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オールドダマスカスを歩く…「在りし日のシリア」(4)(2010.10.19)

2015-03-18 | ボランティア

 2009年12月25日、「オールドダマスカスを歩く」企画があり、バーブトゥーマ警察署前から、主にキリスト教地区を中心に散策しました。ダマスカスは、数千年の歴史を誇る世界最古の都市の一つで、古い城壁で囲まれた一帯は「オールドダマスカス」と呼ばれています。

 はじめに、「聖アナ二ア教会」を訪ねました。(写真1)聖アナニアはダマスカスで最初のキリスト教司教で、失明したサウロに洗礼を授け、彼の改宗を促したとされています。地下には洞窟のような礼拝堂があり、サウロから改名したパウロの生涯が絵で示されていました。

 その後、せまい路地を歩いて、城壁沿いの「聖パウロ教会」に向かいました。教会内部には、改宗したパウロがキリスト教徒からの報復を避けるため、かごを用いて逃げる様子が絵で示されています。建物の外には、神の怒りに触れて落馬するサウロの像がありました。

 シリアの宗教はイスラム教85%(スンニー派70%、アラウィ派12%)、キリスト教13%といわれます。オールドダマスカスの「真っすぐな道」の東側にはキリスト教の教会、西側にはイスラム教のモスクが多く見られますが、モスクと教会が隣り合わせになっていることも珍しくありません。

 シリアに来てはじめて、キリスト教とイスラム教が当たり前のように共存している地域があることを知り、認識を新たにしました。当日は「クリスマス」ということもあり、キリスト教地区の家々には飾り付けが施され、通りには照明用の電球が連なっていました。

 この日の締めくくりは、「聖マリア教会」でした。その途中、「面白いものがある」といわれ、狭い路地を通り、たどり着いた先にあった「玄関のドアノック」。手の形をしています。何となく、つい、笑ってしまいました。

 ノックする手は「ファティマの手」。イスラム教の創始者・ムハンマドの娘ファティマに由来し、魔よけやお守りとしてドアノックや装身具などに用いられます。

 シリアは日本の約半分の面積に、2,060万人の人口を抱えており、内訳はアラブ人85%、アルメニア人1%、クルド人10~15%、その他パレスチナ人46.7万人(2010年UNRWA統計)です。

 シリアでは、民族・文化・宗教など多方面で、いろいろな要素が混ざり合い、独特の価値観や生き方を形作っています。


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