「彼岸（ひがん）」とは、迷いに満ちあふれたこの世「此岸（しがん）」に対し、悟りをえた世界のことを言います。彼岸へ到達するために、常日頃、忙しさに追われ、自分自身の仏心を見つめることのできない人々が、春と秋の七日間、善事を行い、先祖への報恩感謝を表します。この七日間の法会のことを彼岸会（ひがんえ）といい、お彼岸と略していいます。ですからお彼岸は、自分を見つめなおし、先祖への報恩感謝をすることにより、より豊かな心を持つための人格形成期間のようなものです。彼岸会はインドや中国にはない、日本独特の法界です。
お彼岸の時期は、春は三月の春分の日、秋は九月の秋分の日をそれぞれ中心として、その前後三日間を合わせた一週間をお彼岸と呼んでいます。最初の日を「彼岸の入り」、真ん中の春分の日・秋分の日を「中日」、そして最後の日を「彼岸明け」と言います。暑さ寒さも彼岸まで、と言われるように、季節の変わり目であり気候もいい時期のお彼岸は、すっかり日本人の生活に定着しています。単に仏教上の行事ではなく、生活の中で季節のシンボルともなっています。
今週はお彼岸ウィークであります。わかだんなはせっかくなので自分を見つめなおしつつご先祖様に感謝したいと思います。