フェデラー、全仏初制覇！

「自分にとって最も偉大な勝利だ」。ソデルリングのサーブリターンがネットにかかると、ひざから崩れ落ち、歓喜の涙があふれる顔を両手で覆った。セレモニーでは１０年前に生涯ＧＳを達成したアガシ（米国）から祝福された。
　相手のダブルフォールトで最初のサーブを破り、突っ走った。正確無比のフォアに、バックのスライスやドロップショットを絡めて攻める。第２セットのタイブレークでは４本のサービスエース。雨も降ってきたが、「重圧の中でやり遂げた。信じられない」と振り返った。
　２００５年に赤土の舞台に登場したナダルに、その年は準決勝で、昨年までの３年間は決勝で屈した。全仏で勝てないとも言われたが、挑戦を続けた。ナダルがソデルリングに敗れ、４回戦で消えたのは幸運だったが、必死の思いを知る観衆は、大きな声援を送った。「みんながぼくの優勝を願ってくれた。ここで勝つのは最高だ」
　試合を祈るように見守る姿があった。４月に結婚したミルカ夫人。今夏には第１子が誕生する。「ロンドン五輪に出場したいし、子供に自分のプレーを見せたい」と新たな意欲を燃やす。これで、通算１４勝でピート・サンプラスに並びました。四大大会最多優勝の更新も射程に入ってきました。