もしも６億円当たったら…

唐突に兄ちゃんから質問されました。
「ママ～、もしね～、６億円当たったら、どうする～？」

ほう。
テレビのＣＭででも見たのかな？

いつも前ぶれなく話が飛び出す兄ちゃん。
突然、思い出したのでしょう。

「そうだね～…」
「あぁ家の支払い」

・・・
おいおいおい

「…それも良いけど…」
「他にもあるの」

それ以外に無いように見えるのでしょうか…

「そうだね～。
ママはやっぱり旅行だな。
世界一周旅行がしたい」
「なるほど
そうだね、ママは旅行が大好きだもんね」
「うんうん。
で、兄ちゃんは？」
「僕は～、当然…」

ま…、まさか…
６億円の意味分かっているのだろうか

「僕は、スシロー
間違った
くら寿司」
どちらも、１００円皿の回転すし屋さんです。
ただ、くら寿司の方が５皿ごとに電子ルーレット（？）の様なものがまわり、景品の当たりが出るのです。
もちろん、はずれもあります。

やっぱり…

兄ちゃんはフフフ顔で
「当然じゃん」
と言っています。
「Ｔちゃんは？」
「Ｔはね～…」
頬杖ついてニコニコしながら勿体ぶります。

…、こ、これは…

「くら寿司」

やっぱり

「じゃなかった。
かっぱ寿司」


どこも１００円皿の回転すし屋さんです。
お寿司が大好きな２人なので、お金を使っての贅沢と言えば『お寿司』なんでしょう。
ですが

せっかくの６億円が…


以前、テレビで東京かどこかのお寿司屋さんが出ていました。
普通にカウンターがあり、注文すると板前さんが目の前でお寿司を握ってくれます。
取り立て、珍しい風景ではありません。

ですが、それを初めて見た兄ちゃんの一言は…
「ママ～、このお店、変わってるよ～」
「？そう？どこが？」
「回ってないよ」


・・・
…い、言えない…
「これが寿司屋の昔ながらの本当の姿なんだよ」
なんて…

すまない兄ちゃん