日奈久温泉は八代平野の南端付近に位置する歴史ある温泉で、江戸時代には熊本藩営の温泉となり、細川忠興の曾孫にあたる綱利の命で大浴場が設けられた。温泉街には明治から昭和初期の建造物が点在している。
幸ヶ丘は昭和 30 年代の創業とのことだが、館内は随所に歴史を感じるもので、白大理石の浴室は当時のままだそう。浴槽は P 字型で、折れた部分は浅くなっている。微硫黄臭、ツルスベ感、泡付きのある自家源泉が、鯉乗り童をモチーフにした湯口から豪快に注がれ、かけ流されていた。
熊本在住の方に「日奈久で一押し」とお勧めされて入ってみたのだが、なるほど確かに素晴らしい湯であった。
(2017 年 1 月)
◆源泉情報◆
源泉名:幸ヶ丘温泉
泉質:単純温泉
湧出量:68 l/min
泉温:43.9℃
成分:pH8.1、溶存物質 720 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
ナトリウムイオン | 185.8 (92.71) | 塩化物イオン | 208.6 (57.99) |
カルシウムイオン | 10.2 (5.55) | 炭酸水素イオン | 243.8 (39.45) |
メタケイ酸 | 40.6 | 硫酸イオン | 9.3 (1.87) |
分析日:2006 年 12 月 26 日
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