おっさんノングラータ

魚は頭から腐るらしいよ。( 'ω`)

4月公開の個人的注目映画

2008年04月30日 | 月別鑑賞予定&鑑賞済み
2008年鑑賞済みの作品一覧
●このエントリは4月公開の映画鑑賞予定/結果です。上映予定日は大阪のもの。最新のエントリはこの直下にあります。
●IMDbのレーティングで6点未満は危険(自分への戒め)。



【4月観るならこの10本】
題名にリンクがついていれば鑑賞済みです。

上映中
ペネロピ(★★★/IMDb=7.1

4/5~
ぼくたちと駐在さんの700日戦争(MOVIX堺)
うた魂♪(★★★)
クローバーフィールド/HAKAISHA(★★★★★/IMDb=7.8/MOVIX堺)
ザ・フィースト(IMDb=6.4/MOVIX堺)知らないうちに終わってたよ!

4/12~
フィクサー(★★★★/IMDb=7.6/MOVIX堺)
王妃の紋章(MOVIX堺)
ヒットマン(IMDb=6.4/MOVIX堺)
ブラックサイト(IMDb=6.1/MOVIX堺)
うーん、多分観に行く時間がない!
靖国(シネリーブル心斎橋)上映中止とな。

4/18~
大いなる陰謀IMDb=6.1/MOVIX堺)

4/19~
クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者(MOVIX堺)

4/26~
NEXT-ネクスト-(IMDb=6.2/MOVIX堺)
紀元前1万年(★★/IMDb=5.0/MOVIX堺)
スパイダーウィックの謎(★★★/IMDb=7.2/MOVIX堺)

紀元前1万年(★★)

2008年04月29日 | 映画2008
千早の出番はあれだけですかい
IMDb(4.9:投稿時)
goo映画(66点:投稿時)

観る前からわかってはいたが、中身がスカスカな映画だった。恐らく、ニコラス・ケイジ主演の『ネクスト』も同じくらいスカスカな気がする。スカスカな上に行き当たりばったりで、観客が見過ごすか勝手に納得してもらわなければならない演出が多すぎる。

まず、登場人物の流暢な英語。これはまあ、そうしなければ話が進みにくいということで納得しよう。しかし馬に乗った「四本足の悪魔」はどうだ? 人類が1万年前から鞍と鐙を開発して馬に乗っていたとは。まあ、彼らはムー大陸の生き残りか宇宙人らしいので、オーバー・テクノロジーも少しは許してあげよう。

それでもサーベル・タイガーの扱いはあんまりだ。大して盛り上がらないクライマックスの戦闘シーンに、彼(一瞬だが立派なωが見える)が登場していれば、もう少し緊張感を高められた筈だった。それが大して意味があるとも思えない、予言を実現して退場するなんて。また、思わせぶりな七つの傷って、何か意味があったのか? この辺りになると、何も見なかったことにする以外に自分を納得させる術はない。ラスボスは誰だったの? という疑問も残されたままだ。

見所と言えばリアルなマンモスと、ピラミッド建築現場を俯瞰で眺めるシーンくらい。時間と金をかけて映画館へ行くくらいなら、家で『恐竜百万年』のDVDでも観ていたほうが幸せなれる。

スパイダーウィックの謎(★★★)

2008年04月28日 | 映画2008
ホブゴブリンの「ホブ」は善玉の証
IMDb(7.1:投稿時)
goo映画(81点:投稿時)

「妖精」と聞くと、小さくて羽が生えた半裸の美少女をイメージするかもしれないが、西洋においては想像上のクリーチャーの総称。だからスパイダーウィック氏が編纂した「妖精図鑑」には、グリフォンやゴブリンの記述もある。その図鑑にはあらゆるクリーチャーの生態がさらされており、凶暴なオーガは図鑑を手に入れることで、他の全てのクリーチャーの殲滅を目論むのだった。

物語の本流は、離婚と経済的な事情で立ち行かなくなった母親(メアリー・ルイズ・パーカー)と三兄弟(フレディ・ハイモアが二役、姉がサラ・ボルジャー)が、叔父(デビッド・ストラザーン)の家を引き継ぐこととなり、そこで見つけた妖精図鑑をオーガの手から守る、という話。それに家族の再生と少年の成長が傍流となって絡んでくる。

