落ちざる椿 春序曲

　曇り。ときどき日が射すが寒い。東京・福岡・横浜・名古屋からソメイヨシノの開花情報が届くが、わが千里はまだや。町内を徘徊する。上向きに咲いている八重ツバキはきょうも頑張っている（写真上）。府営住宅のユキヤナギはたんまり花を付け撓んでいる（同下）。菜の花も連翹もチューリップもサクラにさきがけうたいだした。春序曲。

　「きょうはちょっと寒いですね」「そうですか」。戸外では子どもらがマンションのプレイロットで駆け回っている。帰宅して「オンリー・イエスタディ」の続きを読む。Ｗ・ハーディングの死去後登場したＪ・クーリッジ大統領時代の繁栄物語が描かれる。ところどころ鉛筆で傍線を引いていた。「フォード式福音」「月賦販売」「株式市場への投機」…。第一次大戦後のアメリカは、戦争被害もなくひとり資本主義的繁栄を謳歌していた。どこか戦後日本の「黄金の60年代」に似ているような気がした。それがやがて世界大恐慌に到ろうとは。21世紀のいま、地球をコントロールする能力を人類はもっているのだろうか。北欧の高校生が危惧した「気候変動スト」がひろがりつつある。希望はある。お昼はきょうもベーコンとシメジパスタ。出来具合はまあまあ。か？
　　　　　　　　　　上向いて落ちざる椿けふもあり　昇龍子