チョッキを脱いで出かけた。診察は心電図検査あり、お昼近くまでかかった。血圧は上が120下は70。まあまあか。心電図も「異常ありません」。
友人・知人の訃報のたんび、あいつ「ガン」か、あいつ「心筋梗塞」か、えっ、あいつ「腹部動脈りゅう破裂」やて、可哀そうになあと思いながら、自分は「なあに、このとおり」、死ぬことなんかない。という顔してるけど内心ビクビク。ネットで見ると、自分の消費期限は、あと10年くらいらしい。が、いつポテチンいくかわからん。先生に「だから、心配ないようにこうやって定期的に検査してるんですよ」といわれると、お医者さんの有難さが身にしむ。けど、長生きしよ思ったらお金かかるなあ。
待合所で、桂米朝コレクションの「怪異霊験」編を読んでいた。上方落語にはだいたいぞくっとするような噺はない。が、「仔猫」という噺にはぞくっとした。というのは猫のお化けは小学生低学年の頃、エノケン映画で口裂け女が出刃包丁を研ぎながらイヒヒと笑うスローモ-ションを見た覚えがある。それが怖くて便所にもよういかんかった記憶が70歳近いわが脳天に蘇ったんや。それを思い出させたんがこの「仔猫」という噺。「おなべ」いう働きもんの女中も、ぼくの幼いころ、大家さんにいた女中の記憶とダブってしもた。ナンマンダブツ、ナンマンダブツ…。落語いうのは、おもろいもんやけど時として身につまされる噺になると笑えんこともある。ほんまに、ぞくっとした。夕方風が吹きだした。
そんなときに黒いカラスが現れる。なのに、きょうはあらわれず。なので、むりやり、カラスのうた4番を歌ってサゲとしまひよ。
カラスのうた(死番=しばいたる)
烏 よ~く聞け
なんで銀座の街をうろつくねん(みんな迷惑してるゥ)
アホぬかせ
お前らが仲良くくらそ こっちゃこい呼んだんやないか
(アホんだら)熊野の山へ去にさらせ 権現様も怒ってるゥ
木蓮の風うけてものいふごとし 不如丘
木蓮に大風やまぬ日なりけり 夕爾
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