株式会社マルミツテクノ デじタルかわら版

九州・福岡でマイクロ・ナノバブルを研究開発している(株)マルミツテクノの社長のブログです。

・・・はどこへ消えた?~マシニングって何ですか編~

2011-06-23 05:42:34 | 工場の歴史

福岡の中心地である天神で、「マシニングって知ってますか?」とインタビューして95%は知らないんじゃないでしょうか・・・。

 

 

平成9年初夏のある大安。

ほぼ何にもない(仕事、設備、技術)町工場にそのマシニングはやってきました。

その機械を排出した所には、新しいマシニングが入りました・・・。

わたしは、その・・・マシニングという機械をあまり知りません、ただNCフライスに自動でツールが変わると思ってました。

設置がおわって一通りのことを習って少しは理解しました。

一応NCフライスで穴加工くらいの知識は覚えていたので、なるほど聞いてると「簡単じゃん」と。

これからガンガン稼いで、週末はスーナカで豪遊しようって夢が広がります(笑

なんたってこの機械、仕事はくっついてきてますから。むひひひ。

すこし有頂天なわたし。

で、初めに行ったのは機械を動かすではなく、浜松合同(現ゴードーソリューション)にCAD/CAMを習いに行きました。

 

初日。

新幹線で浜松までそこから電車やら何やらで浜松合同につきました。

教室に入ると空気はピリピリ。みんな真剣です。

一通り習ってまあまあですが理解できました。

直線、円、矩形、トリム、削除、移動、などなど結構使えるようになりました。

CAD/CAMなんて楽勝じゃん・・・完全天狗です(苦笑

1日目は無事に終わりました。

 

調子良くなった私は、夕食に止まっていたホテルの近くにある小料理屋風スナックに行きました。

見ず知らずの土地で古びたお店。

入ると店主のばぁさんと、常連風のおじさんが2人。

カウンターに座り「瓶ビールください」と、脛に傷のある男を演じる高倉健みたいに。

そう、その時の私の中でのタイトルは「流れ者、不器用ですから無口です」(笑

 

 

・・・30分後。

 

 

「おねいさん(おばちゃん)、九州人は、あんまりばってん、ばってん言わんばってんねぇ、ぎゃはは。」

「やっぱり、浜松のウナギはおいしいねぇ、元気でるよ!!」ってノリノリ。

結局楽しい宴になりました・・・。

 

2日目。

CAD/CAMのCAM編。

初日とは違って焦る私。ぜんぜん意味わからん。

Gコード?Mコード?XYZ?補正?

ついて行くのがやっとでした。

それでも最後はなんとなく一通りNCデータは作れるようになりました。

夕方、浜松合同を後にして帰りの新幹線の中では明日からの期待と夢が胸いっぱいで心地よい眠りにつきました。。。

 

 

福岡に戻って次の日。

さぁこれからバリバリ加工して儲けるぞ!!と意気込む私。

社長(機械を売ってくれた人)の所から材料は入ってます。

アルミのいた16mmにΦ20のh7の穴にタップ穴が4つ。

最初4つのタップの下穴をあけました。これは問題なし。

次いでΦ20の穴をラフィングでポケット加工。

板厚16mmを一発で加工しようとZを降ろします(下穴をあけて)

Zが最下値、横送り仕様とすると機械が“プスン”とノットレディーで停止。

「ありゃ、Zがいきなり深すぎたか。」とZ方向5mmに変更して再スタート。

ところがちょっとスタートしたらまた機械が“プスン”とノットレディーで停止。

「あ~、マシニングって剛性ないんだね~」と、今度はZ方向1mmでF80で送ります。Φ8のラフィング回転数1000。

ところが、少し進んではまたノットレディーで停止。

また送りを変えZ方向は0.5mmにしました。今度は何とか最後まで加工してくれました。

でも何個かに1回はノットレディーで停止してました。

できた個数は50個。単価から計算すると6時間程度で加工しないといけないところを、かかった時間は14時間。

終った時は午前様でした。

次の日、納品に行ったら一言「遅い!」と。

「あんたが遅いから、まかせようと思っとった仕事、うちの機械にのせたよっ、100個口の奴。」

私は、必死で謝り、何とか次の仕事をいただきました。

遅れた理由、機械が止まる事、加工条件などを話しました。

すると「あの機械は剛性ないから取りシロすくなく送りをはやくせないかんばい」と教えていただきました。

どうしても仕事がほしかったので言われるがまま頷くわたし。

その社長を怒らせるわけにはいきません。

話し合って、数物は時間が掛かるからと単品物をいただきました。

ただし、単価は数物と同じで。。。

 

 

初めの地獄は単品地獄でした。。。。

 

 

つづく。