能勢謙三の鹿児島まち案内日記

おすすめの道2 ネオン街を串刺し

 天文館には、抜け道をたどる楽しみもあります。特にネオン街に興味をひかれます。
 おすすめの一つが山之口町縦断コース。夜は飲み屋のネオンで華やぐ南九州きっての歓楽街ですが、抜け道をたどると、そんな天文館の裏の顔をのぞくことができます。
 電車通り側からスタートしましょう。文化通り入り口から少し高見馬場寄りのコイン駐車場が起点です。タクシー乗り場が近くにあり、間口も狭いせいか、あまり目立たない駐車場。「満車」状態が多い道路斜め向かいのいわさきパーキングと比べて、比較的空いています。穴場といえます。
 この駐車場を抜けると、ダイヤモンドビルのある萩原通りに出ます。右へ進み、中華店ながづきを過ぎた角を左に入ります。ビルの谷間の、いかにも抜け道らしい抜け道。このコースを代表する抜け道といえるでしょう。
 壁と壁に挟まれた通路は人がやっとすれ違えるくらいの狭さです。あるのは電気やガスの計量器。ガラクタ、乗り捨てられた自転車など。見上げると空が高く、長方形に仕切られています。
 ここを通ると、自分が野良猫になったような気分になるのです。こんな気分も悪くありません。歓楽街にこんな静寂があるなんて。何だかホッとするのです。
 やがて右側に木造モルタル2階建ての店が何軒か現れます。風、菜々かまど…。菜々かまどには、急な階段を上がると、囲炉裏のある部屋があり、隠れ家のようです。
 出口付近の右の壁に、「ここで小便をしないで下さい」と書いた端正な看板が最近現れました。端正に書いてあると、立ち小便もしづらいかもしれません。
 この通路を抜けると、ホテル・サンデイズインのある二本松馬場通りに出ます。振り返ると、今来た通路の入り口、桐野寿司の腰壁に「風待ち通り」の名が。「大人のための絵本天文館」を著した作家・清水哲男さんの命名とか。
 のり一ラーメンの手前を左へ。これまた、いかにも抜け道らしい抜け道に入ります。途中、右手に枝道があり、角に、あさりラーメンで有名な凡亭があります。夜遅く開店するので要注意。ロシア料理も売りのユニークな店です。この枝道は、二官橋通りにつながっています。途中には、たぬきもあります。
 凡亭を過ぎると、通路は飲食店雑居ビルの中へ。中で左折、そして右折して進むと、豚とろラーメンのある中通りに出ます。もともと「ねこんくそしゅっ(猫糞小路)」と呼ばれた通りです。
 文化通りの方へ、左へ進みます。やがて右手に現れるツインビルに入り、中で右折と左折を繰り返すと、ゴールの山之口本通りに出ます。
 山之口町のネオン街を縦断し、いわば串刺しにするコース。天文館の裏側を探訪するにもってこいです。
 
 

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