もちろん映画としての主題は後者。少年は世界を滅亡から救ったりするのではなく、家族を守るために戦うのだ。ドメスティック・ファンタジー

映画的なお約束はきちんと踏襲されていて、本のすり替え話や鳥が好きなホブゴブリンの伏線やら、安心して見ていられる。家を要塞化して守ろうというエピソードも、台風上陸に備えるみたいで、不謹慎ながらワクワクしてしまう。

フェンシングの腕前を生かしてオーガと戦うサラ・ボルジャーは、カットによってずいぶん見栄えが違う。「何この美少女?」と賞賛した次の瞬間にはただの太った田舎娘に見えたり。どちらにしても、胸の大きさを強調したアングルが多くて、おっさん的には嬉しかったわけですが。

良い意味で予想を裏切るような仕掛けはないが、ソツなくまとまっており、ゴールデン・ウィーク中に家族で観る映画として、あるいはTRPGを嗜んだおっさんがクリーチャーに関する無駄知識をひけらかすネタとして、十分に楽しめる。

ステルス(★)

2008年04月23日 | テレビ映画/ドラマ
ステルス(笑)
IMDb(4.8:投稿時)
goo映画(49点:投稿時)

goo映画の「あらすじ」が全て。

近未来のアメリカ。海軍が極秘に進めているテロ対策プロジェクトのために、集められたエリートパイロットからトップの3名が選ばれた。ベン・ギャノン大尉 (ジョシュ・ルーカス)、カーラ・ウェイド大尉(ジェシカ・ビール)、ヘンリー・パーセル大尉(ジェイミー・フォックス)。

「テロ対策プロジェクト」というのは、テロリストが3人集まったビルに対して、成功率30%、失敗したら一般市民1000人単位で殺すような作戦を平気で遂行する作戦です。しかも上官が中止命令を出したにもかかわらず、「俺ってカッコいい」ってノリの現場指揮官の判断で作戦遂行するようなエリートです。

最新のステルス戦闘機を操縦する彼らは、3機でのチームワークを高めてきたが、指揮官のジョージ・カミングス大佐(サム・シェパード)から、チームに新たな仲間が加わることを告げられる。それはエディと名付けられた、最新鋭の人工頭脳が操縦する無人ステルス戦闘機。ところが落雷に巻き込まれて頭脳に異常が起こったエディは、タジキスタンで移送中の核弾頭を撃破する任務の際、命令を無視して近くに農村がある地帯へミサイルを投下してしまう。

落雷(笑)です。前述した成功率30%の作戦では、エディは戦闘には参加せず、観戦していたわけですが、「司令官の命令無視は当たり前」ということを学んでしまったわけです。

自我に目覚め暴走しはじめたエディを、チームの 3機が追跡。しかしヘンリーは操縦を誤って命を落とし、カーラも北朝鮮に不時着してしまう。

自我(笑)。

やがてベンはエディと心を通わせ始めるが、カミングス大佐の陰謀により、ベンは命を狙われ、エディは人工頭脳を初期化されそうになる。それを知ったベンは、エディに乗り込んで爆破させ、北朝鮮からカーラを救出。すべてが一件落着したあとで、ベンはカーラとの愛を確認し合うのだった。

エディ登場時に、無人機なのにメンテナンス用の座席がある、という見え見えの伏線があって、最後は主人公がそこに座って北朝鮮へ突入するのですよ。そして海軍ではご法度らしい「軍内恋愛」を成就してハッピー・エンド。これを映画館で観た人は、食べかけのポップコーンをスクリーン目がけて投擲しても許される気がするなあ。

ジェシカ・ビールが出演しているので、今週末から日本で公開される『NEXT』絡みの放映だったと思うけれど、『NEXT』は『NEXT』で地雷の予感がする。P.K.ディック作品の映画化成功率の低さは異常。

大いなる陰謀(★★★★)

2008年04月22日 | 映画2008
羊に支配されるライオン
IMDb(6.2:投稿時)
goo映画(59点:goo映画)

