わたし、見たんです。

稽古場からの帰りの事でした。

いつものように総武線で新宿に向かってましたら、両国で若いお相撲さんが乗って来ました。

そのお相撲さんは座席の前に立ちまして、隣にはサラリーマン風の男性が立っていました。

四ツ谷でしたでしょうか。

二人の前に座っていた人が降りて行きまして、男性はもうすぐ降りるのか座りませんでした。

その時です。

若いお相撲さんは男性に『手刀』をきり、座席に座りました。

手刀はあれです。

取り組みのあと、勝ったお相撲さんが行司から懸賞金を受け取る時に、ササッと手を動かすあれです。

感謝の気持ちや謙虚さを表していて、心という字を書いてるんだそうです。

何が言いたいのかよく分からないでしょうが、ようするに仕事の作法が染み付いていて凄いなという事です。

そういえばわたくしも先日道をたずねられた時に。

『ああ、そこなら次の信号を上手に曲がって』

と、つい仕事のくせが出てしまい、恥ずかしい思いをしたものです。










嘘です。