黄色い絨毯

シャッターチャンスは地面にありました

広大な敷地に

一キロになんなんとする銀杏の並木

「今は時期を過ぎましたよ」

と受付の方々

ここは日本国

農林水産省の実験農場

快く変な珍客を歓迎された

いやいやどうしてどうして

銀杏は葉が樹になるだけじゃ意味がない

黄金色のカーペット

金のなる絨毯

アラブの大富豪でもこの広さはないでしょう

聞けば毛細血管の血流をよくする

耳の奥に通じて目眩頭痛を取り去る効用

なるほどなるほど

金の効用は

世界中の経済と幸福の循環

そして潤い

と浄化

アブラカタブラ

空飛ぶ絨毯

魔法のランプ

大金持ちにはなれなくとも

黄金持ちにはなれる予感

https://youtu.be/3M3SXbeZ2uo

yatcha john s. 「 黄金の絨毯 」

白いウサギ

弧を描く

水平線がかたむく

人生が傾き加減のときは

ここに来ればいい

特別な聖所

白いウサギがみえるかい

丸窓は

もう一つの世界への通路

そのままみてもいいし

逆さまからでもOK

角度はお好み次第

もっと自分を慈しむことね

もっと世界を慈しむことね

心のしこりに気がつきなさい

恨みや敵意は自分を傷つけることだって知ってた

すべての現象には尊いニュースがあります

ここにいらしてください

青空も目に沁みるって

https://youtu.be/qesNF6kUI_s

yatcha john s. 「 白いウサギ 」

Cherish

手に手を繋ぐこと　

私たちが神様から与えられた祝福

そして見つめあうこと

広い広い海と空が続く海辺を

それはとても水が透き通った心の海辺

慈しもうよ神が与えたもうた人生

命　

愛　

そしてその歓び

あなたが天に召される時が来るでしょう

とてもとてもつらいことでしょう

でもね　

神はおしえてくれたわ

すべては過ぎ去る

過ぎ去る時の一瞬一瞬が命なんだって

今が大事　

涙が溢れそうな　

今が

yatcha john s. 「Cherish Kool & The Gang 」

　　　　　　　 の超意訳

My Sweet Lord

今朝のような泣き出す前の雲の夢を見た

まるで優しくミルクで⌒を描くスプーンのうねりのような

お湯を注ぐドリップコーヒーの泡立ち

茶器が触れあう軽妙な響き

あっ、あのときの懐かしさ

ジェット機が雲を突き抜けて行く

ジョージ・ハリソンの「マイ・スイート・ロード」が聴こえてくる

「心からあなたにお目にかかりたいのです」

「でもお会いするにはまだ少しだけ時間がかかりそうなのです　ハレルヤ」

目を閉じて　涙を堪えていた

曲に重なってもうひとつの甘い声

「How about a cup of sweet coffee ？」

目を開けると上品な褐色の笑顔

苦笑いして

「Sure, but I like bitter, please. 」

https://youtu.be/e1hfUgxu7Rc

yatcha john s. 「My sweet Lord 」

Fall Foliage

スマホのシャッターに吸い込まれていく醜い僕の指

そこには無機・有機に無関係な美への直向きさが有る

淡濃の紅は吸い込み合い

溶け合い

或いは反撥し

命の若老の時の鮮やかさを

あくまでも遺そうとしているようだ

まさにその季節

凛々として叛逆し

滔々として燃え

粛々として

我が終焉を覚悟する

まさにこの季節

老いさらばえた身であればこそ

敢えて幼かりし日々を悔い

敢えて分別を弁えた今時をいとおしむ

https://youtu.be/o5geJx8DcNw

yatcha john s. 「 fall foliage 」