屋形船の憂き目。

キラ子物語12

あれから、私も考えたよ
あの禿げ散らかしたオヤジのいうことも間違っちゃいない

人間だって猫だって、他人他猫の言うことを聞けなくなったらおしまいだ
教養とか知恵とか必要以上に詰め込んでるやつに限って頭が固いんだよ
頑固って言うんだ、石頭って言うんだ
頑固は見苦しい、石頭は見苦しい
私は見苦しい猫にだけにはなりたくないからね
このままじゃ、いけないって思うじゃないか
そしたら、やっぱりアレだよ、アレッ！！

そうだよ、アレ、、、面接だべ



背に腹はかえられぬ、行くか、面接！！
しかしなぁ、この寝て起きて半日以上経つのに直らない寝癖
この寝癖を何とかしなくちゃだよ

言っとくよ、あたしゃこの直らない寝癖が気に入らないんだ！！
老猫だからって馬鹿にするんじゃないよっ

おお、寝癖。

老人と海。

ダンス宇宙人。

キラ子物語11

全く人間の男は猫のメス心ってやつを分かっちゃいないね
何でこんなオヤジが私の名付け親なんだろうね
この島に流れ着いて初めて出会ったのがこのオヤジだっただけで、やたら馴れ馴れしくしてくるんだ

「なんだ？キーラー、お前腹がへってんのか？」
やめてくれ、その嫌らしい目は！！
腹が減ってるかって？当たり前だよっ、あたしゃ野良猫だよっ！！

こんな野良猫心も分からんオヤジなんてシカトだよ

餌をくれないなら何処かへ行っとくれ

同情はいらない、餌をくれっ！！

「キーラー、何もしないでおまんまにありつこうなんて甘いんだよ。働かざる者食うべからずっていうんだ、覚えときな」

ん？この禿げ散らかしたオヤジは何を言ってんだい？？私に働けって言ってんのかい？？


ニャンだって？？

成長。

とても粋。

哀しみ。

色々と。

待ちぼうけのけ。