もう一つのさよなら

　職場は違うが気が合い、よく５～６人の仲間たちと飲み会したり、プチ旅行したりの仲間の一人が、仕事をやめると言う。
　理由は上司との折り合いがうまくいかないため。

　彼女も私もパートという立場で仕事をしている。
　私たちの会社は、パートだろうと、やる気・実力のある人材は社員のようにどんどん仕事を任せてくれる。
　それを、重荷と感じるパートもいれば、その反対に頑張るパートもいる。
　
　私も彼女も、重荷かなと感じながらも、仕事に面白みを感じて頑張ってきた。
　
　彼女の上司が、７月に、転勤によって変わった。
　彼女の新しい上司Ｍは、転勤後1ヶ月目くらいから、彼女のことを【おばば】と呼ぶようになった。
　彼女の些細なミスを、大勢の前で怒鳴りあやまらせる。口答えをすると、『たかがパートのくせに』『女のくせに』という・・。

　彼女の愚痴を聞いて、そのたびに励ましてきたのだが、『頑張って』と言うのは彼女にとっては【むごいこと】ではないかと思い始めていた私。

　ここ２日間仕事を休んでいる彼女から　「私、やはりやめることにした。仕事が面白くなくなったから。」

　　「わかった。そうだね。面白くなくちゃ続けられないよね。」

　いつかはこうなるかも・・と思っていたが・・・。

　私もいつ同じ立場になるかもしれない。
　今の私の上司はとても良い人で感謝している。でも、いつ転勤するかもわからない。
　後で来る人が、Ｍのような人だったら私もどうなるのだろう。　　　　　　
　
　「パートだからいいや」という、甘えが私たちにあるのかもしれない・・！
　「パートなんかに」という、プライドが社員にあるのかもしれない・・！

　男だから・女だから・社員だから・パートだから・・・。

　答えの出ない、割り切れない問題です・・・。

　でもでも、彼女とは会う機会は減るけれど、友人に変わりはないのです。

　これからの彼女の毎日がハッピーになるように願うばかりです。

そうして私も毎日ハッピーに過ごせますように。笑顔で過ごせますように・・。