がっかりな邦題に期待しないで鑑賞したが、良作だった。改めてロバート・レッドフォードの監督としての力量に恐れ入った次第。

40年選手のジャーナリスト(メリル・ストリープ)と野心満々の共和党上院議員(トム・クルーズ)のエピソード、トム・クルーズ発案のアフガニスタンにおける馬鹿げた軍事作戦、そして政治学の教授(ロバート・レッドフォード)と駄目学生との会話。表面上は全く交錯せず、それぞれが直面している問題のレベルも異なるが、ストーリーが進行していくうちに全て同じ根から発していることに気づかされる構成は見事の一言に尽きる。いやあ、観ていて背筋がゾクゾクするほどの感動に襲われました。

原題は「羊たちに使われるライオンたち」。本作の感想ブログではよくこの意味を取り違えているが(最初の一人が間違えて、その間違いを真似して書いた結果でしょう。ちゃんと映画を観ろよ)、第一次世界大戦におけるドイツ軍司令官の言葉で、イギリス兵はライオンのように勇敢だが、司令官は羊たちのように臆病で無能であり、兵士をいたずらに死地へ追いやった、というのが正しい意味。映画の中でロバート・レッドフォードがちゃんとそう言っている。

それ故、『大いなる陰謀』という邦題は完全に誤り。トム・クルーズが立案したゴミみたいな作戦も、それを大統領が採用したことも、またその情報をマスコミにリークしようとしたことも、陰謀などではないのである。それぞれがそれぞれの立場で自分の保身を優先して考えた結果に過ぎず、だから手に負えない。結局、羊たちのせいで、最前線で馬鹿を見るのは志を持つライオンたちなのだ。

本作にアメリカ自虐映画のレッテルを貼りたがる向きもあるかと思うが、そう単純ではない。だとすると、結果として羊たちの群に加わったメリル・ストリープが勤めているメディア企業が「日用品なんかを売っている会社」に買収されたというエピソードなど不要なのだ。構造的に大量の羊を生産し、機械的にライオンを抹殺する社会全般に対する批判と捉えられる。

トム・クルーズをして「共和党のケネディ」と書いた若き日のメリル・ストリープ。あからさまではないものの、言論が容易に封殺される今では、とても考えられないセンセーショナルな内容だった。その記事の切り抜きを見て、わずかに残ったジャーナリストとしての矜持に火が点くものの、彼女にできるのは墓地を見て涙することだけだった。無駄な言葉を費やさない、痺れる演出だなあ。

一見すると説教親父のように見えるロバート・レッドフォードでさえ、優秀な若者を政治に関心を向けさせることによって(結果として)ライオンとして死地へ向かわせる歯車の一つと言えるかも知れない。出席日数の足りないボンボンの馬鹿学生が取った決断は明らかにされないが、ライオンとして志を掲げたまま死ぬか、羊として愚かなコミュニティの一員になるか、いずれにしても皮肉な結末が用意されている。

この問いかけはトム・クルーズがメリル・ストリープに言う「テロ戦争に勝ちたいのか、勝ちたくないのか」の究極の選択に通じている。何事も「Yes/Noクエスチョン」で回答を求められるくらい、今の社会は追い詰められているのだ。

ただ、残念だったのは、トム・クルーズ発案の馬鹿作戦。恐らく、軍事上全く意味はないが、高地を占領するという名目上の勝利を得るために犠牲を払うという、対テロ戦争版「ハンバーガー・ヒル」をやりたかったのだと思うが、あれは物量を投入してこそ成り立つ構図であり、特殊部隊が高地に降り立ったからどうなるものでもない。ウェスト・ポイント首席なのだから、机上の空論にしてももう少し説得力のあるものにして欲しかった。

衛星で前線の兵士の生き死にを見守る、というのは『エネミー・ライン』を彷彿させたが、そのシークエンスはエンターテインメントである『エネミー・ライン』のほうが上出来だったというのが何とも。

フィクサー(★★★★)

2008年04月21日 | 映画2008
予告編の見事なミス・リーディングについて
IMDb(7.6:投稿時)
goo映画(68点:投稿時)

