一直線に横浜へ帰るつもりでしたが福島を抜ける頃についつい遊び心というか、
「せっかく新蕎麦の季節なのに蕎麦を食べていないよなぁ…」
なんて考えがアタマをよぎります。
そして、ついうっかりと須賀川インターで下りてしまいます。
前から行きたかった羽鳥湖へ抜ける道はただの国道ですが、意外と面白いワインディングで身体もバイクに慣れてきたし楽しく走っていきます。

この辺りはまだ紅葉も盛りなので道が面白いのに加え、目も楽しませてもらえます。

向かうのは南会津の大内宿ですが、そこまでは思ったより距離があるので帰りの時間というか、体力の残量計が気になってきます。

国道を外れ大内宿へ向かう道はさすがに夕方だけあって空いていますが、道端の看板には「渋滞の場合、ここから3時間かかります」と書かれておりましてかなりの観光地になっているようです。

到着した大内宿は古い町並みが残っていて、なかなか風情のある宿場町です。

訪問した目的の高遠そばをいただくべく、一番の有名店である三澤屋を訪ねます。
「ちょっと待たせるけどねぇ」
とヲバチャンに木札を渡されて、小一時間待ちのようなことを言われます。 それでも、店に出入りしながら待っているとラッキーなことに20分ほどで名前を呼ばれて席に案内されます。 ヒトリだったのでカップルの方と相席になりますが、おかげで早く呼んでもらえたようです。

こちらは、古民家を利用しているとのことですが、囲炉裏を含め全体がいい雰囲気を出しています。 岩魚とかもいただきたいと思いつつ、けっこう陽が陰ってきているので早速に蕎麦一本勝負で臨むことにします。

待つほどもなくやってきたのが高遠そばデス♪ なんと、箸ではなく長ネギで蕎麦を食するスタイルなのです。

蕎麦そのものは新蕎麦ということもあり、ピカピカですし、薄目の出汁と大根おろしがナイスなハーモニーを奏でています。

ホントにネギで掬って蕎麦をいただくのですが、意外にも効率的に食べられます。 ちなみに、このネギは薬味を兼ねているので途中でガジガジと囓るのです(笑) 美味しい蕎麦なので、かなりの量があったにもかかわらずアッという間に完食して、蕎麦湯を呑みつつ山菜をいただいたりと、しばしまったりとします。


蕎麦湯を楽しんでいたおかげで少々時間が経ち、慌ててバイクに戻ります。 丁度4時半のスタートなのでうまくすれば8時頃には家に帰れるかと思ったのですが、1時間かけて下道を走って乗った東北道でいきなりの渋滞表示です。
10キロくらいのロットの渋滞が繰り返し登場するのですが、ビタッと止まるタイプではないのでいい感じですり抜けが出来ます。 クルマの中から見ると調子に乗って危険な走りをしているとみられますが、少なくともワシは普段の3倍くらいの気を使って、クルマの皆さんをを驚かさないように、そして嫌な気持ちにさせないように頑張っております。
合計で50キロ近い渋滞だったようですが、ようやく佐野まで辿り着き燃料補給を終えれば後はほぼほぼクリアで、横浜までノンストップです。 鬱屈していたわけではありませんが、その昔「横羽線の黒い彗星」と呼ばれていた時代(大嘘)を思い出して、キッチリと走り切って無事にゴールします。
合計で1200キロばかり走った一泊二日のツーリングは「終わり良ければ全てヨシ!」ということで、今年の〆のツーリングとしては上出来だったかと思います。
しかし、いつもながらにこやかに送り出してくれる我妻には感謝の言葉しかありません(従って、物理的な土産はありません)。 これから迎える年末年始はせいぜい女房孝行をさせていただこうと思った次第でございます。
(終わり)