘリコンからトランターに来たのであったが、なぜか意に反してトランター中を駆け巡らなければならなくなった。
 逃避行の末、それまで不確かだった推測が、完璧に正しかったことを知った。何ものかが、ハリの逃避行を企てた、ということ。何ものかが、ハリに目指す「心理歴史学」の中心原理を考案させるように誘導している、ということ。ハリの目指す「心理歴史学」を担う新たな組織、それを維持する施設を、より堅固にするのに、何を乗り越えなければならないか、をY 市の反乱事件で示されたように思った。
 その背後の人物、それはチェッター・ヒューミンであり、ロボット・ダニール・オリヴォーであり、宰相エトー・デマーゼルだったということ。そしてドース・ヴェナビリも彼のお膳立てによるものだと。
 
 申し訳ないが、その後のハリに纏わる出来事は、いずれの機会に譲らさせてもらいます。

 話しをまた50年後の元の状態に戻す。

 ヒューミンは、何食わぬ顔で現れ、ハリに禍福の入り混じりあったニュースを伝えた。

15
「こともあろうに祖父レイチは、またもやワイ市で、運命の出会いを経験した。相手はマネルラ、レイチばかりでなくハリをも救った、私の祖母である。綺麗なブロンドであった。茶目っ気があり、いつも曾祖母のドースとやりあってたと聞く。
 ついこの前、母ベリスの形見を整理していたら、叔母ウォンダの8歳の時の写真を見つけた。ハリが精神感応の能力に気づき、彼女は終日プライム・レイディアントに興じていたという。
 ずっと気になっていた彼女の手に握られていた四つの花びらの意味。黄色とクローバーの花の意味がまだわからない。」(ガール・ドーニックの生涯・ドース・ドーニックの日記』)

ヒューミン ハリ、君にとっては残念な知らせを持ってきた。サンタンニの騒乱のことだ。

ハリ ヒューミン(ダニール・オリヴォー)、もうそれ以上、言わないでくれ。わかってる。レイチのことだというぐらいは! 君は私にとっての死神なのか。もう残ってるのは、ウォンダだけだ。その、ウォンダも、最近では、同じ感応者のステッティンと行動を共にしている。

ヒューミン もう一つの方は、いい知らせだ。 行方不明だった第七アーカディア号はサリプに着いていた。それからアナクレオンで無事に暮らしている。これから、私は彼女たちをターミナスに連れて行く。
 それでよろしいな?ハリ。

yatcha john s.

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

 話しは、それより約半世紀前のハリの逃避行において行った出来事の回想に触れなければならない。
 ハリは学会出席のために故郷ヘリコンからトランターに来たのであったが、なぜか意に反してトランター中を駆け巡らなければならなくなった。
 逃避行の末、それまで不確かだった推測が、完璧に正しかったことを知った。何ものかが、ハリの逃避行を企てた、ということ。何ものかが、ハリに目指す「心理歴史学」の中心原理を考案させるように誘導している、ということ。ハリの目指す「心理歴史学」を担う新たな組織、それを維持する施設を、より堅固にするのに、何を乗り越えなければならないか、をY 市の反乱事件で示されたように思った。
 その背後の人物、それはチェッター・ヒューミンであり、ロボット・ダニール・オリヴォーであり、宰相エトー・デマーゼルだったということ。そしてドース・ヴェナビリも彼のお膳立てによるものだと。
 
 申し訳ないが、その後のハリに纏わる出来事は、いずれの機会に譲らさせてもらいます。

 話しをまた50年後の元の状態に戻す。

 ヒューミンは、何食わぬ顔で現れ、ハリに禍福の入り混じりあったニュースを伝えた。

15
「こともあろうに祖父レイチは、またもやワイ市で、運命の出会いを経験した。相手はマネルラ、レイチばかりでなくハリをも救った、私の祖母である。綺麗なブロンドであった。茶目っ気があり、いつも曾祖母のドースとやりあってたと聞く。
 ついこの前、母ベリスの形見を整理していたら、叔母ウォンダの8歳の時の写真を見つけた。ハリが精神感応の能力に気づき、彼女は終日プライム・レイディアントに興じていたという。
 ずっと気になっていた彼女の手に握られていた四つの花びらの意味。黄色とクローバーの花の意味がまだわからない。」(ガール・ドーニックの生涯・ドース・ドーニックの日記』)

