ノーやん日記パート2

逆光のなかにひときわ清きもの

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 晴れ。午前中、市内の診療所へ頸動脈エコー検査。待合で日馬富士の“暴力事件”で事情聴取を受けている白鵬のTV取材中継を見ながら、聖徳太子まがいに薄田泣菫の「完本茶話」を読む。貴ノ岩関の頭部を縫った映像がアップされているのに現場に居合わせた親方衆の証言がまちまち。ことの委細は知らぬが相撲協会は、暴力横綱を即刻追放しなさい。なにをぐだぐだやってるんや。わが輩は今場所の大相撲TVは黙殺した。

 相撲の世界はなにやらどす黒いね。それを思えば泣菫の「茶話」なんて他愛ない。京大文学博士内田銀蔵先生にまつわる逸話が3回も登場した。驚いた。よほどおもろい先生だったのだろう。最初は、すでに書いたスイスで買った懐中時計のドジな修繕話。2度目は、東京で買うた靴の修繕のため包んで東京へ送ろうという世離れした話。3度目は、洗(銭)湯で「お玉杓子泳ぎ」をし若い男に怒られ謝ったという笑話。若い男はじつは内田先生の受講生だった。「新近江八景」も名古屋生まれの見物衆をからかった笑話。どちらも品はよくないがまあ笑い話ではある。

 エコー検査はお昼に終わったが薬を処方してもらうため、昼食をして午後1時ごろまで待合で待つ。先生や看護師さん・職員は昼食なしの労働をしているようだ。これでいいのか?現実問題の解決策は単純ではなかろうが。

 ハンバーグ定食で腹が満ちている愚老は帰路、二ノ切公園によって冬のバラ園を見る。ちらほら咲き残る冬のバラ。人は初夏のバラを愛でて押し寄せるが冬薔薇なんて見向きもしない。朽ちながら美しく散る冬バラの花。逆光のなかにひときわ清く光る花。老いゆくいのちに光あれ!
          逆光のなかにひときわ冬薔薇 昇龍子
          水鳥の羽色仲間を隔てなく   同

コメント一覧

ノーやん
https://55926699.at.webry.info/
{%笑いwebry%}さすがですね。「香り失せても、褪せぬバラの美貌」見事な詩です。コールリッジのこと初めて知りました。ありがとうございます。
fm
十一月

芳潤の年は終わりへと急ぐ。
小鳥もいまや歌いつくし
小声でさえずり、暗い突風――
早い雪を告げる高い笛の音。

香り失せても、褪せぬバラの美貌
ときに朝の水晶の柱で飾られ
青ざめて過ぎし夏を悼み
ささやかな夏をその場に迎える。

微かな日差しの冷たい光線を浴び
水は黒ずみ、身震いしては光り
堤に仕切られずににじみ出た小川は
行く手を赤茶色の葉にふさがれる。

まばらでボロをまとった森は
地味なツタを編んで体を包む。

ハートレイ・コールリッジ (1796-1849)
fm
「逆光のなかにひときわ冬薔薇」

ロマンチックだねえ。そう言えばコールリッジの息子の詩がありましたけ。探してみましょう。
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