(写真は色違いでネットからの借り物です。悪しからず)
ファミリアの下取り査定でマツダ地獄の厳しさを実感した私は、何とかしてその地獄から這い上がろうとします。
何てったって、査定額が残債の半分にも満たないので焦りました。
ちょうどその頃、丸目のKP61スターレットに乗る後輩から次のクルマ選びについて相談があり、ファミリアを引き継いでもらえないかとお願いしたのです。
幸いなことに気に入ってもらい、お互いに歩み寄り、未練なく譲渡。
私には高い勉強になりましたが、後輩はそのファミリアを大いに気に入ってくれ、10年も可愛がってくれました。
さて、ようやくマツダ地獄から脱出したものの、残債をリセットしたらお金がない。
そんな時、持つべきものは友ですね。学生時代にクルマ雑誌のバイトで知り合った友人が保険代理店を開業し、挨拶に来たのです。
金はないけど余り走っていないクルマに乗りたいと相談したら、彼のコレクションの中に安く譲れる一台があるとのこと。
それが、私にとって初の『外車』となるフォルクスワーゲンゴルフDの5ドアでした。
鮮やかなイエローのボディーカラーに黒の樹脂バンパー。ベーシックグレードだから余計なモール類が付いておらず、好感が持てました。
4速マニュアルミッション、エアコンなし、パワステもパワーウィンドウもリヤワイパーもなし。
ただ、足回りはKONIのダンパーに交換され、インチアップしたホイールはマナレイの左右対称のタービンタイプでタイヤは回転方向が指定された185/60-14のスポーツタイヤ。確かダンロップでした。
純正のドアミラーがショボく劣化していたので、ビタローニの角型に交換。
ステアリングは定番だけどナルディの360ミリ径のが付いていました。
なんだ、4速かよ…と初めは嘆いたものの、わずか1,500ccのディーゼルです。常時パワー不足なので、5速なんか必要ありません。平坦な高速道路くらいしか出番はなかったでしょうね。
走行8万キロ台でだいぶガタが出始めた個体でしたが、これが面白かった。
タコメーターがないのを良いことに、ガバナーが効くまで回してシフトアップしていくと、けっこう走ってくれます。
振動や音もアイドリング以外ではさほど気にならず、排気音は上まで回してやるとスポーティーとさえ言えるほど。
高速道路でのフラットアウトも、このクルマで初めて体験させてもらいました。
当時、軽油の値段が70円くらいだったでしょうか。そして、街中でリッター18キロ、長距離ならば23キロという燃費に驚きました。
いつでもどこへでも財布の中身を気にせず出掛けられる、そんな気軽さがうれしかったです。
トルク不足で坂道発進が苦手な一方、固められた足回りとタイヤの効能により、峠の下りでは安定した速さを披露してくれたのが懐かしい思い出です。
何の変哲もない大衆車であっても、輸入車は面白いんだ!ゴルフは私にそう教えてくれました。
こうなったら、独身のうちにまだまだ乗ってやる!そう決心した私は、雑誌の売買欄にとあるクルマを「買いたし」と投稿します。そう簡単には見つからないであろう条件で…