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『今日もみんなで良いモノつくります!』

『経営について』の考え方と従業員の『究極のモノづくり』に挑戦する姿を伝えたいと思います。

『Global Standard(グローバルスタンダード)』について

2006年09月04日 | 経営の事
『グローバルスタンダード』と云う言葉が使われる様になって久しくなりますが、言葉としては耳にして良く知ってはいても、実際にそれを企業として当事者として、それを実行するとなると全く別の問題になると思います。

世界標準(Global Standard=和製英語)と言う言葉の意味は、世界で通用する基準(標準)と言う意味になります。正確には国際標準(International Standard)と言います。これは特に、企業活動や企業のマネジメント・システムについての事になります。私たちは、日本に居ようが、海外に出て行って‘モノ’をつくろうが、世界のグローバルな‘モノ’づくりの競争の中に晒されています。今、生き残っている企業さんは今日現在は、世界の市場から少なくとも必要とされて居る事になりますが、明日の保障を約束されて居ると云う事ではありません。

決して大げさな表現をしているつもりはありません。競争を強く意識しようが、全く意識しまいが、結果として生き残りを掛けた戦いの真っ只中に居る事になる訳です。結果として生き残るのではなく、意識して戦略を持って生き残るのではなくては、持続性のある健全な成長は不可能になります。戦略不在で生き残るのは、奇跡に近いのではないかと思います。大企業の競争戦略は、‘コスト・リーダーシップ’による量的な展開を目指す事で生き残り、そして利益を挙げようとしていますが、我々中小零細企業がそれを真似る訳にはいきません。身の程知らずと云う事になってしまいます。

今日は、我々中小零細企業の視点から生き残りを掛けた‘競争戦略’について少し考えて見ます。大企業と同じ事を真似しようと思っても不可能ですが、我々には自分の規模に見合った‘競争戦略’が必ずある筈です。何故なら、大企業も最初は小さかった筈だからです。その‘戦略’について、考えを纏めて見たいと思います。我々は先ず、同規模のライバル企業との戦いに晒されていますが、ここで負ける訳には行きません。消耗戦は避けたい処です。ここで消耗していては、利益の出ない‘モノづくり’に終始する事になり、何処かで躓く事になります。どうやって自分達の企業価値を高めたら良いのかと云う事になります。我々が生き残る為には、昨日、少し書きましたが‘特許戦略’に尽きるかと思っています。‘特許戦略’を軸に、適正な付加価値を利益に繋げて、成長の糧にして行く事が重要な戦略になります。これには、お得意さんである‘取引先の製品群を熟知’する事から始めて行かなければいけません。更にその先には、その製品の‘お得意さん’が居る訳ですが、そのお得意さんの声を直接に訊く事、市場調査(市場コミュニケーション)が重要になって来ます。色々なアプローチと情報戦略で、最終ユーザーの声(不満を聞き出す)を訊く事が『シナリオ』の始まりです。そうすると、‘モノづくり’の先手を打つ事が可能になると思いますが、如何でしょうか!その逸早い情報のアドバンテージを‘スピーディ’に技術開発(独自性の確立)に生かす事で、ライバルに対して競争優位性を持つ事が可能になります。独自の技術を開発し、それを更に発展させた次元が‘特許戦略’と云う事に繋がって行く訳です。ここに於いて、お得意さんの販売戦略とシンクロする事にもなり、なくてはならない協力企業と言う事になります。ライバル企業に対しても少し優位に立つ事が出来る様になると思います。お得意さんは、少なくとも協力企業として大事に扱ってくれる様にはなる筈です。

弊社の現在の重要な戦略の一つは、‘カテゴリー・チャンピオン(ニッチな市場の王者)’になる事にあります。そしてその先にも更に目標はありますが、今はこの『ニッチャー』としての絶対的な地位を確立する事に専念しなければいけません。
その戦略の実現のために、「選択と集中」、「差別化」、「コスト削減」そして「独自性の追求」、「スピード」を軸に、ひとつの市場に集中的に資源の配分をする事で、ライバルに対しても確実な優位性を構築する事を狙っています。

大企業をお得意さんに持つ事で、弊社の‘モノづくり’の視点は世界へと行く事になります。大企業の世界戦略に、中小零細企業は自ずと‘インクルージョン(Inclusion)’されているからです。グローバルな競争を意識した‘モノづくり’を目指さなければ行けない事になります。

ここでやっと、表題の『グローバルスタンダード』の処に来ました。大企業の製品戦略と言うのは、殆どが世界展開を目指しています。その大企業と取引をすると言う事は、このブログの最初の8・9行目で書きましたが‘世界のものづくり競争’の真っ只中に、知らず知らずの内に組み込まれていると言っても過言ではない事です。‘グローバルスタンダード’の視点の中で、経営の安泰が将来も約束されなければ、経営者と言うのは、枕を高くして眠る訳には行きません。突然に世界の脅威は、襲って来る事になります。自分が寝ている時、世界のライバル企業は地球の裏側で、懸命に‘モノづくり’を行なっています。それが、近い内に遣って来る訳です。

