初めて見たとき、
それは鳥の形に似ていた。
退屈なくらい平板で、
横を向いてないと、
それが鳥だとは誰も思わなかった。
とゆうか、みんなは、
それを鳥だと思ってなかった。
わたしの知る限り、
わたしだけがそれが鳥に似ていると、
勝手に思っていた。
そうだと思う。
夕方だった。
河原の向こうには大きな建物があって、
オレンジを背景に、
黒い直方体が空を指していた。
総合病院だった。
「鳥」は、もはや忘れ去られて、
誰もそこに目をやりはしなかった。
わたしだけがひそかに、
毎日、「鳥」に会いに行ってた。
それがわたしに出来ることだったから。
「ねむい?」
「うん、まあ」
「羽は休めなきゃいけないよ」
「うん、そうだな」
「体にも悪いんだ」
「うん」
「我慢することはないよ」
「うん」
「休んだらいいさ、思いっきり」
「うん、そうだね」
夜がやって来るのは、
空を見ればわかる。
星が降るより先に、
月が明るむより先に、
暗闇は、柔らかく広がる。
「鳥」のところから離れる時、
わたしはいつも病院の影が、
夜に飲まれてしまったのを確かめる。
ちょっとこわくなって、ふるえる。
そうしてわたしは家へと帰ってくのだ。
明日も「鳥」は、いるのかな。
わたしのいない間に、
「鳥」の形が変わるんじゃないかと思って、
わたしは、ちょっと笑って、
ちょっと泣いた。
それは鳥の形に似ていた。
退屈なくらい平板で、
横を向いてないと、
それが鳥だとは誰も思わなかった。
とゆうか、みんなは、
それを鳥だと思ってなかった。
わたしの知る限り、
わたしだけがそれが鳥に似ていると、
勝手に思っていた。
そうだと思う。
夕方だった。
河原の向こうには大きな建物があって、
オレンジを背景に、
黒い直方体が空を指していた。
総合病院だった。
「鳥」は、もはや忘れ去られて、
誰もそこに目をやりはしなかった。
わたしだけがひそかに、
毎日、「鳥」に会いに行ってた。
それがわたしに出来ることだったから。
「ねむい?」
「うん、まあ」
「羽は休めなきゃいけないよ」
「うん、そうだな」
「体にも悪いんだ」
「うん」
「我慢することはないよ」
「うん」
「休んだらいいさ、思いっきり」
「うん、そうだね」
夜がやって来るのは、
空を見ればわかる。
星が降るより先に、
月が明るむより先に、
暗闇は、柔らかく広がる。
「鳥」のところから離れる時、
わたしはいつも病院の影が、
夜に飲まれてしまったのを確かめる。
ちょっとこわくなって、ふるえる。
そうしてわたしは家へと帰ってくのだ。
明日も「鳥」は、いるのかな。
わたしのいない間に、
「鳥」の形が変わるんじゃないかと思って、
わたしは、ちょっと笑って、
ちょっと泣いた。