春野かそいブログ

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春野かそい記念館 Haruno Kasoi Museum 「ミゼレーレ9」(辱) 作品229

2019-01-02 10:21:20 | ブログ

春野かそい書「ミゼレーレ9・命より重いものがある!」(辱・shame)
2018年12月 約23.5×23.5㎝ 唐紙・墨
「辱」と書かれている。
 
新約聖書の「ヨハネによる福音書」第12章24~25節に、「一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。」「自分の命を愛する者はそれを失い、この世で自分の命を憎む者は、それを保って永遠の命に至るであろう。」とある。第19章~20章には、キリストの死と復活、死に対する愛の勝利について語られている。
また、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の中で、「人々が歌うのが聞こえるか?」を歌いながら、後につづく者を信じ、自由のために死んでゆく労働者や学生や子供たちに共感してこの言葉は選ばれた。また「少しの雨」を歌いながら死んでゆくエポニーにも。
3.11の頃、「絆」や「心ひとつ」などのきれいな言葉が流行したが、これらの言葉は偽善者の言葉ではなかったか。一人一人がバラバラの個人の集りに過ぎない日本国においては、絆など生まれるわけがない。心が一つになる筈もない。その願望は分かるが、政治的に仕組まれた嘘であるように、わたしは思う。「生きてればいいいさ」という言葉も歌などで流行していたが、これは、頽廃以外の何ものでもない感性だと、わたしは感じる。いのちは大切なものではあるが、母の無償の愛は死をも乗り越えてゆくだろう。

春野かそい書 「日本国憲法前文」

日本国憲法前文