沖縄タイムスウェブ版2018年11月4日 10:13
大粒の雨の中、千人以上の市民が足を運んだ。県民大行動があった3日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前テントは人であふれた。雨に打たれながら、政府の新基地工事再開を批判し、あいさつに拍手を送った。
3日は例年晴れることが多い「晴れの特異日」とされるが、県内各地では朝から強い雨が降った。あいさつに立った議員らは「政府に対する県民の怒りの雨、涙雨」と表現した。
ヘリ基地反対協の仲本興真事務局長もマイクを持ち、「政府は工事が止まると警備経費などに1日2千万円の損害が出るというが、損害を被っているのは庶民、県民。うそ八百はやめてほしい」と怒った。
耳を傾けていた那覇市の金城寿芽子さん(53)は「政府のやり方はあんまりだ」と嘆く。「おかしいことはおかしい、と沖縄は言ってきた。本土の人々にも気付いてほしい」と願った。
茨城県から今年、沖縄の大学に入学した片岡駿介さん(19)は初めて抗議集会に足を運んだ。「普天間から辺野古に基地を移すだけなら、普天間の問題は解決しても沖縄の基地問題は解決しない。おかしくないか」と首をかしげた。
韓国中学生、参加市民の多さに驚き
米軍基地がある韓国・済州島の私立中学校の生徒8人が県民大行動に参加した。引率したキム・ホンタク教諭(37)は「済州島では10年で基地が造られてしまった。沖縄では22年たってもなぜ造られていないのかを学ぶことが、済州島の未来にもつながる」と語った。
男子生徒のイ・ジョンヒョンさん(14)は集まった千人以上の市民を見て「基地問題にこんなに関心があるのは不思議な感じがする。済州島でもこうだったら」と話した。一行は6日まで県内を回り、沖縄戦や戦後史を学ぶ。
首相官邸前でも450人が集会
【東京】名護市辺野古の新基地建設に反対する「辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会」は3日、首相官邸前で抗議集会を開いた。沖縄防衛局が工事を再開したことに「絶対許せない」と怒りの声を上げ、土砂投入の阻止へ連帯を誓った。450人(主催者発表)が集まった。
防衛局が行政不服審査法に基づき「私人」の立場で県の埋め立て承認撤回の効力停止を求め、国土交通相が執行停止を決定したことなどを批判。「行政不服を政府が言うな」「法の悪用許さない」と訴えた。
主催者代表で沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんは、政府内で執行停止を決めたことに「これほど民主主義を踏みにじる茶番劇があるのか」と批判した。