ヒューミン ハリ、君にとっては残念な知らせを持ってきた。サンタンニの騒乱のことだ。

ハリ ヒューミン(ダニール・オリヴォー)、もうそれ以上、言わないでくれ。わかってる。レイチのことだというぐらいは! 君は私にとっての死神なのか。もう残ってるのは、ウォンダだけだ。その、ウォンダも、最近では、同じ感応者のステッティンと行動を共にしている。

ヒューミン もう一つの方は、いい知らせだ。 行方不明だった第七アーカディア号はサリプに着いていた。それからアナクレオンで無事に暮らしている。これから、私は彼女たちをターミナスに連れて行く。
 それでよろしいな?ハリ。

yatcha john s.


ファウンデーションの夢  第三部 ウォンダとガールの地球探訪  第4話   Y市の謎、おそらく蝶番の謎

2022-10-22 19:04:32 | ウォンダとガールの地球探訪
14第4話Y市の謎、おそらく蝶番の謎
ファウンデーションの夢 
第三部 ウォンダとガールの地球探訪 
第4話

Y市の謎、おそらく蝶番の謎


あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年(西暦に換算すると24566年)、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。ハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!

 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。

 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。

 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。
 ガールはしばらくして釈放され、ハリ・セルダンからあらためて心理歴史学とファウンデーションについての計画を打ち明けられる。
 それからもう一つの任務についても。

 ハリが、ガールにモーヴ建設の要件を語り、宰相デマーゼルの秘密を漏らそうとした瞬間、背後からヒューミン(デマーゼル)が突如現れ、ハリを制した。

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「全ての謎の根源はどうやらハリが家族と逃避行を続けていたときのワイ市での反乱未遂事件にあるらしい。ワイは元々伝説ではふるさとの星の国エウロパのYの字の形の港が起源と言われている。
 その時の事件に居合わせた養子レイチに関係があるらしい、まではわかるのだが...」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)

(ハリがガールに話しかけているとき、二人の背後からにわかにチェッター・ヒューミンが現れた。)
  
ハリ そう、君はこの計画の重要な責任者になる。ターミナスの首都モーヴ建設には君の技能を十分活かさせてもらう。
 
 モーヴの原型はワイ市だ。以前、私がドースとレイチを連れて最後の場所として隠れたのが、ワイ市であった。このワイ市での事件がすべての心理歴史学の最終的完成のヒントを与えたくれた。 
 その事件というのは、トランターの政権を軍事力で転覆しようとしたワイの首領の計画をそれとなく誘導して、事前に防ぎ、宰相の引責ということで彼自ら引退し、後継者としてそこに居合わせた私を持ち上げることにした。

 そのワイの目論見から、不成功の要因を私に分析させ、ファウンデーション設立のヒントを与えた。そして五番目には...デマーゼルは、

ヒューミン ハリそこまでだ。それ以上はいい。

ガール ヒューミンさんじゃありませんか!ヒューミンさん、どうしてここに?!?

yatcha john s.


ファウンデーションの夢  第三部  ウォンダとガールの地球探訪   第2話  聴かずんばこれを去らん

2022-10-21 04:51:09 | ウォンダとガールの地球探訪
12第2話聴かずんばこれを去らん
ファウンデーションの夢 
第三部
ウォンダとガールの地球探訪
第2話 

聴かずんばこれを去らん

お招きの言葉

 わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。

あらすじ 

 セルダンの裁判が始まる前の年、つまり銀河暦12066年、ダニール・オリヴォーは、ガール・ドーニックをシンナックスから招き寄せるため、かつハリ・セルダンの「心理歴史学」と2つのファウンデーションを補強するため、人類の最古の故郷星「地球」への探索の旅に出る。

 漸くダニールは、天の川銀河の半球過ぎに、それらしき海洋惑星を見つけた。

 ダニールは、以前にしたようにヒューミンと名前を変えてシンナックス大学に何食わぬ顔で入り込み、ガール・ドーニックを待ち構えていた。

 ガールは、どうしたわけか、彼が見いだしたことがらをとめどもなくヒューミンに話しはじめた。ダニールは、ガール・ドーニックの非凡な閃きを強く受けとめて、ロボットでありながら絶句する。

