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原子力エネルギーのEROI(EPR)は5程度(実は原子力はあまり効率が良くないエネルギー)

2013-12-31 21:55:37 | 物理学・数値解析・プログラミング
少しの物理情報紹介です。




以下の画像は日経サイエンス2013年7月号のP94-97の撮影画像です。
原子力というのはEROI(あるいはEPR)指標で見てもそうよろしくないエネルギー源である事が分かります。




(大きい画像はこちら)



EROI(あるいはEPR)指標というのはエネルギーを1単位(1ジュールとか1カロリーとか)注ぎ込んで
採掘可能されるエネルギーで割ったものです。式で書くと以下の様な感じです。

例えば(クウェートの)ブルガン油田だと自噴する良好油田なので、掘った穴から勝手に
原油が自噴します。なので原油精製する分だけエネルギー必要なのでEROIは100程度まで上がります。
しかし(サウジアラビアの)ガワール油田だと数十程度まで下がります(自噴しないので原油採掘に手間暇
かかる分(海水注入・火攻法etc)だけ余分なエネルギーが必要なので)。それだけ上のEROIの(式1)の
分母のエネルギー値は重要な訳です。
EROIの値が大きければ大きい程に採掘・整備・利用などに要したエネルギーに対し
利用可能なエネルギーがより大量になるという高効率のエネルギー

という事になります。

ちなみに以下の電力中央研究所の2007年の資料(←3.11以前です)だと
http://www.denken.or.jp/research/news/pdf/den439.pdf
1ページ目が以下↓の様になっています。

やけに原子力のEPR(EROI)が高く40もある事が分かります。
何故なら福島原発事故以前なので廃炉や高エネルギー廃棄物処分などに
要するエネルギーをあまりカウントしていないからなのです。
で…3.11以降に廃炉や高レベル放射性廃棄物の処理・処分にかかるエネルギー再計算・再カウントすると
日経サイエンスの「原子力はEROIが5程度」まで下がるという事の様です。
むしろ原子力以外のエネルギー源のEROIが大体5より小さい(≒工業的に成り立たないEROIの値)である事を見ると電力中央研究所のデータマッサージさえ疑えます。
特にLNG火力のEPR値が2程度って明らかにおかしい…現在欠かせない発電方法なのに。

で…ここが重要なのですが工業的・industrialな意味では実は
EROIが5より小さくなると工業的にかなりまずい(というより工業が成り立ちにくい)という経験則があります。
それは上の日経サイエンスの撮影ページ、P96の左に書かれている通りです。
それだけ、(式1)における分母の(入力)エネルギーは重要な訳です。
日経サイエンスの最新記事の原子力エネルギーのEROIは5となっていて工業的に原子力はギリギリのラインという事が分かります。

で…日経サイエンスの記事中で原子力のEROIが5程度という事は実はあまり効率の良くないエネルギーという事が
工業的・物理学的な側面からも言える訳
です。
(しかもこれから原子力のEROIの式の分母部分のエネルギーはこれから膨れあがる事は目に見えてますので原子力のEROIは更に低下していく事はほぼ確実です)

そして…2013年エネルギー白書
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2013energyhtml/
から原油の輸入量を見た図を以下に引用します。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2013energyhtml/2-1-3.html


3.11以降に原発が止まっても原油の輸入量は実はそう増えている(どころか横ばいか微減?)訳ではない事が分かります。
当たり前ですが…何故なら原油はエネルギー資源だけでなくナフサを筆頭に材料資源でもあります。
そして原子力は電気エネルギー源の一つに過ぎないのです。
原子力の位置は全エネルギーの中の電気だけであり、しかも総発電量の3割を占めるに過ぎないからです。
つまり
  全エネルギー⊃電気エネルギー⊃原子力
なので全エネルギーに占める原子力の割合は意外に小さいのです。
(全エネルギーって発電以外にポンプや自動車動かしたりなど
エネルギーを直に動力に使った機関なんかいくらでもありますよね)

原油の輸入が増える増えないといったことは、省エネや不景気やヘッジファンドの暗躍の原油高騰etcの方が大きいファクタになります。
つまり原子力なくしても日本がやっていく目処はそう悪くない事が分かります。

<追記2014年1月12日>
経済産業省に以下の様なデータがありました。
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h23/h4a1203j4.pdf
>【鉱物性燃料の長期的輸入動向と震災後の液化天然ガスの輸入動向について】
上のpdfのP103~P104に以下の文章があります。
(1) 鉱物性燃料の輸入における長期的動向
~23年の輸入額は過去2番目の規模。上昇要因の大部分が価格要因による。~

鉱物性燃料の輸入額をみると、20年に過去最高の 27.7 兆円となり、輸入総額に占め
る割合も 35.0%と、こちらも過去最高となった。翌21年には、前年比で▲48.7%の 14.2
兆円と大幅な減少を記録したものの、22年以降は再び増加に転じ、直近の23年では
21.8 兆円(過去最高を記録した20年の輸入額に次ぐ金額)となった。なお、輸入総額に
占める割合も 32.0%と再び3割を超える状況となっている(第Ⅱ-3-9図)。
(中略)
鉱物性燃料は、中東情勢や、近年では、中国を始めとする新興国の急速な経済発展
に伴う需要の拡大により、その価格が大きく変動するため、輸入額の変動が激しい。そこ
で、輸入額ではなく、数量の変動を確認してみると、第Ⅱ-3-12図でみるように、ほぼ
横ばいで推移しており、乱高下する価格とは対照的であることが分かる。
更に、輸入額
(円ベース)の変動は、為替の動きにも左右されており、このところの円高(第Ⅱ-3-
13図)は、輸入額をやや下押している。輸入額の対前年比を数量要因、価格要因に分
解し、残りを為替要因としてみると、大部分が価格要因であったことが分かる。

