歯医者の敗者

　そもそも。
　わたくし、歯医者というところには行きません。　たとえ歯がとてつもなく痛もうが、それを我慢してしまったら困ったことになろうが、絶対行きません。
最後に行ったのは、20年くらい前、子供の時にかぶせた歯がとれてしまったので、渋々行ったのが最後です。
　何しろ、あそこに足を踏み入れようものなら、「ああ、ここだけじゃなくてあそこもこ～なってますし、ここもこ～なってますし・・・　あ～、こっちもこ～だねえ」的な流れになって、もはや一生抜け出せないような事になるのもわかってるので、尚行きたくないわけ。

　時折、「歯垢を取りに歯医者へ行く」などという人がいますが、そんなやってもやらなくても命に別状のないような用事で、あんな怖しいところに気安く出かけていく感性が、あたくしには全く理解できない。


　さて。
　話は、先々週のはじめに戻ります。

　ご飯を食べていたら、なんか口の中に、食べ物ではない異物がふいに出現したのを感じて、「なんだ？？」と思って出してみたら・・・・　昔奥歯にかぶせた銀が・・・・　　（゜д゜lll）

　と・・・　　と・・・　とれた・・・・・　　

　マズい、こればっかりはあの魔境へ行かないわけにはいかないじゃないか・・・　
　マジかよ～～～　　なんてこったよ～　

　しかし、次の日曜日には大事なライヴを控えていたわたくし、考えました。
ここであんなところへ行って、もしかして何かが何かになって、ナニがナニするような大変な事になったら・・・　ライヴに影響してしまうではないの。
それはいかん。　そんな事があっては、絶対にいかん。　　

　と、言うことで、ライヴが終了するまで、放置決定。　

　で、無事にライヴが終わったので、渋々、嫌々、止むなく、致し方なく、決死の思いで、20年ぶりに歯医者なるところへ行ってきました。　
　そう決めたものの、家を出て歯医者に着くまで、「行ったら歯医者なくなってないかなあ」とか思ってたんですけど、なくならないんだね、あやつは。
　仕方がない、座ってやるよ、その診察台っていう胡散臭いやつによぉ！！　　ダァ━━━ヽ(゜益゜*)ノ━━━!!

　すると。

　わたくしのかぶせたものが取れて大穴がボコッとあいている奥歯を見た歯医者さんがボソッと一言

　「わ・・・　　これはおっき～～～い・・・なあ～～」

　で、レントゲン写真を撮られて、それを見せられながら、マスクで顔の半分を隠した悪魔は、わざとらしい残念そうな声でこう囁きます。

　「あのねえ、これ、もう根元までいっちゃってるんですよぉ」
　「・・・・・・・・・・。」
　「無理やりこの歯を残したとしても、多分すぐに割れちゃって、意味もないと・・・・」
　「・・・・・・・・・・。」
　「だからねえ、これはねえ・・・・・
　　　　・・・・・　抜きましょう。」


　                  


 さらに、追い討ちをかけるように、悪魔はこう言います。

　「来週、予約取っていただいて、抜きますのでね・・・・　体調の良い時に。　Ψ(｀∀´)Ψ　」

　な、な、なんだ？？　体調ってなんだ？？？
　そんな危険な事をしようっていうのか、貴様は？？？　　ヾ(≧∇≦)〃ヾ(≧∇≦)〃


　皆さん。

　来週のどこかで、もしかするとこのブログがプッツリと途絶えてしまうかもしれません。