自走式移動胃袋 ~ The nomadic stomach ~

インドでワシは考えた その2

旅の記録 ~ 20世紀編」から1979年に18歳のワシが行った初の海外旅行の記録と記憶をご紹介デス♪

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3月7日~3月12日/ 成田からムンバイへ

成田空港に行くのも初めてだしパスポートやビザのなんたるかもよく分からない状況ですが、とりあえずツアーの集合場所に行ってみます。 そこにいたメンバーはインドにヒトリで行くような輩ですので、とりあえずかなりむさ苦しい連中です。
一応、自己紹介らしきものをするのですが、当然ながら最年少のワシは兄との区別のためもあり、即座に「オトート」と名付けられてしまいました。
メンバーを見て余計に不安になったらしい父親(成田まで送ってくれた)に見送られながら飛行機に搭乗口に向かったのですが、いきなり1時間半の遅れがアナウンスされました。
初めて行く地への旅の不安は情報収集をメインに事前準備をキチンとしているとかなり軽減されるのですが、その時点のワシは圧倒的に情報不足だったということもあり、先行きの不安感が倍増したのは言うまでもありません。

情報ということですと、当時(『地球の歩き方シリーズ』の創刊と同じ1979年)はインド本というかインドのガイドブックは「インドを旅する本(だったかなぁ?)」と「JTBのガイドブック」だけしかなかったし、両方とも遠方にいる兄が持っていたので、ワシは果てしなく情報量ゼロに近いままに成田から旅立たざるをえない状況だったのですよ…

ようやく乗り込んだエジプトエアは、南廻りのヨーロッパ/エジプト行きなので途中、香港(だったかなぁ?)やバンコクに停まり、日本からを含め離陸の度にゴハンが出てくるのデシタ(昔はそうだったのデス)
いまでもかなり鮮明に覚えているのは、スチュワーデス(今でいうCAね)の外人のヲネイサン(欧州人)にお水をもらおうとして
「ウォーター アンド アイス、プリーズ」
とお願いしたら、
"Can I have a glass of water with ice?" "Then, Yes!"
としっかり英会話の授業をされてしまったコトです。
何故、クッキリ覚えているかというと、外人のヲネイサンと話をしたのはおそらく人生初だったからですねぇ(笑)

さて、初の長距離&長時間フライトも無事(?)に終了し、結局3~4時間遅れの朝の3時半にムンバイ(当時の読み方はボンベイ)に到着デス
そんな時間の空港にヒトが溢れかえっているのと、独特の匂いにたじろぎながらも、添乗員(後述)がワサワサとタクシーと交渉して10名強のワシらご一行様を空港近くのホテルに連れて行ってくれました。

夜も明け始めた5時頃にようやくチェックインしたのは「Hotel Chatwani's International」ですが、安いツアーなので見知らぬ同士が相部屋になります。
そして、兄と同じ部屋と思っていたワシの相部屋相手はツアー唯一の女性のiサンです(驚)
添乗員(このヒトもツアーメンバーと相部屋)の判断根拠は、オトートが一番無害だろうというのとインドにヒトリで行くような女性だから高校生(卒業式は済んでました)くらいは好きに手玉に取るだろうとのことらしいのですが、ワシの都合や気持ちはどうなるのか…
ちなみに、彼女曰く、
「食べたい時に食べたいモノを食べるために、食べられるモノを食べないこともあるから安心なさい♪」
って、ワシは「モノ」ですかい(冗)
もっとも、ワシも初の長距離フライトとインド到着のインパクトにやられて、いくら若かりし頃でもそれどころじゃなかったんですけどね…

さてさて、一眠りしてからホテルの近所をぶらついたり、一応はツアーなのでミンナで一緒にムンバイ市街を探検したりと現地の初日は過ぎていきますが、前日までの世界とのギャップが大きすぎてクラクラします。



ここに書ききれないくらいとんでもなく刺激の多い1日だったはずですが、記憶に残る一番の衝撃は、朝の散策の時に露店で買った菓子を噛んだ時でした。 強烈な甘さというのは痛みを伴うというのを初めて知りました。
いやはや、歯が浮いて全部抜けたかと思うくらいの激烈な甘さでございました。
もともと甘いモノが好きではなかったのですが、この体験に止めを刺されて甘いモノ嫌いが自分の中に定着してしまったようです。

この先、ツアーのメンバーは三々五々と各地に散っていくので、添乗員(インド経験があるので旅費だけが報酬の臨時雇いらしい)の提案で夜には旅の情報交換会が開催されました。
メンバーは某地方大学の学生サンが多かったのですが、驚いたのが「初海外の一人旅」がほとんどだったことで、せいぜいワシと2~3歳くらいしか違わないのに大学生はなかなかやるなぁ…と思った記憶があります。

