のまゆ

開店休業

東京駅100周年記念Suica騒動

2014年12月21日 12時00分00秒 | 鉄道
12月20日朝、記念Suicaを購入すべくJR東京駅に向かった。その一部始終である。

事前情報
・販売場所は丸の内南口
・日をまたいでの行列は禁止←この表現も今回の騒動を大きくしている要因

6時25分頃:東京駅丸の内地下中央改札付近:左右に列があり最後尾不明・係員不在
6時30分前:一度丸の内地下南側に向かうが最後尾は無さそうなので北側に・係員一人も見ず
6時30分頃:丸の内北口地上に上がる階段付近で第1係員発見・階段上がって右に最後尾があると案内される
6時30分頃:階段を上がり右を見るが左右+前に列があり最後尾がどこか不明・係員いない
6時32分頃:すでに来ている友人に連絡。最後尾と思われる場所は外周にあると教えてもらう
6時34分頃:外周のタクシー乗り場北側に最後尾と思われる場所を発見し並ぶ
6時34分頃:後ろに並んだ人から構内で6000人以上並んでいるから買えないかもの放送があった旨を聞く
6時34分頃~時頃:3時間以上ひたすら並ぶだけの単純な作業

00.jpg
6時39分

01.jpg
7時28分

→販売開始が繰り上がった事をTwitterで知る
→周りの人がたまに地下へ偵察に行き現状を教えてくれる
→主な情報源はTwitter・2ch・偵察部隊からの伝聞・・・現場なのに販売側からのアナウンスは一切なし
→地上でのJR東日本係員の姿は一切なし
→販売が開始されているはずなのに列は一歩も動かない

02.jpg
8時35分

→9時過ぎに警察がJR東日本からの情報としてすでに1万枚販売済みと放送→実際は大本営発表でした
9時30分頃:隣の列が急に動くが後ろがついてこない為列が分断される格好となる
→1分以上待っても後ろがこない・途切れた列を整理する係員もいない為、自分が並んでいた列の前の方からその列に合流
9時40分頃:地下階段からの列が急激に進み列が途切れる→地上外周の列の人が割り込む→地上混乱し騒然→列が崩れる
9時45分頃:購入の列が崩れたためなし崩し的に他の列も崩れ押し合いへし合いの状況になり身動きが取れなくなる

04.jpg
9時46分

→この時点でも地上北口付近では販売中止のアナウンス無し
→前にいた人が8時30分から並んでるのにとか愚痴をこぼす・・・自分よりあとから来た人が前にいるとかね・・・
10時頃:前後に圧迫されながら中央付近まで進み怒号で販売中止された事を知る
→最初のアナウンスでは完売と言っていたが完売→販売終了→販売中止とニュアンスが変わる。
→警察の要請で中止になったらしい(→公式発表無し)
→状況を見る限り販売が出来る状況にはならないだろうから離脱したかったが離脱できない
→時々進むが一歩間違えば将棋倒しの大事故になるような状況が続く

05.jpg
10時10分

→直後に後ろの方が開き脱出→解散
→JRの駅員が何か言っているようだが遠くなので聞き取れない
→聞こえるのは怒号と周りの人たちのがっかりした声ばかり

06.jpg
10時16分
利用者の通り道となっていた群衆の横をすり抜け南口方面へ

07.jpg
10時18分
南口ホール内で手を伸ばして撮影。なにかやっている感じはあるが雑踏で何をやっているか分からない。

08.jpg
10時21分
販売終了の告知を持った社員はこの二人しか見なかったけど他にいたのか?
*南口から移動の際に日頃は一般人が通行できない中央皇族用入り口のスロープを通れたのは恐れ多くもよい体験でした。

徹夜組だけでかなりに人数になったようです。ここで問題となるのが販売告知ポスターに記載されている”日をまたいでの行列は禁止”という文言です。この文言からは0時を回れば行列をつくって良いとも取れますし、21日朝の駅が開いてからとも取れなくはありません(販売側がそういう意図で書いた可能性も否定できない)。結局は前日から徹夜して並んだ人から販売したので告知文は反古にされた(→次回以降販売があるならば禁止されていても前日から徹夜しないと買えない可能性がある)わけで、その辺も販売側の体制がきちんとしていないように思いました。また、朝日新聞報道では先頭に並んで購入したのは高校生で19日午前5時から並んでいたらしいです。駅という場所での徹夜が都条例に引っかからなかったとしても、販売する企業としてのモラルや、役所がよく使う健全な青少年の育成という観点からは問題視される案件ではないかと思います。

