怪我をしたとき、ばい菌が入って赤くはれて痛くなります。化膿してきて膿が出ます。でもしばらくするとかさぶたが出来て、もうそこからは、ばい菌は入らなくなります。
血液の血小板が固まって石のようになって細菌やウイルスが入らないようにしているわけです。その間に体内に入ったばい菌と戦って治すのです。かさぶたは、病院の先生や薬が作ったのではありません。自分で作ったのです。このように自分自身が病気やけがを治してゆくのです。その過程で大切になってくるのが、免疫力です。
その免疫力の要と言われているのがTリンパ球です。侵入者に対して正しい判断ができるかにかかっているわけです。このTリンパ球を教育する器官が『胸腺』という器官です。胸腺は、20歳頃をピークとして年齢とともに緩やかに縮小してくるといわれています(お年寄りが免疫力が弱くなるのも胸腺が小さくなったことが原因ともいわれます)。でも最近は、胸腺がうまく機能していない、本来の働きをしていないケースも出てきています。侵入者に対して攻撃をしない、間違えて自分自身を攻撃したりと…。胸腺での教育が正しく行われていないからです。免疫力が弱くなる=胸腺の不能ともいえるわけです。
みなさんご存知のがん。実は、がん細胞は毎日数千から数万個、体内で出来ていると言われています。自分の正しい免疫力で毎日消しているので、発病していませんが、免疫力が低下して弱くなると消しきれなくなって、増殖するのです。がんが発見されて1ミリの大きさになるのに5年から10年かかるといわれてます。正常な免疫力が働くとがん細胞も免疫システムによって消し去られるのです。
免疫力がないと人間は生きていられません。免疫システムは、顆粒球、Bリンパ球、Tリンパ球など数多くの免疫細胞による共同作業です。特に全体の指示を出すTリンパ球が正しく機能することが免疫システムの要なのです。このTリンパ球を正しく教育する胸腺を長持ちさせることが免疫システム維持に繋がります。そのためにも胸腺がいつまでも正しく機能するように十分な栄養や酸素を運ぶ毛細血管の老化を防ぐことが大切になるわけです。