明けた到着2日目には、しばらくムンバイに滞在するという数人が集まりホテルを移動することにしまして、比較的街中にある「Hotel Salvation Army (救世軍)」というドミトリー形式の宿を紹介されました。料金は一泊3食付きで22.55RPS(ザックリ600円)で、世界中からヒッピーめいた輩達が集まってきていますが、一応は日本人同士で相部屋にしてくれてるみたいでした。

※ 当時の為替: 1$=200~220円=8RPS/1RPS=25~30円
※ 最近の為替: 1$=80~100円=45RPS/1RPS=2円

3日目になるとムンバイの街中くらいはヒトリで歩けるようになると判断され、兄とは別行動で、親に定期連絡を約束させられた電話を架けるためにC.P.O.(Central Post Office / いわゆる中央郵便局)に出かけます。
当時のインドは安ホテルから国際電話(特にコレクトコール)などかけられないため、郵便局で申し込みをして呼ばれるのをジッと待つというシステムでした。
そして、この待ち時間に再びの衝撃が…やたら親切で小綺麗、且つ優しいインド人が話かけてきまして、ウブなネンネのオトートはUS$200を巻き上げられてしまったのデス(泣)
詳細はあえて書きませんが、これ以降の海外経験でヒトに騙されることなく過ごせてきたのは彼のおかげと思ってます(悔)

そんなことがあっても次の日もフラフラとヒトリで町を散策します。
どうせいつかはお腹を壊すのだからと過剰な警戒はしないことにして、露店でチャイ(紅茶)を飲んだりサモサ(インド饅頭)をつまんだりとかします。
当時の日記というかメモを読むと、この頃から少し吹っ切れてきた感じがありますね♪ お腹も壊した覚えがないしなぁ(笑)

実は、この日は兄がお腹を壊し熱を出して寝込んでいたこともあり、iサンに中華料理をご馳走になるなど大層楽しい夜(食事と会話ね♪)を過ごしました。
翌日に兄にその話をしたところ羨ましがって昼飯に中華を食べることになり、再びワシはヨイ思いをさせていただきました(救世軍ゴハンもいわゆる洋メシで悪くなかったんですけど、やっぱり日本食か中華が恋しくなります)。

さてさて、ムンバイは楽しい街ではありますが、いつまでもいるわけにはいかないのでiサンの仕事(輸入雑貨の扱い)に便乗して、一緒にジャイプールに行くことになりました。
我が兄弟の当初計画には入っていなかったはずで、明らかに『易き』に流れています。
兄は後付けで正当性を主張するタイプなので「まあ、いいじゃない。ココも候補地だったんだよ。」などと曰います。 別にワシも反対だったワケじゃないですけどね…



インド人に手配してもらった鉄道チケットはガイドブックには「乗ってはイケナイ」と書かれていた2等ですが、どうやら「2等の網棚」というヤツらしいのです。 これはボックス席の上に寝台のように大きな網棚があり、そこは賄賂次第で占有できるスペースとのことなのです。 まあ、屋根にぶら下がるより100万倍くらい楽ですけど…
その電車ですが、夜の9時半にムンバイを出て延々と30時間以上揺られるローカル電車なのでアクシデントが発生しないわけはないのですが、それは「その2」のお楽しみ♪
ヒントは「その1」に写真が少ないコトです(泣)

【インドで考えたコト①】

実際のトコロ、旅行中に『考える』ということをしたかというのは実に曖昧で、あまりの刺激の多さとその強さに思考能力の著しい低下がしていたという疑いはありますが、とりあえず①(笑)

Salvation Army の隣り部屋にいた日本人の若いヲニイサン(当時のワシより相当年上)がかなりのお金を巻き上げられた(自力で日本に帰れない状況)らしく、
「僕はこんなにオープン・ハートで接しているのに、インド人は何でこんな(素直でいいヤツであるところの)僕を騙したりするのだろう?」
とぼやくのを聞いて、金を騙しとられた直後のワシは、
「こんなマヌケなコトを言うイイ年をしたヲニイサンにはなりたくない!」
と思ったわけです。
そして、しかる後に自己分析をして、
「特殊な環境下にいて正常な判断は難しかったというのもあるが、経験値の不足がワシの失敗の根本にあるので、絶対的な経験値を上げるべくこれからもイロイロな経験を積まなければならないゾッ!!」
と『インドでワシは考えた』のデシタ♪

続く…

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コメント一覧

とも2
ありがとうございます♪
http://blog.goo.ne.jp/nomadic_stomach_t2/
>kanさん

その筋の方にお褒めいただけるとは光栄です。
自分で読み返すと内容はともかく拙い文章で面映ゆいのですが、まだまだ続きますので贔屓にしてやってくださいませ♪
kan
かなり面白いです!
http://kawasaki-gohan.seesaa.net/
ひとつひとつの事柄が鮮明な映像で立ち上がってくるようです!
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