じっと見ていた

僕は野球の練習が終わってから

高学年の会長杯という大会の試合を見に行った

６年生が最後の大会

ちょっと寒いけど、おにぎりもって試合会場に行った

試合会場はとっても大きかった

違うチームが試合をやっていたから

みんなで楽しくおにぎりを食べた

なかなか新宿野球の試合が始まらないから

遊んじゃった

高学年が練習が終わって

試合会場にきた

一緒に見た

となりにいるとなんだかうれしいな

高学年が試合の準備が始まった

今まで隣見ていた高学年がなんだか違う人みたいに大きく見えた

いつもと違う顔

僕も緊張してきた

監督が

６年生の大会だからしっかり見ろって

僕はネット越しからみていた

試合が始まった



６年生のエースがグラウンドで投げている

力いっぱい

一生懸命

投げている姿を見ていた



サードには

６年生のキャプテンが守っていた

グラウンドに響く

大きな

大きな

バッチコーイ

叫んでいる

声を

聞いていた




相手は

とっても強い

とってもとっても強い

僕はくやしかった

僕は何にも出来ないけど

一生懸命

応援した

すごく

寒かったけど

頑張れって

応援した

声にはだせなかったけど

頑張れ　頑張れって



１１対０

試合が終わった

みんなが僕たちの方へ挨拶をした



キャプテンの声が震えていた

顔を帽子で隠して

肩がゆれていた

エースも

袖で顔を拭いている

最後に円陣を組んだ




かっこよかった

すっごく　すっごく

かっこよかった

僕の大好きな

キャプテンとエース

去年の６年生は憧れの存在だった

今の６年生は

僕２年生で一人だけ入って

心細かったとき

そんな僕を

いつも一緒にいてご飯を食べてくれた

練習が終わると

いっつも追いかけっこをして遊んだ

いっつも　いっつも

僕の名前を呼んでくれた

大好きだ　大好きだ

僕は２人が

とっても大好きだ

僕はまだまだ弱いから

２人ようにはなれないかもしれない

けど

いつか

きっと

２人のように

かっこよく

僕は

なりたい

ａｓａｔｏ


試合をじっと見つめていた息子の横顔より siho