で…第Ⅱ-3-12図のスクリーンショットが以下なのですが…

…震災を経て原発が次々に止まっても鉱物燃料の輸入量は殆ど横ばいなのに価格だけがやたらと上昇(更に為替レートも
円安傾向にシフト)したので結果的に日本が貿易赤字になった…という事がエネルギー白書と合わせて改めて読み取れます。
つまり日本の貿易赤字は原発停止とは関係があまりない事が経産省のデータからも読み取れる訳です。

<追記2014年2月10日>
ゴー宣ネット道場に(小林よしのり氏のアシスタントの)とっきー氏が上に私が示したデータと
同様の内容を言葉で書いていましたのでそれも追記しておきます。
(以下全文引用)
https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=jo6gbhm2k-736#_736
「原発停止で国富が逃げる」の詐欺論説!(その1)
原発利権保守の
詐欺新聞・産経の
本日(2.7)の記事に、
こんなことが書いてありました。

「日本が昨年輸入した化石燃料の費用は
約27兆4千億円。
経済産業省によると、原発の停止で
3.6兆円も余分に買っているという。
1日当たり100億円の『国富』が
海外の資源国に流出している計算だ」

記述に「間違い」はありません。
しかし「ペテン」がたっぷり入ってます。

まず指摘しておきたいのは、
原発が電力の25%を供給していた
平成20年(2008)に日本が輸入した
化石燃料の総額が
27兆6千億円だったということです。

昨年の方が、2008年より
化石燃料の輸入額が少ないのです。

実は2008年は、
マネーゲームによって
原油の先物価格が
史上最高値をつけた年でした。

ところがその直後、リーマン・ショックで
価格が急落、さらに景気の冷え込みにより、
2009年の化石燃料輸入額は
2008年に比べて10数兆円も急落しました。

それから再び価格が上昇してきて
今日に至っているわけで、
昨日のよしりん先生のブログにあった
「化石燃料の輸入が
2010年から2013年までに
10兆円超増加しているが、
輸入量の増加は1.3兆円しかなく、
単価上昇が6.1兆円増、
円安で3.5兆円増」
というのは、このような
値動きによるものです。

さらに、「輸入化石燃料」というのは、
自動車の燃料や都市ガス原料、
プラスチック等の原料など全てを含み、
そのうち70%以上が
主に自動車燃料等に
使われる原油です。

原発停止による化石燃料輸入が
3.6兆円増加しているといっても、
それは「輸入化石燃料」の一部であり、
全体の額で見れば、原発が動いていた
2008年より少ないのです。

極端な話、市場の動向によって
1年で10兆円以上
乱高下することだってあるわけですから、
3.6兆円増加といっても
「誤差」の範囲内だとさえ言えるのです。

これだけ複雑な話を、
全て原発の停止が問題である
かのように単純化させ、
これによってあたかも
日本が破産するかのように
わめきたてるのが、産経新聞です。

産業も経済もわかっていない新聞です。

ただひたすら、詐欺言説を
ふりまいているのです。

[この項、つづく!]

https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=jo4cfon0b-736#_736
「原発停止で国富が逃げる」の詐欺論説!(その2)
「全聾の作曲家」を装った男の詐欺は
まだ興味本位で見ていられますが、
「原発は必要」と装う連中の詐欺は、
徹底的に叩き潰さなければなりません!

「原発を動かさないと電力不足になる」
という嘘が通じなくなってから、
「原発詐欺師」連中が揃って
乗り換えて言い始めたのが、
「原発の停止で、日本は化石燃料を
3.6兆円も余分に買っている。
国富が海外に逃げる」
という脅しです。

年間3.6兆円の貿易赤字増で、
日本は潰れるのでしょうか?

日本の食料輸入額は
平成24年(2012)で5兆円、
輸出が4100億円ですから、
4.6兆円もの貿易赤字です。

これは2012年の数字ですから、
アベノミクスのおかげで円安になった
今ではもっと大変なことになっているはずです。

毎年毎年、4兆、5兆の
国富が流出し続けているんですよ!!

1日当たり126億円の国富が流出していると、
産経新聞はなぜ騒がないのでしょうか?

食料自給は安全保障の面でも
大切なはずじゃないですか?

それをほっといて、なぜ産経は
「原発停止で3.6兆円流出」
の方しか書かないのでしょうか?

本当は、「国富の流出」なんて
どーでもいいのです。

原発を動かすためなら、
どんな理由だって捏造する、
ただそれだけのことです。
本当の理由が言えないから。

本当の理由、それは
「利権を守るため」
これだけなのですから!!





上記で示した事情については政府も分かっている筈なのにもかかわらず…原子力に
あそこまで安倍内閣が固執する理由はやはり
核開発の潜在能力を温存(あるいは核兵器の密造)しておきたいという事に
安倍内閣の主眼がある、と見るのが妥当と思われます。

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