日本の軍歌、唱歌

日本人が歌い注いできた軍歌、戦時歌謡、唱歌などをご紹介します。

【里の秋】静かな静かな秋かと思えば・・・

2021-11-15 19:57:04 | 日記
こんにちは。
秋も深まり、日々寒くなってきましたね。
この時期には某神社で奉納合唱をするのですが、最近よく歌っているのがこちらの曲です。

<里の秋>
 静かな静かな 里の秋
 おせどに木の実の 落ちる夜は
 ああ母さんとただ二人
 栗の実 煮てます いろりばた

 明るい明るい 星の空
 鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は
 ああ 父さんのあの笑顔
 栗の実 食べては 思い出す

 さよならさよなら 椰子の島
 おふねにゆられて 帰られる
 ああ 父さんよご無事でと
 今夜も 母さんと 祈ります

 静かで美しいメロディー。
静謐に落ちる木の実の音と少し切ない鳥の声。。
物悲しい秋をうたった曲・・・かと思いきや、こちらは戦時中の歌なので
歌詞の意味を読み解く必要があります。

おせどに木の実の落ちる夜・・・爆撃される夜のこと。
鳴き鳴き夜鴨の渡る夜・・・米軍の戦闘機がせまる夜のこと。
おふねにゆられて帰られる・・・遠くの戦地から輸送船にて帰還される。

戦後すぐにできた歌で、当時は混乱の世の中。
戦争が終わったとはいえ、遠い戦地で行方不明になったり捕虜になったり
また輸送船に乗れても攻撃が続き沈没させられるかもしれない、そんな不安の中、家族の無事を歌った曲だそうです。

ちなみにあの有名なシベリア抑留も、戦後すぐには捕虜がどこにいるかわからず、シベリアにいると分かったのは終戦の翌年になってからでした。
しかも終戦のあと捕虜にされた人は57万人に上り、さらに抑留のうえ強制労働させられて、5万人以上が死亡するという悲惨さ。
決して忘れてはいけません。

靖国神社の南門の近くにはシベリア抑留者の会が植えた桜があります。
よろしければ探してみてください。


【燃ゆる大空】国威を担う若人のうた

2021-09-18 22:53:31 | 日記
お久しぶりです。
全国で自衛隊の大規模演習が始まりましたね。
各地で自衛隊車両など見る機会も増えるので外に出かけるのも楽しみです。
まあ出ないんですけど。

たまに旅行途中、高速道路のSAで休憩されている輸送トラックなどを見ると、ついフラフラ近寄ってしまうのですが、皆さんお疲れなのに笑顔で写真を撮ってくれたり車両の説明をしてくれたりするので、いつも本当に感謝です。そしてすみません。

今日ご紹介するのはとても勢いがあって元気の出る「燃ゆる大空」という歌です。
歌いだしから空に向かって戦闘機が飛び出していく感じ。大好き。
山田耕作が作曲したのですが、歌詞が難しい割に覚えやすく、当時の日本はこの曲で勢いづいたことでしょう。
NHKの国民歌謡としても収録されていて、藤山一郎や霧島昇が歌いました。

雄大な大空を翔る優秀なパイロットたち、その飛行機を整備する隊員たちは今も昔もすごく高い技術を持っていて世界でも高い評価を受けています。
「爆音正しく高度を持して」「降魔の翼よ電波と奮え」という歌詞そのものですね。難しすぎてちょっと意味わかりませんけど。

ちなみに最後の「若人われら」は2回繰り返し、2回目は「われら」の部分を勢いよく上げて終わるのが日の丸合唱団風です。
喉が死にます。



《軍歌》燃ゆる大空("Moyuru ōzora"- Burning Sky)





【興亜行進曲】日本からアジアを興す

2020-04-25 14:51:04 | 日記
▪️興亜行進曲▪️

今日ご紹介するのは昭和15年に朝日新聞が公募してできた曲です。

朝日新聞だよー。

昔はちゃんと日本の新聞だったんですね(笑)

