2015年7月31日(金)19時から21時 国立能楽堂 大講義室
12月13日の金春円満井会特別公演の道成寺にむけての講座
講師 中村昌弘
ゲスト 大島輝久 高橋憲正 武田宗典
…………
なかなかの盛況。
まず、第一に、
中村昌弘さんの道成寺は斜入は行いません。
斜入は櫻間系。宗家系は斜入はせず。
斜入ではない金春の道成寺は見たことなかったので、これでどちらも見られる。
そして驚いたことに、中村昌弘さん、まだ道成寺のお稽古を始めていないそうです…。唖然。そういうもの?と思ったら、ゲストお三方のお話では、もちろんそんなことはなく。
中村昌弘さん、急にやつれたので道成寺のお稽古のせいなのだろうと勝手に考えていたら違いました。
既に道成寺を披いた各流儀の方々のお話では、2年前くらいには決まり、その日へ向けて準備していくとのこと。
能楽師というと、とかく真面目で堅いイメージですが
…大島輝久さんのネタの宝庫ぶり(道成寺直前のこと、道成寺へお詣りに行ったときのこと)。
高橋憲正さんの独特な自暴自棄?不思議キャラ。
最後は最も一般的な能楽師イメージに合致した、言葉も丁寧で模範的且つ、ご自分の言葉で分かりやすくお話される武田宗典さん。
と、キャラ、役割分担が実に明解。
もしかしたら、一番損をしたのは、主役であるはずの中村昌弘さんなのではないだろうか。
もちろん、道成寺の先輩方のお話は大変貴重で役立つだろうが、
観客だって、ただ話を聞くだけでも各流儀の道成寺を観たことがある方がより理解できるように、
本来なら2年前の円満井会特別公演で道成寺を披くはずだった中村師は言ってみれば4年前から決まっていたわけだから…お稽古を始めてから、これらのお話を聞いたら、より深い理解ができたのでは、と思ってしまう。
実演、とチラシに書いてしまったので、無茶ブリに見えたけれど乱拍子の足づかいを各自。
喜多と宝生の道成寺は一度ずつしか拝見しておらず、良く分からないが、高橋憲正さんによると、似ているところがとても多いのだとか。目附の近くで場所としては広く動かないものの、体の向きを360度(ぐるりと回るのではなく、体の向きを変えていく)動くところなども同じなのだとか。
宝生宗家の道成寺では、正面から観ていて、完全に正先側へ真横に向いたのが印象的だったので覚えている。
観世は左足の付け根あたりの唐織をグッと掴むのは効果的。足づかいを見せるときに、サッと袴を少し上げて足元が見えやすいようにしていて、宗典さんは見やすいようにという点に自然に気が回るのだな、と。
終わってからどう思ったか、という話で、大島輝久さん、高橋憲正さんが急ノ舞に言及されていたのが予想外。道成寺の前にどんな曲をやるか、はなんとなく分かっていたが、武田宗典さんの「(道成寺の後は)純粋な三番目ものをやると良いと言われています」といえのを聞いて、道成寺の次については気にしていなかったので目からウロコ。
大島輝久さん、武田宗典さんの道成寺番組は映像が紹介されたが、高橋憲正さんは番組が見付からず、ということで舞台写真のみ。
宗典さんの前シテの近江女、
憲正さんの後シテの真蛇が、
写真で見てもいいな~と思ったら驚くべき面だった。
(近江女は河内、真蛇は宝生会の本面!凄い!!。お祝いに、と使わせてくださったとのこと。ちなみに、宝生宗家は高橋憲正さんの道成寺が初鐘本後見だったそうです。)
気になったので憲正さん他、皆さんの番組を探してみた。
(憲正さんが開催が「遅れた」とおっしゃった意味も理解。平成24年。あの年…。太鼓は助川さんになっているが、写真で見る限り観世元伯さんでした。)
どの公演も見ていません。
大島輝久さんのときは、まだ能そのものを見始めていなかったから仕方ないとして。
他のお二人は行けたのに。
☆
2010.10.31
東京大島会 大島久見七 回忌追善能
十四世喜多六平太記念能楽堂
能 景清 大島政允 佐々木多門 宝生閑
笛 杉市和 小鼓 亀井俊一 大鼓 亀井忠雄
能 道成寺 大島輝久 宝生欣哉 野村萬斎
笛 杉信太朗 小鼓 飯田清一 大鼓 亀井広忠 太鼓 助川治
2011.3.27
宝生会 春の別会能 第1日
※ 7/24に延期
能 頼政 金森秀祥 宝生欣哉 野村扇丞
中谷明 亀井俊一 亀井実
地頭 三川泉
能 隅田川 武田孝史 高橋希 工藤和哉
一噌仙幸 幸清次郎 柿原崇志
地頭 今井泰男
能 道成寺 高橋憲正 則久英志 野村万蔵 野村太一郎
一噌隆之 住駒匡彦 柿原弘和 助川治
地頭 三川淳雄
鐘後見 宝生和英
2012.2.26
武田宗典道成寺の会
観世能楽堂
能 安宅 勧進帳 瀧流之伝 武田宗和 武田章志 森常好 山本泰太郎 山本則孝
松田弘之 森澤勇司 亀井忠雄
能 道成寺 武田宗典 宝生欣哉 山本東次郎 山本則俊
杉信太朗 大倉源次郎 亀井広忠 助川治
地頭 武田志房
本後見 観世清和
鐘後見 上田公威
☆
月末の忙しいときに必死に仕事して行った甲斐が大いにありました。
☆
質問、
祈りの庭に入れることになったとき、嬉しいと口に出す(詞章にある)流儀と無い流儀がありますが、ここでのシテの心情は?
橋掛かりから鐘を見込むときの感情はどういったものでしたか?