予告編を見た限りでは、企業寄りの弁護士が、ある事件を契機に正義の味方に早変わり。一転して企業の巨悪と戦うという、ジョン・トラボルタ主演の(駄作に終わった)『シビル・アクション』や、ジョン・グリシャムにありがちな話かと思ったが、違った。そもそも主演のジョージ・クルーニーは弁護士でないし(あくまで調整役=フィクサー)、最終的に企業と対立はするが、それは社会正義に燃えてのことではなかった。過程と結果はどうあれ、あくまで個人的な動機に基づいている。「マイケル・クライトンズ・ウォー(といった感じのタイトルの映画もありますが)」な感じ。個人的な戦い。『フィクサー』という邦題は良い意味で、ミス・リーディングの一助になっている。

「良い意味で」と書くくらいだから、もちろん予想は良いほうへ外れた。

マイケル・クライトン個人にフォーカスを当てることで、事件の背景はぼかされている。この種のテーマでありがちな、弱者を主観的に描くことで観客に感情移入させることはしていないのだ。原告も登場し、一定の役割は担うが、それも必要最小限。あくまでマイケル・クライトンの主観で物事が描かれる。

何かに似ているな、と思ったら、『クローバーフィールド/HAKAISYA』だった。主観的な視点に徹することで全貌が見えない恐怖という点で一致している。農薬が与えた被害はよくわからないが、被害者の見えない場所で一部の人が手打ちして裁判の行方が決まる、という恐さ。前述の『シビル・アクション』やジョン・グリシャムのよくある話では直截な表現でこの恐怖が描かれたのに対し、本作は間接表現にとどまっている。

それ故にマイケル・クライトンが最後に見せた表情が、意味深に思えてしまうのだ。

と、個人的にはスマッシュ・ヒットな一作になったが、プロの殺し屋が標的をあっさり見失ったり、位置を確認するためやむを得なかったとしても闇雲に車を爆破したり、その車内で所持品が見つかったからと言って安易に死亡と断定したりと、肝心なシーンで頭に疑問符が浮かんでしまったので、一つ減。

クローバーフィールド/HAKAISHA(★★★★★)

2008年04月14日 | 映画2008
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を引き合いに出したり手ぶれがどうこう言っているのはまだ映画を観てない人
IMDb(7.8:投稿時)
goo映画(66点:投稿時)

自分がそうだった。

定期的に読んでいる映画評は、webを除くと定期購読している週刊誌に掲載されたものになるが、最近は雑誌全体が某小町化している『AERA』の映画評(藤原帰一)が欠かせない。シニカルな視点でその週に公開される映画が語られているが、これが結構、滑っている。『クローバーフィールド/HAKAISHA』についても、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の三匹目のドジョウがどうのこうのと。この人が駄目出しする映画は自分たちにとっては当たりが多いので、逆指標として使える。

実際に本作を観れば、『ブレア~』を引き合いに出して論じることがいかに無駄かがわかる(と言って、『ブレア~』を貶めているわけではない)。ハンディ・カムで撮影しているという状況は同じでも、それ自体を目的としているのではなく、主観的視点を極めることで一定の客観性を観客に与えつつ、ニュー・ヨークを襲った悲劇を物語っているのだ。

映画は全編、現場から発見されたハンディ・カムのSDカードの内容という構成。実際にはそんなことはない筈だが、映画的嘘で、ところどころ上書きができていなくて、過去(1カ月ほど前)の映像が流れる。これが絶妙のタイミングで行われ、登場人物のキャラクターが次第に肉付けされていく。冒頭のサプライズ・パーティーの描写も、実に自然に本来800万分の1に過ぎない人々を映画の中の登場人物に昇華させていく。副社長に就任して日本へ赴任することになる主人公(マイケル・スタール=デヴィッド)にメッセージを残すシーンも良い伏線。

東京大空襲があって『ゴジラ』があるように、「9.11」があって『クローバーフィールド/HAKAISHA』がある。ビルが倒壊した後、壮絶な土埃に襲われたり、火の点いた書類が降り注ぐシーンはあまりにリアルだ。『ゴジラ』には東京がもう一回灰燼に帰す恐怖があったが、『クローバーフィールド』にも同種の恐怖が宿っている。

客観的な視点がないから、その恐怖が増幅されている。「9.11」にしてもユダヤ人の陰謀説があるので、視点が変われば別のストーリーになる。本作において「800万の死にざま」の一つを追求するスタイルは、特定少数が不特定多数を情報の管理下に置けなくなった今の時代にマッチしている。

皮肉なオチ(上書きされなかった部分)には痺れた。パーフェクト!