ここは憶測
たぶん怒号を言ったり駅員に詰め寄ってる人たちは1度購入し2周目に並んでいた人たちが多数を占めていると思います。理由ですか?列形成的に7時15分頃発売開始→2周目に並ぶと地上丸の内側広場の中央から南側の最外周列になるんですよね。その辺の人たちは販売中止がわかり騒動が始まった頃にはその騒動の近く付近で並んでいた計算になりますから、必然的に前方にいて怒号を浴びせる事が出来たんじゃないかと思うわけです。もちろん怒号を浴びせていた人たちに確認したわけではないので推測ではありませんが、騒動時に自分の周りや後方にいた人(時間的に5時前~7時頃に並んだ人)は、怒号や罵声を浴びせるような人はいなくて販売の方法に呆れて諦めムードが漂っていただけですから。そもそも、下っ端しか表に出てきてないから詰め寄ったところでどうこうなるとは思えないんですよね。まぁ、怒りの矛先としてというのは分かりますが。

帰宅後マスコミやネットでの情報を見て
現地にいた人と、マスコミやネットから情報を得ただけの人では、今回の騒動に関する考え方が違うだろうなと思います。特にネットではならず者とされがちな”鉄オタ”や、ネットでも現実でもならず者とされる”転売ヤー”を悪としている意見が多く見られますが、現実はJR東日本の販売方法が酷すぎて発生した騒動という事を強く書いておきたいと思います。現実はJR東日本の販売方法が酷すぎて発生した騒動です。大切な事なので2回書きました。また、TV等では罵声や暴言を吐いていた人達が多く報道され、ネットでは器物を破損した写真などが掲載されましたが、そのような人達は並んだ人々の中でもほんの僅か(100名に満たないレベル)です。状況が分からず駅員の近くに寄っていく人は確かに多かったですが、内心怒り心頭だったとしても現実を受け入れ、あきらめ顔で去っていく人がほとんどでした。また、販売中止が分かった時点で列から離れ解散した人が多く、現場の状況としては販売者側からの情報があまりにもなさ過ぎてどうしようもないという感じでした。マスコミ報道では声の大きい人が優先されがちですので仕方がないとは思いますが、ネットの感想などで並んでいた人のすべてが民度が低いとか、恥ずかし人達だというような表現をされていた人がいてちょっと悲しいです。


今回の問題点
・JRの列整理や誘導に関して
 ロープ・コーン・人員を使い整然と列を整理すればよいのに一切やっていなかった。とくに地上では係員も一人もいない状況で、車道側にまで列が伸びたため警察が列を整理しているような状況。これで数時間にわたって大きな混乱が起こらないというのは日本ならでわとも思えてしまう。ちなみに割込は至る所で見られました。周りが注意できればよいのですが、お客同士で注意というのは今の時代では決して容易な事だと思いませんので、やはり販売側の係員がいなくてはダメでしょう。
・アナウンスに関して
 丸の内地上広場ではアナウンスがないし、係員もいないので販売側からの情報提供が一切なし。これは物売るってレベルじゃないと思う。
・販売中止にいたる経緯に冠して
 警察から要請があり販売中止になったと最初は聞いたが、その後はお客様混雑(これはJR東日本が通勤時間帯の列車遅延路によく使う文言で、自分たちは悪くない、お客が悪いんだと言っているようなものです。)と言ったりで、あくまで責任は購入するために列を作った方にあるという姿勢が見える。
・販売方法に関して
 当初は4つのブースで販売をしていたとの事(途中で増設)、販売体制として認識が甘すぎるのではないか。また人員配置などにも疑問しかのこらない。

そもそも、1万5000枚の限定Suicaを1駅単独で販売できるような時代では無いのかもしれません。昔は鉄道好きな人や絵柄が気に入った人が自分用に購入するのが大半で、初期の記念Suica等ではお昼頃でも普通に買える状況でした。しかし、昨今は俗に言う転売ヤーがオークションで高騰する記念ICカードに狙いを定めて徹夜やアルバイト(主に住所不定者と思われる)を雇い大量に購入し転売するケースが目立ちます。限定と煽ればそうなるのは必然ですし、昨今ではマスゴミまで転売を煽るような報道をする事があり、新参の転売ヤーなども増えているのではないでしょうか。インターネットの普及で個人間で簡単に取引ができるようになったのも、副業やお小遣い稼ぎで参入する人間を増やしている要因でしょうか。

