『今日もみんなで良いモノつくります!』

『経営について』の考え方と従業員の『究極のモノづくり』に挑戦する姿を伝えたいと思います。

『リーダーシップ(CSM経営)①』について

2007年05月04日 | 経営の事
精密部品加工の‘モノづくり’の‘リーダー’はどうあるべきか‘リーダーシップ’は如何に発揮するべきか、について書きます。

今日、ここで書いて見たいのは、私たち‘モノづくり’の精密部品加工業に於ける‘工場長的な立場(弊社には工場長と言う役職はありません)’の責任者の‘リーダーシップ’についてです。最後の方で、表題の「リーダーシップ」と「CSM経営」を絡めて見たいと思います。

この立場の人は、経営トップの分身でもあります。大きな役割を背負っている事になります。状況に応じて、独りで工場内で発生する全ての事(良い事・後ろ向き対応の事)に対して的確な判断を迫られる場面に遭遇すると思いますが、常に正しい判断と対応が出来る訳ではないと思います。本当に迷う場面、状況も多々起きて来るだろうし、また部下と、その成果と、そして自分の感情の狭間の中で‘決断’が揺れ動く場面も想像されます。ストレスも極限に達してしまうかも知れません。そんな時、自分の目指すべき‘モノづくり’のポリシーと言うものがしっかりとあるかどうかが解決の鍵になって来ます。
‘最高のモノ’をライバルの何処よりも‘早く・安く作る’と言う強い信念のもとに、それを形にするための合理的な方法も見に付けていく努力も必要になります。

新入社員でまだ業務に不慣れな部下が多いと、何でも自分でやりたくなる状況は日常多々起きて来ると思います。
  ‘リーダー’とは「部下を通して仕事をする立場」にあります。
自分にしか出来ない仕事でも、部下を早く育てて任せていかなければいけません。
‘リーダー’は工場全体の進捗状況を見ながら、より高い価値を創造するための「最適解」を求めて‘知恵’を絞るのが仕事になるからです。その都度、的確な状況判断をして、スピーディーに決断を下し、最善の方向を模索する事になります。自らの意思で決断をしなければいけないシーンが多い訳ですが、それには経験も、正しい情報も必要になります。大きな方向として、何よりも‘会社の理念・方針・戦略’を正しく理解している必要があります。
それを基に判断していければ、経営者と同じ目線・視点になっている事になります。
また、それには常に見識を深めるための不断の努力と‘プラス思考’も大切な要素になります。また、2次、3次情報(外野の声)に惑わされる事なく、実際に自分が現場で経験している‘1次情報’を正しく分析して問題の理解に努める事で、現状を客観視してタイムリーに対応行動を取らなければいけません。積極的に対応する事で、前向きに解決しようとする態度が職場の雰囲気を変えて、リーダーが「何をめざしているのか」が、皆に理解され始めれば、現場はその実現のために、生き生きと一体化していくのではないかと思います。

設備だけでなく、「部下」も与えられた‘経営資源’の一つであり、有効に生かす工夫をしなければいけません。
部下に上手く仕事をして貰うためには、目標を細かく噛み砕く必要があり、ブレイク・ダウン(break・down)する事で、問題解決のための初めの一歩が見えて来ると思います。そして、次に何をすれば良いのかも自然に判って来ます。

問題解決(目標達成)に近づいていく事で、皆の‘価値観’が同じモノになり、それまではプレッシャーに感じていた事が、次第に充実感へと変わっていくと思います。そうすると、従業員の会社への帰属意識も次第に高まり、運命共同体としての強い絆さえ生まれて来ると思います。従業員が本来持っているポテンシャルも発揮され始めて来ると、全てが上手くかみ合い‘正のスパイラル・アップ’の状態が生まれて来ます。それは、大きな生産性改善へと向かい、更には経営改善へと繋がっていくと思います。

また、従業員は常に経営の良き‘パートナー’だと考えています。会社と従業員との関係は対等な関係であり、共通の目的・目標をめざす事で、関係性をより深めていきながら、未来に確信が持てる様になりたいと思っています。また、現状の取り組みや結果に対して‘楽観視したり、悲観視したり’また‘集中力が高まったり、落ちたり’すると想像されますが、この相反する考え方や態度を絶妙に調和させるための‘対極のマネジメント(飛翔する事:アウフヘーベン)’も要求されて来ます。

‘リーダー’は従業員から支援されるのではなく‘従業員を支援’する立場にあります。お互いに支援し合う事が、チームワークの基本にもなります。
従業員のために働くんだと言う、強い意思が現状打開の最善の方法かも知れません。
事実(真実)である1次情報は一つです。それを自らの経験(5感)を集中させて原因を分析し、対策を立てて良いと思う事を皆で直ぐに実行していく事だと思います。