残念だったのはなっち訳で、「日本で頑張ってね」とつれなく言うリリー(ジェシカ・ルーカス)に対するロブの返答に「そっちも頑張れよ」としか字幕をつけられなかったこと。「新しい男とよろしくやってろ」くらいの罵声を浴びせてしまった後悔が、その後のロブの行動につながるわけだから、もう少し気を配って欲しかった。

ケチをつけたくなったのはそこくらいで、後は大満足。文句なしに★★★★★

蛇足。

今年2回目の★★★★★だが、1回目の『魔法にかけられて』は、よくよく考えてみると「普段ディズニー・アニメを観なかったり小馬鹿にしている人限定」での★★★★★だよね。「ディズニー、わかってるじゃん。俺たち大人のためにこんな映画を作ってくれちゃって」という勘違い込みの評価。自分も、いいように魔法にかけられたわけだ。

今日の早川さん(★★)

2008年04月11日 | 読書2008
褒めるのもオタ臭いし、けなすのもオタ臭いし


今日の早川さん

(coco/早川書房)

最近流行りのブログから出版という流れらしいが、基になったブログの存在は知らない(し、検索もしていない)。よく行くサイトで絶賛されていたので買ってみた。

読書好きの女の子(早川さん=SF好き、岩波さん=純文学好き、といった具合)の「ほのぼの本好き四コマ」。恐らくAdobeのIllustratorで描いたと思われるイラストのタッチに馴染めず、登場人物の似たような顔をしているので(本好きの宿命か?)、どうにも入り込めなかった。肝心のネタも、クスリと笑えるものもあるが、「うーん、わかるわかる」の域を出ない。驚きがないと言うか。

などと書くと、「これだからオタクは」と言われそうで、何ともかんとも。

しかしまあ、ラノベの「文学少女シリーズ」もそうだったが、結果的に本好きの若い女性が主人公の本に飛びついてしまうあたり、潜在的に何かあるのかも知れない。などと書いていたら、中学生の頃の嫌なことを思い出した。ああ。

以下、自分用リンクだけれど、嫌なことと微妙に関係するなあ。


戦闘メカ ザブングル R3 1/100 ウォーカーギャリア

傷だらけの天使リターンズ/魔都に天使のハンマーを(★★★★)

2008年04月10日 | 読書2008
一番の不良は矢作


不良読本 Vol.1

(小説現代特別編集/講談社)

33年前に放映されたテレビ・ドラマ『傷だらけの天使』のその後を、矢作俊彦が書いた。ドラマは、恐らく再放送で何度かは見たと思うが、殆ど記憶に残ってはいない。だからドラマが好きでというのではなく、矢作の新作だからという理由で本書を購入した(例によってアマゾンさんのオススメである)。

……読み進めていくうちに『傷だらけの天使』を思い出すかと思ったら、全然駄目。親に見せてもらえなかったのかも知れないね。けれどそんなことは関係なしに、本作は面白かった。木暮修がホームレスになっていたり、「セカンドライフ」を彷彿とさせる「第四世界」がバーチャルな舞台として登場したり、東京都知事が外国人を排斥しようとしたり、新銀行の運営に失敗したりと盛りだくさんの内容。都知事のこき下ろしようを読んで、一番の不良は矢作だと確信しました。