当時、1ヶ月ほどの公募期間ののち、今沢ふきこさんという25歳の女性の詞が選ばれた。と書いてあります。
当時の25歳、意識高い!
見てくださいこの素晴らしい歌詞。

1.
今ぞ世紀の朝ぼらけ
豊栄のぼる旭日の
四海に燦(さん)と輝けば
興亜の使命 双肩に
担ひて立てり 民五億

2.
聴け天地にこだまして
あぐる興亜の雄叫びを
理想は熱き血と燃えて
アジアの民の行くところ
希望はあふる海陸(かいりく)に

3.
ひびけ歓喜のこの調べ
輝く首途(かどで)ことほぎて
協和の徴(しるし)いや高く
桜よ蘭よ花牡丹
嵐に堪へて咲き香れ

4.
いざ諸共に打ち建てん
永久の栄えの大アジア
かはらぬ盟ひ(ちかい)かんばしく
興亜の実り豊けくも
世界に示せこの偉業



亜細亜を興すという意味の「興亜」ですが、当時は興亜奉公日なるものもつくられ、亜細亜の盟主としての日本国に奉公する日だったようです。

今の日本もある意味戦いの真っ最中ですが、桜や蘭のように、みんなで耐えて乗り越えて、また平和な日本にいたしましょう。


【紀元節】萬の国に類いなき日本国

2020-02-09 18:43:43 | 軍歌、戦時歌謡など
今日ご紹介するのは「紀元節」です。
紀元節は今の建国記念日を指します。

紀元とは、以前も書きましたが神武天皇のご即位を示すものです。
神武天皇のご即位は1月1日なのですが、なんだかんだで今の2月11日(建国記念日)になりました。

神武天皇のご即位を祝う祝日の歌として作られたのがこちらです。

1、雲にそびゆる髙ちほの
  髙ねおろしに艸も木も
  なびきふしけん大御世を
  仰ぐけふこそ樂しけれ

2、うなばらなせるはにやす
  池のおもよりなほひろき
  めぐみのなみにあみし世を
  仰ぐけふこそたのしけれ

3、天つひつぎの髙みくら
  千代よろづに動きなき
  もとゐ定めしそのかみを
  仰ぐ今日こそたのしけれ

4、空にかがやく日の本の
  萬の國にたぐひなき
  國のみはしらたてし世を
  仰ぐけふこそ樂しけれ


「大御世を」「あみし世を」「そのかみを」「たてし世を」の部分は雅楽みたいにゆっくりこぶしを回すように歌います!
と、合唱の先生に教わりました!(*´∀`)


歌詞の内容は神代の時代から続く日本を讃え敬う歌です。

この歌は高崎正風作詞、伊沢修二作曲の唱歌で、文部省によって祝日大祭日唱歌に選定されました。
ということは、国民が学校で必ず習い、当日に必ず歌う歌だったのです。

それがなぜ、いま日本では歌われなくなったのでしょうか。

それは「国民が歌わなくなった」のではなく、敗戦後、「占領軍が歌えないようにした」からです。

学校で教えることもなくなり、メディアで流されることもなくなりました。
日本国民の記憶から消そうとしたんですね。
ひどい。ひどすぎる。
そういう歌や日本語が本当に沢山あります。

当時の政府もそこまで反発せず、それが今の教育にも繋がっているわけですが、当時の日本国民は粘り強い努力を続け、建国記念日を復活させました。

当時は「早く憲法改正を!」という声も多く、今の憲法を保つことは恥であるという風潮でもあったのです。
それは憲法改正の歌(中曽根康弘)でご紹介しますね!

2月11日は紀元節を歌い、日本の歴史を思い返しましょう♪


大日本の歌【美し山川、類いなき古き国柄】

2020-02-04 17:04:09 | 日記
今回は大日本の歌です。
みなさんご存じでしょうか?
私はこの美しい日本語で作られた歌詞が好きで、難しい曲ですがいつもがんばって歌っています。

1.雲湧けり 雲湧けり みどり島山
  潮満つる 潮満つる 東の海に
  此の国ぞ 高光る天皇(すめらみこと)
  神ながら治(しろ)しめす 皇御国
  ああ 吾等今ぞ讃へん 声も轟に
  類なき古き国がら 若き力を

2.風迅し 風迅し 海をめぐりて
  浪さやげ 浪さやげ 敢へて許さじ
  此の国ぞ 醜(しこ)はらふ 皇軍(すめらいくさ)
  義によりて 剣とる 皇御国
  ああ吾等今ぞい往かん 顧みはせじ
  日の御旗 閃くところ 玉と砕けん

3.気は澄めり 気は澄めり 美し山川
  眉あがる眉あがる 雲のはたてに
  此の国ぞ 一億の皇御民(すめらみたみ)
  挙りたち 奮ひ立つ皇御国
  ああ吾等今ぞ進まん 明き心に
  新しき御国の歴史 ひらけつつあり

はい。
私が好きなのは「美し(うまし)山川」、「眉上がる」などのいまはほぼ使われなくなった情緒のある日本語が沢山使われているところです。

これはNHKの国民歌謡で公募されたもので、今でいう「みんなのうた」です。レベルが違う(笑)

作詞は芳賀秀次郎という国語教師ですが、驚くべきは20歳そこそこでこの曲を作詞したということ!

この先生に!!
教わりたい!!!