…戦後60年…
焼き茄子を作っていた時、突拍子もなく、60年前のあの戦災の
情景を思い出したのです。B29空襲で、阿波徳島炎上。
(60年目に免じて、書かせてくださいね)
1945年7月の今日3日、夕闇が訪れる頃だったでしょうか。
突然に警戒警報が、追っかけて空襲警報が発令。異常さを
察した父の指示で家族4人、裏庭の墓地隣に造られた防空壕に
避難しました。暗闇の中で、どれくらいの時が経ったでしょうか。
上から響いていたド~ンド~ンという地響きも一段落した隙に、
父親が壕の戸を押し開けたのです。
やにわに壕の中へ、紅蓮の光が差し込んできました。
「おい、早く避難せんとあかん。家が燃えとるぞ!」父の叫び声に、
壕から飛び出しました。すでに、本堂や庫裡は炎を上げて燃え上が
っています。辺りは昼間の様。火をかいくぐるようにして山門まで
辿り着き、手をつなぐようにして、近くの眉山に逃げ込んだのです。
夜空の焼夷弾がはじけて降り注ぐ光跡を、放心したように眺めていました。
ちょうど、打ち上げ花火が四方に炸裂するあれにそっくりでした。
いがぐり頭の小6、夏の出来事です。
空襲が一段落し、辺りが明るくなってから、私たちは山を下り始め
ました。石段のあちらこちらに、血を流している人たちがうずくま
っていました。頭から血を流している赤ん坊を背負った母親にも出
会いました。子どもがそうなっているのを、母親は気付かない風。
焼け爛れた市街地はまだ、炎と煙に包まれていたのです。
我が家は、山門と半焼けの風呂場を残して、すべてが燃え尽きてい
ました。あの、甍を誇った寺の建物が、何発かの焼夷弾によって塵
芥と化した姿。両親はただ呆然と、焼け残った山門に立ち尽くして
いました。焼け落ちてまだ火照りのある残骸の上を、ネズミが駆け回っ
ている姿を異様に覚えています。
本堂前の庭を開墾して栽培していた野菜が丸焼けになって、
中に炭のように真っ黒になったナスビがぶら下がっていました。ところが、
焼けただれた皮を剥いてみると、なんと中身は真っ白な果肉がちょ
うど食べ頃に焼けていたのです。
そしてこの日は、戦災疎開の前夜ともなりました。
焼き茄子を作っていた時、突拍子もなく、60年前のあの戦災の
情景を思い出したのです。B29空襲で、阿波徳島炎上。
(60年目に免じて、書かせてくださいね)
1945年7月の今日3日、夕闇が訪れる頃だったでしょうか。
突然に警戒警報が、追っかけて空襲警報が発令。異常さを
察した父の指示で家族4人、裏庭の墓地隣に造られた防空壕に
避難しました。暗闇の中で、どれくらいの時が経ったでしょうか。
上から響いていたド~ンド~ンという地響きも一段落した隙に、
父親が壕の戸を押し開けたのです。
やにわに壕の中へ、紅蓮の光が差し込んできました。
「おい、早く避難せんとあかん。家が燃えとるぞ!」父の叫び声に、
壕から飛び出しました。すでに、本堂や庫裡は炎を上げて燃え上が
っています。辺りは昼間の様。火をかいくぐるようにして山門まで
辿り着き、手をつなぐようにして、近くの眉山に逃げ込んだのです。
夜空の焼夷弾がはじけて降り注ぐ光跡を、放心したように眺めていました。
ちょうど、打ち上げ花火が四方に炸裂するあれにそっくりでした。
いがぐり頭の小6、夏の出来事です。
空襲が一段落し、辺りが明るくなってから、私たちは山を下り始め
ました。石段のあちらこちらに、血を流している人たちがうずくま
っていました。頭から血を流している赤ん坊を背負った母親にも出
会いました。子どもがそうなっているのを、母親は気付かない風。
焼け爛れた市街地はまだ、炎と煙に包まれていたのです。
我が家は、山門と半焼けの風呂場を残して、すべてが燃え尽きてい
ました。あの、甍を誇った寺の建物が、何発かの焼夷弾によって塵
芥と化した姿。両親はただ呆然と、焼け残った山門に立ち尽くして
いました。焼け落ちてまだ火照りのある残骸の上を、ネズミが駆け回っ
ている姿を異様に覚えています。
本堂前の庭を開墾して栽培していた野菜が丸焼けになって、
中に炭のように真っ黒になったナスビがぶら下がっていました。ところが、
焼けただれた皮を剥いてみると、なんと中身は真っ白な果肉がちょ
うど食べ頃に焼けていたのです。
そしてこの日は、戦災疎開の前夜ともなりました。