かなぁ。
12月13日の金春円満井会特別公演の道成寺にむけての講座
講師 中村昌弘
ゲスト 大島輝久 高橋憲正 武田宗典
…………
なかなかの盛況。
まず、第一に、
中村昌弘さんの道成寺は斜入は行いません。
斜入は櫻間系。宗家系は斜入はせず。
斜入ではない金春の道成寺は見たことなかったので、これでどちらも見られる。
そして驚いたことに、中村昌弘さん、まだ道成寺のお稽古を始めていないそうです…。唖然。そういうもの?と思ったら、ゲストお三方のお話では、もちろんそんなことはなく。
中村昌弘さん、急にやつれたので道成寺のお稽古のせいなのだろうと勝手に考えていたら違いました。
既に道成寺を披いた各流儀の方々のお話では、2年前くらいには決まり、その日へ向けて準備していくとのこと。
能楽師というと、とかく真面目で堅いイメージですが
…大島輝久さんのネタの宝庫ぶり(道成寺直前のこと、道成寺へお詣りに行ったときのこと)。
高橋憲正さんの独特な自暴自棄?不思議キャラ。
最後は最も一般的な能楽師イメージに合致した、言葉も丁寧で模範的且つ、ご自分の言葉で分かりやすくお話される武田宗典さん。
と、キャラ、役割分担が実に明解。
もしかしたら、一番損をしたのは、主役であるはずの中村昌弘さんなのではないだろうか。
もちろん、道成寺の先輩方のお話は大変貴重で役立つだろうが、
観客だって、ただ話を聞くだけでも各流儀の道成寺を観たことがある方がより理解できるように、
本来なら2年前の円満井会特別公演で道成寺を披くはずだった中村師は言ってみれば4年前から決まっていたわけだから…お稽古を始めてから、これらのお話を聞いたら、より深い理解ができたのでは、と思ってしまう。
実演、とチラシに書いてしまったので、無茶ブリに見えたけれど乱拍子の足づかいを各自。
喜多と宝生の道成寺は一度ずつしか拝見しておらず、良く分からないが、高橋憲正さんによると、似ているところがとても多いのだとか。目附の近くで場所としては広く動かないものの、体の向きを360度(ぐるりと回るのではなく、体の向きを変えていく)動くところなども同じなのだとか。
宝生宗家の道成寺では、正面から観ていて、完全に正先側へ真横に向いたのが印象的だったので覚えている。
観世は左足の付け根あたりの唐織をグッと掴むのは効果的。足づかいを見せるときに、サッと袴を少し上げて足元が見えやすいようにしていて、宗典さんは見やすいようにという点に自然に気が回るのだな、と。
終わってからどう思ったか、という話で、大島輝久さん、高橋憲正さんが急ノ舞に言及されていたのが予想外。道成寺の前にどんな曲をやるか、はなんとなく分かっていたが、武田宗典さんの「(道成寺の後は)純粋な三番目ものをやると良いと言われています」といえのを聞いて、道成寺の次については気にしていなかったので目からウロコ。
大島輝久さん、武田宗典さんの道成寺番組は映像が紹介されたが、高橋憲正さんは番組が見付からず、ということで舞台写真のみ。
宗典さんの前シテの近江女、
憲正さんの後シテの真蛇が、
写真で見てもいいな~と思ったら驚くべき面だった。
(近江女は河内、真蛇は宝生会の本面!凄い!!。お祝いに、と使わせてくださったとのこと。ちなみに、宝生宗家は高橋憲正さんの道成寺が初鐘本後見だったそうです。)
気になったので憲正さん他、皆さんの番組を探してみた。
(憲正さんが開催が「遅れた」とおっしゃった意味も理解。平成24年。あの年…。太鼓は助川さんになっているが、写真で見る限り観世元伯さんでした。)
どの公演も見ていません。
大島輝久さんのときは、まだ能そのものを見始めていなかったから仕方ないとして。
他のお二人は行けたのに。
☆
2010.10.31
東京大島会 大島久見七 回忌追善能
十四世喜多六平太記念能楽堂
能 景清 大島政允 佐々木多門 宝生閑
笛 杉市和 小鼓 亀井俊一 大鼓 亀井忠雄
能 道成寺 大島輝久 宝生欣哉 野村萬斎
笛 杉信太朗 小鼓 飯田清一 大鼓 亀井広忠 太鼓 助川治
2011.3.27
宝生会 春の別会能 第1日
※ 7/24に延期
能 頼政 金森秀祥 宝生欣哉 野村扇丞
中谷明 亀井俊一 亀井実
地頭 三川泉
能 隅田川 武田孝史 高橋希 工藤和哉
一噌仙幸 幸清次郎 柿原崇志
地頭 今井泰男
能 道成寺 高橋憲正 則久英志 野村万蔵 野村太一郎
一噌隆之 住駒匡彦 柿原弘和 助川治
地頭 三川淳雄
鐘後見 宝生和英
2012.2.26
武田宗典道成寺の会
観世能楽堂
能 安宅 勧進帳 瀧流之伝 武田宗和 武田章志 森常好 山本泰太郎 山本則孝
松田弘之 森澤勇司 亀井忠雄
能 道成寺 武田宗典 宝生欣哉 山本東次郎 山本則俊
杉信太朗 大倉源次郎 亀井広忠 助川治
地頭 武田志房
本後見 観世清和
鐘後見 上田公威
☆
月末の忙しいときに必死に仕事して行った甲斐が大いにありました。
☆
質問、
祈りの庭に入れることになったとき、嬉しいと口に出す(詞章にある)流儀と無い流儀がありますが、ここでのシテの心情は?
橋掛かりから鐘を見込むときの感情はどういったものでしたか?
かなぁ。