おばばの部屋

無駄に観てきた映画の備忘録

フォーガットン★★

2005年07月30日 | 
予告編を巧妙に作るのは、せこいようだが、広告手腕としては誉めてしかるべきだと思う。
いまいちな映画をいまいちに予告しても、誰も観に来ないもんね。
『フォーガットン』はそんな映画だった。

子どもをなくし、記憶も消える、みんなどうしちゃったのよー!、思い出したー!!っていう予告を観て、すっかり政府の陰謀と決め込んでいたのが、まさか宇宙人のしわざとはね。
その時点で勝手に拍子抜けしてしょぼん。
設定として、主人公だけが記憶を残しているってのは、ちょっとどうか。
子どもなくし仲間のアッシュだって、そのせいでアル中になったんなら、十分愛してたわけでしょう。
ジュリアン・ムーアの息子だけが行方知れずならともかく、母親うんぬんとかは抜きにしてほしかったなぁ。
でないと設定的に甘く感じます。
説得力不足。
バキュームだって、メリハリのない映画にインパクトを持たせたかったからにしか見えない程、唐突すぎ。
え、そこだけ干渉?
後はライナス・ローチ任せなのに?
グリーン先生、いや、グース、おおマザーグースよ、もっと夫として頑張れ。
写真を抜いたり、消したり、大々的な部屋の模様替えなんかをこっそりやっていることを想像してみる方が面白い、そんな映画。

エイリアン★★★★

2005年07月30日 | 
『エイリアン』と『エイリアン2特別編』が2巻セットで¥2,980。
『カンフーハッスル』よりありえねー。
もちろん即ゲット。
棚から他の商品が落ちそうな勢いで即ゲット。
最近のDVDの大安売りには、本当に頭が下がる思いです。
神様ありがとう。

『エイリアン』を初めて観たのは、小学生の時だった。
当時は友人と、「ジョージィ~、猫ちゃぁ~ん、ミャ~オ、ミャ~オ。」と吹き替えのセリフを繰り返して、ネタにしてたっけ。
リプリーが、脱出ポッドに入ってぐぅぐぅ寝ていたエイリアンを宇宙へ捨てる、ラストの緊張感高まるシーンでも、「パンツって弱そう・・・!」とどうでもいいことが気になって集中できなかったっけ。
洋服の袖を片方脱いで、孵化したエイリアンが飛び出すシーンの真似ばっかりやってたっけ。
完全に馬鹿にしたような態度をとっていたけど、ビビリながらも夢中で観た好きな映画だ。

蜘蛛型幼虫が顔にはりついたり、ミニエイリアンが生きた人間の腹の中から飛び出してきたり、武器も手元にないわ、単独行動して案の定やられるわ、人造人間(?)は襲ってくるわ、母船は爆破キャンセルを受け付けないわで、まだホラー慣れしていなかったおばばにとっては、ハラハラドキドキの、まさに息もつかせぬ展開だった。
エイリアンの襲ってくる前の動きが秀逸。
あの、力みすぎて筋肉がけいれんを起こしているような、口元の小刻みな震え。
ポトポト垂れるよだれのような雫。
くる、とわかっていても、あの溜めがあるから恐怖感が煽られる。
最近のモンスターものは、バーン、ガバー、ギャーなので、「ああ、やられちゃった。」としか思わない。
せいぜい、出てきたときのバーンに、ドキっとするぐらい。
エイリアンは、直前のブルブルの間に、ドキドキも増すようにしてあるからうまい。
口の中から、さらに口が飛び出すのもおぞましくていい。

alienという単語には、外国人という意味もあるので、空港で表示として使われていたこともあるそうだ。
foreignが主流になったことの理由に、この映画が関係あれば面白いと思う。
たぶんないけど。

と思っていたら、あった。
はー、びっくりした。
知らせて下さって感謝。
すずゆうさん、有難うございました。
【エイリアン】について


父と暮せば★★★★★

2005年07月29日 | 
生々しく描かなくても、戦争の悲劇は十分に伝えられることが、身にしみてわかる作品。
井上ひさしの戯曲が原作。
全編通して漂う、優しい雰囲気。
だから余計胸がしめつけられる思いになる。
宮沢りえもいいが、原田芳雄がすごい。
時にせつなく、時に激しく、時にユーモラスに、あの戦争が遺した悲しみや苦しみを、圧倒的な存在感でもって伝えてくれる。
じゃんけんのくだりは、涙なくして観られない。

浅野忠信も好きな役者だが、彼に余計な場面を与えなかったのが、効果的だった。
3人だけのキャストの中でも、父と娘の2人に重点を置いてあるのがいい。
ただひたすら、2人に襲い掛かった悲劇をみつめることで、同時に他のたくさんの人々をも同じ悲劇が襲ったことまで表現したのだ。

黒木監督の戦争レクイエム3部作の前2作、『TOMORROW/明日』『美しい夏キリシマ』も観てみよう。
滅多に観ない邦画ですが、いい映画を観ました。
ありがとありました。

