キラコ物語10

「キーラー！！」

その声は聞き覚えがあった
無視をしたかったが、私は猫である
その本能ゆえ、思わず振り返ってしまった
防衛本能てのが強いのだ

そこには、禿げ散らかしたオヤジが立っていた
やはりである

そして、この禿げ散らかしたオヤジこそが野良猫の私
私、キーラーの名付け親だ
不覚にも、、、である

「なんだい、キーラー、お前見かけないと思ったらここにいたのか」
大きなお世話、野良猫は何処へ行こうが自由だ

「相変わらずドヤ顔だな、ドラ猫じゃなくてドヤ猫だな、なんちゃって、アハハ」
あんた、オヤジギャグにも届かないギャグはおよしよ

「あーぁ、年寄り猫だから、寝た時の寝癖が直ってないや」
お黙りっ！！あたしゃ、それを1番気にしてんだよ、その禿げ散らかした自分の頭の毛をどうにかしてからものをお言い、悔しかったらアフロヘアにでもしておいで
あたしゃ、気分が悪いね、腹も減ってんだ

「にゃごー」