あくまで個人的な意見ですが、今後も限定ICカードを売るのなら以下のようにするしか無いのではないかと思います。
・完全予約販売
 期日を限定し予約(ネットや往復はがき等利用)された分は全数販売する。誰でも手に入れられれば転売ヤーの出る幕はなくなり欲しい人に商品が回るのではないでしょうか。
・今回のような○○周年記念は期間を区切って継続販売する
 今回の東京駅100周年記念のようなSuicaなら100周年記念イベント開催中(今回は3ヶ月くらい)なら、指定された駅の窓口でいつでも購入できるようにすれば良いのではないでしょうか。人件費やコストの問題がありますが、記念なのだから2,000円(デポ500円+チャージ1,500円)にこだわらず、販売価格はそのままでチャージ分を減らしたり、内容はそのままで販売価格を若干値上げしてもよいのではないかと思います。あくまで通常のものではないので、それにかかるコストは購入者側に負担を求めても理解は得られるでしょう。そもそも、通常Suicaと同じ値段でオリジナル図柄+台紙というのがサービス良すぎだと思いますが・・・
・懸賞などによる抽選配布
 これはSuicaでも時々行われている方法ですが、懸賞の賞品にする事です。入手するのにかなりの運が必要となり、ブログ主にとっては絶望的な方法なのですが、今回のような混乱は回避できますし、転売対策は微妙ですが、運が良かったねくらいでまぁ良いんじゃないかと。
・はがきなどで事前応募して販売場所、日時を指定し販売
 Suicaですと「てっぱくSuica(第3弾?)」でこの方法が獲られたと記憶しています。事前にはがきで応募、指定された日時にはがきを持参し販売という方法は、手間もコストもかかるので販売側はやりたくないでしょうが、前にも書いているように販売に関するコストの一部を利用者負担にして販売しても良いと思います。「てっぱくSuica」購入するのに手間(はがきで応募)とお金(てっぱくまでの交通費+入館料)がかかりましたが、欲しい方は比較的簡単に入手できたと思います。

まぁ、今回のような状況を見てしまうとJR東日本(東京駅)にはこの手の販売をするのは不可能だと思ってしまいますけどね。何もかもが甘すぎます。購入できなかった人にも、通常の駅利用者にも迷惑をかけて販売している状況なのでもう止めたらと思ってしまいますね。売れ残り分の約7000枚は後日再販するかどうかを含め検討するとの事ですが、ネットで売ればスクリプト乞食と呼ばれる転売ヤーの上位互換の人たちにさらわれるのは目に見えてますし、駅売りにすれば今回の件から本気で欲しい方は徹夜するでしょうからさらに混乱するのは必至です。また、今回の件が大々的に報道されてしまったので20日は知らなかったという方が購入に参戦する可能性もあるでしょう。そうなると、混乱を起こさずに販売するのって不可能ではないかと思います。再販するとしたらあり得ないような枚数を増版して長期間に渡り東京駅(+都区内主要駅など)で普通に販売するくらいしか思い浮かばないですね。

そんな最悪の東京駅100周年記念Suica販売でしたが、JR東日本は過去に大宮駅で鉄道博物館開館記念Suica(約1万枚)を何の混乱もなく数時間で販売した実績もあるんですよね。東京支社(東京駅)があまりにも無能だったのか、大宮支社(大宮駅)が有能すぎたのかは不明ですが、今回も2007年の大宮駅のような販売体制を取れば混乱も生じずよい100周年記念日になったのではないかと思うと残念です。

ちなみに、並びに行って完売してないのに購入できなかったのは当然初めての経験です。列がきちんと整理された状態で粛々と販売が継続した場合も購入できたかと言われると難しかったとは思いますが、完売して諦めるのと、販売側の不手際で販売中止になって諦めるのとでは疲労感が違いすぎますね・・・ とりあえず、駅長の土下座とかいらないので、今回のような販売体制になって混乱した経緯と反省の文章をJR東日本HPでよいので文章で掲載して欲しいです。

09.jpg
10.jpg
東京駅~日本橋百年散策をして帰路につきました




更新はこれが最後です。

本年もたくさんの閲覧ありがとうございました
皆様よいお年をお迎えください


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (QUWA)
2015-01-15 14:46:39
↑URLを、コメントの見出し欄と勘違いしてしまいました。すみません。
返信する
Unknown (Kimi)
2015-01-17 21:06:59
>QUWAさん こんばんは
QUWAさんなら列を見た時点で並ばないで帰ってしまうのでは・・・日本だからこのレベルで済んだというのは間違い無いと思います。あの国とかその国とかなら軽く暴動になって公安出動とか、乱闘騒ぎとか、謝罪と賠償とかあったかもしれないですね。

上野東京ラインは・・・湘南新宿ラインの初期並に運行トラブルが発生するのは仕方ないのかなと思います。初年度は本数少なめでスタートですし、品川駅以外の設備は十分な状況ですから運行回復もしやすいかもしれませんが、将来的に20本/hに増発されたり、上野駅の一部ホームつぶして駅ナカ作るとかになった時に冗長性が確保されるのか疑問ですね。

震災の時は帰宅客を何のためらいもなく追い出した某社ですが、今回は徹夜組を駅施設内に招き入れるなど、その場しのぎの対応は相変わらずと思います。今回の件も反省しているかは甚だ疑問です(未だに東京駅の責任者である駅長から謝罪のコメントどころか記者会見すらないですから)。駅での販売とは違いますが、一部新幹線と特急列車の車販が廃止されるとの事で、本当に利益通級主義の会社なのだなと思いますね。もちろん民間会社ですから利益追求を考えるのは当然ですが、腐っても公共交通機関なのですから、多少の無駄もあって然るべきではないかと思います。
返信する

コメントを投稿