 ダニールのこの探索からファウンデーションの新たな叙事詩がはじまろうとしていた。
 彼がハリ・セルダンの故郷を目指したのは、ロボットにない人間の潜在能力に彼の第零法則を挑戦させたかったためであった。そこから何かが生まれそうな予感を抱いて!
 ガールは、ダニールの指示通り、ダニールの多額のクレジット・バッグを抱えて、トランターに着いた。まではよかったが、ハリ・セルダンに会うやいなや、当のハリ共々裁判のために留置所に入れられてしまった。
 ハリの未来予測は、将来500年以内に92・5パーセントの確率でトランター銀河帝国が滅亡するというものだった。
 そこへ、弁護人としてハリ・セルダンから遣わされたロース・アヴァキャムが、ハリ・セルダンの代わりにガールにこの件に至った経緯を語る。

12
「敵を包囲したら必ず逃げ道を開いておかねばならない。窮地に追い込んだ敵に攻撃を仕掛けてはならない。」(『孫子』孫武著)

「リンジ・チン。銀河帝国を支えてきたチン家の棟梁にして、公安委員長官。チン家の初代はリンタイ・チン。彼は人類の共通の故郷(ふるさと)の星のある時代のある体制を転覆させた。その方法が奇抜過ぎる禁じ手を使ったことから、もと兵法家の孫という姓からチンという姓に変えた。その禁じ手というのは、極めて簡単すぎて、誰もが驚嘆するほどであった。」(『ハリ・セルダンの生涯』ガール・ドーニック著)

アヴァキャム わたしはロース・アヴァキャム。あなたの代理人を勤めるように、セルダン博士から指示されました。
 博士からの君への伝言を預かっている。

ガール わたしは不法にも、ここトランターに来て、すぐ拘束されている。
 皇帝に直訴の手続きを希望します。
 こんな状態のために、やってきたつもりはない。
 もういいから、あなたの手でなんとかして下さい。故郷のシンナックスに帰らせて下さい。

アヴァキャム 君には大変迷惑だとは思うが、これが最上の策なのだよ。
 この日が来るのをセルダン博士はずっと待っていたんだよ。
 長い年月だった!
 
 今日が、18年前にユーゴ・アマリルとセルダン博士がつくりかけた心理歴史学の最終章であり、これからが本当の初まりなのだ。そのユーゴも10年前に死んだ。

 ユーゴとセルダン博士とは、チンを徹底的に研究した。チンの世界をレプリカまで研究所に設置、何度もシミュレーションを行った。そのために洞窟までこしらえて。「瞑想」とやらまでやった。

 裏の裏をかく、虚を衝く、そして利用する、それでしか、我らの「ファウンデーション」はつくり出せない。チンの行動パターンは、彼の先祖の兵法に制約されているとセルダン博士は読んだ。チンは、セルダン博士の影響力を恐れて、博士のグループを銀河の果ての星に追放するように仕組んだ。

ガール なんですって!それで、セルダン博士を「大烏」と言うんですね。銀河帝国が300年後には滅び、それに続く3万年後に新たな銀河帝国がやっと成立するという。
 でも、なんで僕だけ、処刑される運命なんですか?
 あのヒューミンさんは、そのために僕をここに導いたのですね。

アヴァキャム 心配しなくてもいい。
 君が処刑される確率はごく僅かだ。「極素輻射体の照射では、1%未満だ」とセルダン博士は言ってた。

ガール そんなこと信じられるか。

アヴァキャム ドーニック君、よく聞いてくれ。チェッター・ヒューミンは、陰ながら、彼の特殊な能力で、帝国の政権をコントロールしている。
 銀河の記憶と知識の集大成を管理する部門が、遥かな銀河のホライズンの彼方、我らが名付けたターミナス星で展開されるはずだ。

 50人の中心スタッフを支える1万人のスタッフと3万人の家族が、そこに移住する。

 その名目上の目的は『銀河百科辞典』編纂財団だ。
 そしてその真の目的は、『第1ファウンデーション』!

 次の銀河帝国の到来を限りなく短くするということが最上の策になる。

 そして、君ガール・ドーニックが51人目の数学者であり、同時に統括責任者となる。



ガール なんですって!

yatcha john s.