タイトル: 『ハンサム★スーツ』
配給: アスミック・エース
公開情報: 11月1日(土)梅田ブルク7ほか
全国拡大ロードショー
写真クレジット: © 2008『ハンサム★スーツ』製作委員会
谷原章介 塚地武雅(ドランクドラゴン) 北川景子
佐田真由美/大島美幸(森三中)/池内博之/本上まなみ/佐々木希/山本裕典
ブラザートム・温水洋一・中条きよし・伊武雅刀
脚本:鈴木おさむ 監督:英勉 ビジュアルディレクション:飯田かずな
音楽:川口大輔 テーマ曲:渡辺美里「My Revolution」
主題歌:Missing Linkと塚地武雅(ドランクドラゴン)「マイ★レボリューション」
http://handsome-suits.com
映画「ハンサム★スーツ」の試写会に行ってきました。
上は一応と言いますか、広告です。
男なら誰しもが持つコンプレックス、
そのひとつに「ブサイク」⇔「ハンサム」の対立事項があって、
こと「ハンサム」に関しては男なら一度は憧れるはず。
では、ブサイクな男がハンサムになれたらどうなるか?
それを映画でもって見てみましょうと、
こうゆう感じがきっと、
この映画のコンセプトなのではないでしょうか。
実は、正直なところ「人間、見た目じゃないんだぜ!」なんて、
そんな教訓めいた事をタラタラ言い続けるだけの映画なんじゃないかと、
勝手に思ってたんですが、
実際のところはそんなに押し付けがましい感じじゃなくて、
むしろ、「ブサイク」を痛めつけるシーンも結構あって、
(まあ、個人的には胸が締め付けられるんですが、)
そのくせ、「ハンサム」になったら、
こんなに良いことがあるんだよと言わんばかりの、
夢の世界を見せてくれるので、
逆に、ちょっと極端なんじゃないかと、
「ブサイク」を演じるドランクドラゴン塚地が可愛そうに思えました。
まあ、けど、そんなことはあり得ないと分かっていても、
「見てしまう、引きつけられてしまう」心憎い演出が盛り込まれてて、
その演出を殺さないキャストの手腕も存分に光っています。
特に、「ハンサム」役である谷原章介の、
まったく嫌味じゃないハンサムぶりが素晴らしかったです。
西浦はこの人を全然知らなかったのですが、
素晴らしい表現力(笑いの)でもってスクリーンを彩っていて、
この人が登場するシーンはたいてい笑いが起こってましたね。
また、ヒロイン役の北川景子は非常にナチュラルな演技で、
谷原章介とは別の意味で嫌味がない。
スッキリしていて、ピュアで、
それで「美人」ときているから、
「神は二物を与えたもうた」と言うもんです。
こうゆう映画にはたいてい、
キャストに演技の下手な人が数人混じるものなんですが、
そうゆう印象を与えない、あるいは受けないところに、
この映画の完成度に対するスタッフの意気込みを感じました。
ところで、そもそも、ハンサム・スーツといってますが、
「なぜイケメン・スーツじゃないんだろうか」という疑問がわいてきました。
調べてみるに、「イケメン」とは容姿が良いということに加えて、
ファッションセンス(特に髪型)の良さが関係するらしく、
つまりは「オシャレさん」という要素があるらしい。
これに対して、「ハンサム」というのは、
hand(手で)+ some(扱いやすい)という英語が語源で、
「顔立ちの良いやつは女性を手で扱うのも簡単だ」という意味で、
美形の人のことを「ハンサム」というようになったとか。
ほぉ~、という感じですね。
ただ、ほぉ~とはなりますが、
「で、結局それがどうした」という感じですね。
要するに、「顔が良い」という意味はどちらにもあるわけですから、
なんならこの映画は「イケメン・スーツ」でもいいのかもしれません。
ところが(これはあくま西浦の考えですが)、
「イケメン」には「オシャレさん」のニュアンスがあるので、
「スーツ」という言葉のフォーマルな感じとあまり合わない。
そんな事情もあって、もしかすると、
「ハンサム」というちょっと古めの言葉が採用されたのかもしれませんね。
とにかく、映画はこの「ハンサム」が、
ブサイクと比べてどうゆうものなのかということを見せてくれます。
ストーリー的には、
「ああ、結局やっぱりそうなるのか」という結末なんですが、
それでも、まあ、いいよと、許せてしまうあたりに、
この映画の良さがあるのではないでしょうか。
そうそう、ストーリーを紹介しておきましょうか。
せっかく試写会に行ったんですからね。
『大木琢郎(33歳・独身)は死んだ母親が残した定食屋「こころ屋」を営む心優しいブサイク。料理の腕前と人柄は完ぺきでお店の人気者だが、女性とはまったく縁がない。新人アルバイトで超美人の寛子ちゃんに告白しても、あっさり振られてしまう。
ある日、友人の結婚式に着ていくスーツを買いに行った洋服の青山で、着るだけでハンサムになれる「ハンサム・スーツ」を手に入れる。ハンサムな男に変身した琢郎は、光山杏仁として、瞬く間に人気カリスマモデルとなる。・・・』
なかなか長い文章だったので引用はここまでにしておきます。
やはり映画なので、どうしてもストーリーは、
分かりやすいものにしなければならないのですが、
その分かりやすい中に「分かりにくいトリック」を組み込むあたりに、
この映画の製作者がただ者ではない事を思わせて、
非常に好感が持てました。
あと、音楽についてですが、
映画中に流れるのは、渡邊美里の「マイレボリューション」や、
ユニコーンの「大迷惑」など、
ある人には懐かしく、ある人には新鮮な80年代のポップスです。
一応、主題歌は「マイレボリューション」なんですが、
クレジットの時に流れるのは、
Missing Linkと塚地武雅というユニットで、
誰かのRemixなんでしょうけど、
いい感じのテクノ風に仕上がっていました。
このように、総じて、
なかなかクオリティの高い「ラブコメ」と言えるのではないでしょうか。
もちろん、「いただけない」部分もあるのですが、
それは書いたところであまり意味がない。
実はその人にとってはスゴく良い映画だったのに、
読んだ途端に見る気が失せるようなことを書いたりしたら、
これはいけない。
そうゆうわけで、今回は良いところだけを書くことにしました。
最後に、配布されていた資料写真を貼り付けておくとします。
ヒロイン星野寛子役、北川景子
ハンサムスーツ登場。
これを着ればあなたもハンサム。
どうやったら、こんな「着ぐるみ」で、
ハンサムになれるんだと思うかもしれませんが、
そこらへんは映画です。ご容赦ください。