よく「百聞は一見にしかず」と言いますが、更に発展させた言い方で「百見は一験にしかず」と言う言葉があります。百回見るより、一回の経験・体験して見ようと言う事です。一回の経験の方がまさると言う意味で、部下の話をただ聴くだけでなく、先ず自分も同じ環境(条件)でやって見る事で‘生の実感’を共有し合う事も、理解を深める意味で重要かも知れません。
リーダーとは‘仕事人’であり、自らの発意で能動的に・積極的に考え行動できる人だと思います。人間には向き・不向きがありますので、常日頃から部下の性格を見極め、性格や能力に見合った適材適所の業務を任せなければいけません。
こうして、職場の働く環境・雰囲気を創り上げていく中で、自分の目線・皆の目線を何処に向けていくのかが、一番良いのかと言う事も問われて来ると思います。それぞれの担当者が何を考え、何処を目指して仕事をしていくのが良いのかを考えて見るのも大切な事です。

弊社内での‘モノの動き’になりますが、精密部品加工の‘モノづくり’は、一般的にお客様からお預かりした‘図面’(自社で設計・製作をしているケースを除いて)を基にして、NC旋盤やMC等の多くの工作機械を使いながら、幾つかの工程を進めて完成へと到ります。
図面と言うのは、最終形状、つまり完成した時の姿しか表していませんが、その図面から素材寸法や加工工程を考えて使用する機械等を決めます。そして、その図面は加工現場へと回り、業務部で発注した材料が入荷すると、生産部で実祭の加工に入ります。
それぞれの工程を担当する人は、その工程を確実にこなす事に専念します。そして、最終的には図面と同じ形状、最終工程に到る事になりますが、その‘モノづくり’に係わっている各セクションの担当者の視点が、一体何処に在るべきなのか、向けられているべきなのかと言う事なんです。

基本的なスタートは営業からですが、我々の様な小さな企業でも‘モノづくり’をするのに幾つかのセクションがあり、それに携わる皆の視点が、全員同じところに向けられている事が重要だと言う事です。

当然、最初の工程の担当者は次工程の担当者の事を考え、自分の担当する工程に専念し、最終工程の事まで考えていなければいけません。それぞれの担当者が共通の意識として‘良いモノ’を造り、出荷されるまで責任を持つ事は勿論です。

でも、もしかしたら‘本当に良いモノ’を造ると言うのは、その先から始まる様な気がします。        (ここからがCSM経営との絡みになります。)

それは会社が一丸となって、その先の‘お客様’の事を考えて、そこを‘起点’として‘モノづくり’に取り組める様になれたら、図面に記されていない事、出荷されていく‘モノ’に何かが‘付加’されていく様に思います。

お客様に届いてから、開封され・組み立てられ、部品が機能する時の事までを強く意識が出来る‘組織’になれたらと言う事なんです。

これを‘顧客満足度経営(CSM=Customer Satisfaction Management)’と言います。
もっと噛み砕くと、「顧客の声に耳を傾け、求められるニーズを掴み、その情報を製品サービスの改善・開発、そして経営の仕組みの改善に生かす事で、高い提供価値を創出する事、すなわち、顧客を起点に経営品質の向上を図る事」になります。
このCSMが機能、回り始めた時に企業価値が最大化していくと言う事です。
これからの企業は、品質のボトルネック、経営のボトルネックをお客様視点で改善、満足させていく事が求められていると言う事だと思います。

‘リーダーシップ’は‘CSMに支えられて’初めて大きな力になると思います。
判断に迷ったら、真っ先に‘お客さまの事’を‘お客様が喜んでくれる姿’を想像して考えて見れば、迷わずに簡単に答えが出せるかも知れません。
‘CSM視点’で経営のボトルネックを効率的に改善する事で、企業価値を高めていきたいと思います。

「リーダー」について少し書きましたが、何と言っても‘人間的魅力’も欠かせない重要な要素になります。
弊社に於いて、私を含めてリーダー的立場の人は、部下に支えられて組織の上に立たせて頂いている以上、人間形成・人格形成に努める義務があるのではないかと思います。

弊社熊本工場の落成が来月の6月27日に決まりました。

弊社が創業して間もない頃から今まで一緒に仕事をして来た、一番古い社員(36歳)が、この4月1日から‘取締役生産本部長’に就任しました。熊本工場は、彼が中心になって立ち上げてきました。そして、その彼と、熊本に赴任する責任者(リーダー)に対しての‘送る言葉’として、今日はこのブログを書いて見ました。
弊社の熊本工場が、早く現地で信頼・期待される企業市民になれたらと社員全員で祈願しています。会社全体で彼らを支援していきます。また、健康第一で仕事をしてほしいと思っています。

今日もみんなで良いモノつくります!

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