能勢謙三の鹿児島まち案内日記

案内日記こぼれ話12

 12月24日、クリスマスイブの日の案内日記で書き漏らしたことがあります。鹿児島中央駅東口バス案内板前
で、ミーシャコンサートがある市民文化ホールへ行く人たちの案内に追われていた夕方4時半過ぎでした。70前後の男性が付近地図を見ながら「ホテルを探している」とのこと。
 どこですか? と尋ねると「まだ決めていない」。近くがいいとのことで、持ち歩いている市内ホテル一覧表から東横イン東口などを挙げました。一覧表は、駅2階コンコースにある総合観光案内所からもらったもの。便利な資料です。男性が「温泉がある所はない?」とおっしゃるので、改装したばかりのシルクインを紹介。電話しましょうか、と一覧表を見て自分の携帯でホテルに電話しました。運良く空いていましたので、電話を男性に渡し、手続きをしてもらいました。

 中央駅や天文館で「まち案内」をしていると、この男性もですが、宿を予約しないでやってくる人が少なくないことに気付きます。ネット予約全盛、ネット予約優先の時代に、こんな人たちがいることに、超アナログ人間の1人としてなぜかホッとさせられます。いきあたりばったり、というか、無計画というか。

 旅はこれでいいのかもしれません。出たとこ勝負も旅の醍醐味だからです。何もかも事前にしっかりと準備するのは確かに安心かもしれませんが、意外性のない旅になることでしょう。考えもしなかった出会いや出来事に遭遇するためには、いきあたりばったりも捨てたものではないかもしれません。

 あるとき、宿を決めていないカップルを案内しました。男性は70代、女性は60代に見えました。ホテルが決まって、電話で手続きをする2人の話を横で聞いていて、あれっ? と不思議に思いました。2人は互いに名前も知らず、今しがた出会った人たちのようだったのです。電話相手に向かって「2人お願いします」と女性。すぐ男性が代わって「シングルを2室」と言い直しました。どんな2人だったんだろう、あれから2人はどうしたんだろう、と今でも時々思い出します。

 
 

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