バットマン・ビギンズ★★★★★

2005年07月29日 | 
観たのは6月か7月か失念したが、その時点で今年のベストムービーと勝手に決め込んでいるぐらいの快作。
『バットマン』って、敵キャラがコメディ路線すぎて、正直1作目ぐらいしか楽しめなかった。
今回のバットマンはシリアス路線。
俳優人も芸達者ばっかり。
音楽はハンス・ジマー。(メインではないのか?)
気がつけば、ツボにくる面々がそろっている映画だったのだ。
面白くないわけがない。
あのミョウチキリンなバットスーツやバットモービルや、そもそもなにゆえこうもりであるのか(理解し難かったセンス)が、意外に納得いった。

クリスチャン・ベール、いい。
バットマンへ変身した時のダークな威圧感と、普段のおぼっちゃまプレイボーイのホニャララしたなよっぷりを、見事に演じ分けてくれたと思う。
決してかっこいい彼ではないのに、あのふざけたお面をかぶっていてでさえ、かっこよく魅せてしまうのだから。
ちょっとしゃがれた声色でしゃべるのは、初代バットマンのキートンへのオマージュか。
そのあたり未確認。
でもベールならそこまで考えて演技しそうだ。
リーアム・ニーソンは、『エピソード1』を思い起こさせる場面があったけど、クワイ=ガンの時よりもはるかにかっこいい。
渡辺謙は大騒ぎするほどじゃなかったように思われる。
ゲーリー、まさかとは思ったけど、やっぱりだった。
バットモービルと格闘する場面のぬけてる面白さは、彼ならでは。

今回の作品が、実質上は1作目にあたるんだろうけど、今回のバットマンが一番強く感じるのは気のせいではないと思う。
続編あるのか?
ケイティ・ホームズ以外はサインしたらしいが、続編はいらんのではないか。

ひとつ疑問点が。
キートンの1作目で、両親を殺したのはジョーカーという説明じゃなかったかな。
どうだっけ。
でもそんな疑問があっても好き。




宇宙戦争★★

2005年07月29日 | 
ダメ親父を、頼りになる父親へと成長させよう。
時折現れる宇宙人をうまく使ってボーナスGET。
ヒント:前半にダメっぷりを露呈する方が、後半の得点アップにつながります。

空の様子が怪しいです。雲が渦をまいています。見に行きますか?
1.娘が怖がるので見に行かない。
2.俺が見たいから行く。

雷が連続で落ちています。異様な雰囲気なので逃げましょう。どうする?
1.もちろん、娘を抱いて逃げます。
2.娘は自分で歩けます。とにかく早く机の下へ!

息子が無免許で車に乗っていました。親としてどう対応する?
1.やはり叱るときは叱らないと。
2.そんなことより何が起きたか気になるので見に行く。

地面の中から得体の知れない物が出てきました。どうする?
1.子どもを連れて、今すぐ避難だ。
2.怖いけど気になるからもう少しだけ見ていよう。

娘がピーナッツアレルギーだということを忘れていた!父親失格だ!どうする?
1.「俺はダメな父親だな。もっといい父さんになるよ。」と素直に謝る。
2.「この非常事態にアレルギーだと!?」と逆ギレしてパンを投げる。

娘が頼りにするのは、自分ではなく息子の方です。親としてせつない。どうする?
1.頼られる兄としての息子の成長をたのもしく感じる。
2.俺だって頼りたい。メソメソする。

息子が自分も戦いに加わると言って聞きません。その上娘は連れ去られようとしています。どうする?
1.「妹を助けるのが先決だろう!」説得して2人で娘を救出。
2.「こんなガンコ、もういいや。」息子を行かせて単独で娘を救出。

トム親父は微妙ながらも成長しています。
しかし自力成長のみでは3部作になってしまいそうなので、裏技を使いましょう。

監督&脚本家モードに変更。

謎の人物登場。演じるのはあのティム・ロビンスだ。どんな役どころにする?
1.かわいそうな父娘を助けてくれた上に、2人をかばって犠牲になる善良キャラ。
2.意味無く物音をたてたり叫んで頂き、最後には親父に始末されるキレキャラ。

宇宙人につかまった!トム親父がバキュームで吸われます。どうする?
1.『インディペンデンスデイ』を見習って自爆。命がけで皆を助けた英雄に。→バッドEDへ
2.先に吸われて死んだ人には申し訳ないが、ここは主人公特権で、脇役の方に死に物狂いで引っ張り出してもらう。

宇宙人ロボの様子がおかしい。どうやらシールドが切れたようだ。どうする?
1.上映時間を少し長くして、軍隊に自分で気付いてもらう。
2.トム親父に気付かせ、部隊の指揮官に命令を出させる。そして素直にトムの指示に従わせる。

ゴールは目前だ。母親は生きていた!
1.あの展開ではいくらなんでも息子は助からないだろう。もし助かっても、あれだけ熱く主張していたから、またどこかで戦っているはずなので、息子はいない。
2.燃え盛る火の海からでも助かるスキルの持ち主なので、当然親父達より早く母親の元へ帰還しています。


おめでとう!トム親父は見事、立派な父親へと成長を遂げました。

おわり。