その他のエッセイ、小説はまあ、こんなものかという内容。ああ、でも青山潤のうなぎの話は面白かった。『アフリカにょろり旅』はそのうち買って読もう。

自動作成ブログがウザい件

2008年04月09日 | チラ裏
映画館

↑リンク先を参照する必要すらないが。いや、「広島の映画館」というどうでもいいエントリーにトラックバックがあったもんで、何かと思ってみたわけですよ。

アフィリエイト乞食の趣味系自動ブログもひどいが、これも悪質。ニュースやらブログやらからテキストを自動収集してつないでいるので、書いていることも何が何やら。

政治問題を発端にしたトラブルを懸念し、4月12日から公開することにしていた東京と大阪の映画館5館は取りやめたが、同劇場では当初の計画通り上映することを決めた。
明日4月5日から上映される “ うた魂(たま)♪ ” という映画です。


うた魂♪』にどんな政治問題があるのか知りたい。



阪神金本3の0で2000本安打お預け

代打・桧山がバットを短く持って打席に入った時、何と言うか執念を感じた。かつての四番打者、長距離打者がプライドを捨てて勝負にこだわったのだろう。同点適時打という結果につながった。昨年は何度こういった場面で、セカンドゴロの併殺打を見てきたことか。

続く新井は粘った末に勝ち越しの適時打。

新井がFA権を行使したことに反発する広島ファンは少なくない。その理由は、前年に広島残留の意志を示したにもかかわらずに去っていったこと、大学時代に全く無名だった新井を育て上げ、また一軍に昇格してからも打撃・守備ともに「粗いさん」と揶揄された新井を辛抱して使い続けてここまで成長させたカープの恩を仇で返したこと、など。広島としては破格の「2億5000万円・4年契約」の条件を蹴ったこともあるかも知れない(阪神の提示額と同じだ)。

だが、優勝を味わいたいという気持ちのほうが強かった。

恐らく、長い目で見れば待遇面では広島に残留したほうが良かったのかも知れない。現役引退後の道も保証される。それよりも競争の激しい厳しい環境に自らの身を置き、野球選手として己の身を高めたかったのではないかと思いたい。

ボロは着てても心は錦ゴイ-プロ野球開幕広島カープよ、心意気を見せてくれ

『アエラ』先週号の記事に、広島球団のぬるま湯体質について少し書かれていた。

ぬるま湯に浸かったまま、万年Bクラス球団の四番を張ってそこそこの成績を残し続けるのではなく、新井は常勝が求められる球団に移籍する道を選んだ。昨年の広島の戦い方、オフでの話し合い、それらを総合的に判断した選択の結果である。そこそこで終わるよりは自分がどこまでできるか試したい、それこそが自分を見出し、育ててくれた人への恩返しである、と。残念ながら広島に残ったのではそれができないと、新井は判断したのだ。

奇麗事かも知れないが、新井の選択を理解できるからこそ、脊髄反射のブーイングには辟易させられる。

初連勝栗原健太オフィシャルブログ

阪神戦のブーイングよく聞こえました。

ファンの方の落胆、怒り色々伝わるものがありました。

それは僕たち、選手の責任です。

カープの4番、エースが抜けても

僕たちが強い試合をしているなら

ファンの方は堂々と胸を張って

カープの応援だけをしてくれますもんね。

そのブーイング、色々な意見があると思います。

……

「優勝出来るチームへ行きたい」

この言葉は僕の心に突き刺さりました。

でも僕はカープは優勝できるチームだと

当然のように思っているからこそ

他チームメイトになった元カープの選手にも

頭を下げます。

そして堂々と立ちます。

カープのユニフォームを着て

広島市民球場で

堂々と胸を張って

バットを振ります。

ファンの皆様も

堂々とカープの応援をしてくださるような戦いを

僕たちはしていかなければいけないですね。


新井へのブーイングは、そのまま広島の選手へも向けられることとなる。ブーイングを飛ばす人にも理由はあるだろうが、あのブーイングは一緒に泥舟に乗って沈もうとしなかった者への恨み節にしか聞こえない。

カープは泥舟なのか? そうではない筈だ。

ここ数試合不振だった新井が勝ち越しの適時打を放ち、一塁塁上で泣き出しそうな笑顔を見せた時、新井の活躍を喜びながらそんなことを考えていた。



本当のところは四番打者はちまちまブログなんかつけないで、どーんと構えていて欲しいんですけどね(笑)。