ここで、また重要なキーワードは『ISO』になります。言葉の世界スタンダードは、英語(米語)になる訳ですが、『モノづくり』の世界標準語は、『ISOマネジメントシステム』になります。お互いに言葉は話せなくても‘モノづくり’の国際ルールを通しての会話がリアルタイムに成立します。『ISOマネジメントシステム』と云う‘適合性評価システム’を通して、言葉と言葉を交わさなくても、相通じる『世界的システム資産』で‘モノづくり’が行なわれ、その‘モノづくり’の共通語で、日本で製造するものと同じものが、安く造られて、我々の脅威となる事になります。

我々の眼は、常に世界に向いています。世界の見えない競争相手と‘モノづくり’に於いて、「コスト」「品質」「スピード」他で、その優位性を競い合っている事になります。日本で‘モノづくり’をする事が、ハンディではありません。世界の何処よりも、全てのインフラがととのっています。それを誰よりも上手く使う工夫が重要です。「技術開発力」と「速度」で良いものを安く作る努力を怠らないことだと考えます。守られて国内の中だけで、競争をしていた「ゼネコン」も「銀行」も打ちのめされてしまいました。これは、日本型標準、いわゆる‘ローカル・スタンダード’で物事を考え、政治的な根回しや密室での打ち合わせなどで事前に取り決めをしてしまい、国際ルールとは程遠い処に、意志決定のルールがあった事に因ります。

国際競争を前提に、体力づくりをして来た企業(財務体質と技術開発力の強化)のみが、将来の成長と正当な利益の得られる資格がある事は、最近の例が物語っていると思います。現在企業は、その透明性、公正さ、スピードで競争しなければいけなくなりました。

終わりに、弊社は、今『グローバルスタンダード』な‘モノづくり’をみんなで目指しています。そして、必ずやライバル企業に対して、競争優位性を確立したいと強く祈願して頑張っています。‘市場’と言うのは、先ずは直接取引をしている‘お客さん’が「市場」なんです。そこを絶対に忘れてはいけません。そのお客さんと言う市場で、1番になる事が、常に大前提になります。これが‘グローバルスタンダード’で生き残るための、最初のアプローチではないかと思います。それをさらに発展させていきましょう!
全従業員一丸となって、顧客(市場)満足度1番を目指して‘モノづくり’を頑張ります。


今日もみんなで良いモノつくります。

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ストライベック (グローバル鉄鋼商社)
2025-01-01 09:46:48
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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AIアルゴリズムのいい教科書 (日本海トライボロジー関係者)
2025-01-07 14:58:22
「材料物理数学再武装」なつかしいですね。トライボロジーにおけるペトロフ則とクーロン則を関数接合論でつなげてストライベック曲線を作成する場合、関数の交点近傍でなくても繋げることができる関数としてAI技術の基礎となるシグモイド関数が出てくるあたりがとても印象的でした。ちなみにストライベック曲線(シュトリベック線図・Stribeck curve)は、ドイツ人研究者のRichard Stribeck(リヒャルド・シュトリベック)が20世紀はじめに、すべり軸受の摩擦特性や、転がり軸受の静的負荷能力の実験から、導き出した軸受定数G(ゾンマーフェルト数;無次元数の一種)に対する摩擦係数の挙動を示す特性曲線です。
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鉄の道アスリートソウル (CCSCモデルファン)
2025-01-07 15:00:39
日経クロステックの記事に去年ののノーベル賞は「「AIの父」ヒントン氏にノーベル賞、深層学習(ディープラーニング)の基礎を築いた業績をまとめ読み」と題して紹介されていましたが、物理学賞、化学賞ともにAIがらみあったんですね。しかしながらブラックボックス問題の解明には至っていないようです。AI半導体大手のNVIDIAのCEOも「AIと日本の優れた製造業、ロボット技術を合わせれば、日本は新しい産業革命を起こせる」と述べ、日本が持つ可能性に対して強い期待感を表明している。このようなAI技術は地球環境問題だけでなく人口減少に伴う労働力不足の解決策ともなろう。今後ロボットは高度な多軸、多関節化がおこることが予想されるため日本人の経営者も指導力を発揮すべきでは。
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日本海ケミカル (ケーブルトライボロジー)
2025-01-09 20:46:25
まあ、そうはいってもやはりCCSCモデルはノーベル賞級の境界潤滑理論だといえますね。なにしろ極圧添加剤の作用機構の原因物質が、グラファイト層間化合物であることを世界で初めて明らかにした業績は素晴らしいものがある。あとなにやら鉄鋼のリサイクル技術にも関連した話があるということだ。
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すごい未来 (宇宙航空工学関係)
2025-01-27 11:29:38
「材料物理数学再武装」はマテリアルズインフォマティクスの専門家で、元島根大学客員教授でプロテリアル製高級特殊鋼SLD-MAGICの発明者の久保田邦親博士(工学)の大学での講義資料名ですね。その方によればよれば世間でいう4層以上の多層ニューラルネットワークだけの説明はディープラーニングの説明は片手落ちで、ドロップアウトという設定確率に沿ってニューロンを切断することで求解速度が高まったという。もともとどんなプログラミングも数学を基礎としているので例えば、人工知能というものの起源をパーセプトロンに求めるが、関数を継ぎ足すという視点(関数接合論)でながめると材料力学・破壊力学の長い亀裂の応力集中係数の求め方にその発祥があるとも。なかなか奥が深いものだ。
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サムライソウル (神仏照覧)
2025-01-31 16:09:35
山陰中央新報でも報じられていましたねプロテリアルの工具鋼の話。
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