一か八か定食 こぼれ２４

　毎日の楽しみの一つに昼食があります。まち案内のために正午前後に自宅からバスで街へ出てきて、軽く街を流してから昼ごはんをとります。今日はどこで、とあれこれ考えるのが楽しいのです。
　できれば安上がりに、できればおいしい物を、と思って店を決めます。だいたい行きつけの店に行きますが、たまには勉強のため飛び込みで初めての店も訪れます。
　先日、山之口本通りはホテルレクストン鹿児島斜め向かいの「一口餃子のブー屋」に初めて入りました。前から気になっていたのですが、よく見たら日替わり定食５００円という値段が気に入りました。
　その日はハンバーグがメーンでしたが、そこそこにおいしくて良かったです。カウンターの向こうで黙々と働く２人の女性たちの姿も悪くありませんでした。
　東千石町「吾愛人」の横筋にある「松助」はよく行く店の一つです。昼メニューはただ１つだけ。「日替わり定食６００円」です。店の入り口に、その看板はあるのですが、どういう定食なのか、メーンのおかずは何なのか、書いてないのです。
　客は２階の店に上がり、定食を注文して、その品が出てくるまで、さて何が出てくるか、わくわくドキドキ待たねばなりません。客によっては、席に着く前に定食の中身を店の人に聞く人もいます。あまり気に入らなかったのか、そのまま階段を下りていった人を見たこともあります。
　そんなことをあえてしない客にとっては、いわば出たとこ勝負、「一か八か定食」なのです。おかずはそれぞれ好みがあるでしょうが、いつも変わらないおいしさの漬物と味噌汁はお薦めです。そううるさいことを言わなければ、なかなかの定食。ついまた階段を上らせる魅力があるのです。