2ちゃんねるとネット右翼(ネトウヨ)ウォッチング&その分析

「ネット右翼(ネトウヨ)≒ニートやフリータ等の恵まれない人達(底辺層)」説の証左収集&ネトウヨ観察を主目的とするブログ

原発の冷却について(追記×3)

2011-03-14 15:49:03 | 物理学・数値解析・プログラミング

三陸沖で大変な地震が起きて犠牲者・被害者が多数出てきています。
(ngc2497も己に出来る事をして後は祈るだけです)

特に原発についてかまびすしくなっております。

2ちゃんまとめブログ記事を紹介しますと以下の様な感じです。
http://blog.livedoor.jp/booq/archives/1405551.html
>【福島第一原発1号機】海水注入開始 圧力容器冷却へ
http://2r.ldblog.jp/archives/4205365.html
>福島第1原発で事故が多発
http://news.2chblog.jp/archives/51577286.html
>原発1号機3号機、依然として十分な水位が確保できず
http://news.2chblog.jp/archives/51577296.html
>第1の2号機も水位低、第2の1号機、2号機、4号機でも異常確認、計6基が冷却不十分
http://news.2chblog.jp/archives/51577406.html
>【速報】3号機爆発 屋内退避しろ

普通は大地震が起きると自動制御装置が働いて原発の臨界状態は制御棒で停止します。
で…既に全制御棒挿入で炉心の核分裂(臨界状態)は停止している筈なのに
なぜ今も炉心の冷却に懸命になっているかというと核分裂生成物で寿命の短い核種による崩壊熱があるからです。
(U235やPu239などが核分裂して寿命の短い核種が生成され、それら核種がα・β崩壊する際に熱が出ます)

下の図を見て下さい(図は対数グラフで書かれている点に注意)。

(京大原子力研究所 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kid/safety/decayhea.htm
から図を引用しました。上のサイトは音が鳴るので注意です)

この図によれば大体定格出力の0.1%になるのに100~200日程度かかります。
(普段は定格出力エネルギー(熱エネルギー)は外に運ばれタービンを回して電気エネルギーとなって
外に流れていく、あるいは廃棄熱は海水で冷却されて海水へと熱が運ばれます。
その発電システムや冷却システムが壊れているのですね)

ただ…今現在の福島原発の津波の際の危険性については既に4年前に共産党福島県議団によって指摘されていました。
http://www.jcp-fukushima-pref.jp/seisaku/2007/20070724_02.html
>福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ
(中略)
福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水が出来なくなることが、すでに明らかに
なっている。これは原子炉が停止されても炉心に蓄積された核分裂生成物質による崩壊熱を除去する
必要があり、この機器冷却系が働かなければ、最悪の場合、冷却材喪失による苛酷事故に至る危険が
ある。そのため私たちは、その対策を講じるように求めてきたが、東電はこれを拒否してきた。
>柏崎刈羽原発での深刻な事態から真摯に教訓を引き出し、津波による引き潮時の冷却水取水問題に
>抜本的対策をとるよう強く求める。
今起きてることそのままでした…悪い予想が当たってしまいました。
日本共産党の慧眼だったという事です。彼らはよく勉強していると思います。

よく原発の安全性について「停止」「冷却」「閉じ込め」が言われていますが
今回は停止は出来たものの冷却に手間取っているために閉じ込めにも不安が出ているという事です。
以下の様に「5重の閉じ込め」というのがよく言われます

崩壊熱による炉心溶融によって第1(ペレット)、第2(被覆管)は突破されてしまいました。
そして水素爆発によって第5(建屋)がなくなりました。今は第3、第4で持ちこたえている状態です。

京大原研の理論値グラフを見ると定格出力の0.1%になるには100~200日程度かかるようですから
このままの状態だと6月~9月くらいまでが山場という事ですかね。
それまでの間にうまく冷却システムが調達出来れば良いのですが。
やはり廃炉は東電としても避けたいでしょう。
一号炉と三号炉は海水注入により廃炉は免れないっぽいですが。。

一つの救いは日本の原発はチェルノブイリの黒鉛炉と異なり近代的タイプですから
チェルノブイリの様な事は避けられそうだという事です。
(チェルノブイリ事故は核臨界反応が止まらなくて4号炉が爆発しました。今回のは
少なくとも臨界状態は停止しています。後は崩壊熱との戦いです)


東京電力の最善の奮闘に期待&祈ります。

<追記14日夜>
ちなみにどれくらいの放射線を浴びればやばいのかという数値的な情報をおいておきます。
下の2枚のグラフを御覧下さい。


今の所、問題になっている線量が大体0コンマミリシーベルト以下の単位なので
(基準値上は問題がありますが)以下の「人体実験」の結果からはまだ
大丈夫な様です。
JCO臨界事故による「人体実験」被曝量とその「実験結果」は以下の様になります。
http://www.nuketext.org/jco.html
>1.労働者などの被ばく
>* 直接作業をしていた3人ー大内久さん、推定16~20シーベルト以上の被ばく、1999年12月21日なくなられました。
>* 篠原理人さん、推定6~10シーベルの被ばく、2000年4月27日に亡くなられました。
>* 横川豊さん、推定1~4.5シーベルトの被ばく、一時白血球がゼロになり危険でしたが、
>その後退院されました。シーベルトは被ばく線量の単位、致死量は6~7 シーベルトといわれます。)
>大内さん、篠原さんの死因は放射線被ばくによる多臓器の機能不全です。以上の3人の方は、
>1999年10月6日、急性放射線症で労災に認定されました。(大内さんの容態については、
>NHK取材班「被ばく治療83日間の記録」を参照してください。)
>* 救急隊員3人 事故の内容を知らされずに出動し、13 ミリシーベルト被ばくしました。
>* 臨界終息のための作業をした人たちや東海事業所の従業員・政府関係機関の職員など最大で
120ミリシーベルトに達してします。
その他に50ミリシーベルトを超えてしまった人は6人もいます。(放射線を扱う作業に従事する人は年間50ミリシーベルトを限度にしています。この数字は胸につけた線量計によるものです。)
上の大内さん、篠原さん、横川さん、臨界収束の作業員達の浴びた線量を書き足すと以下のグラフになります。


(ngc2497も朽ちていった命を読みました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4101295514
ある意味必読書と思います。グーグルビデオに、そのNHK特集がアップされていました。
http://video.google.com/videoplay?docid=-5595133879901588725#
>83日間 被爆治療の記録 東海村臨界事故
順序としてはNHK特集が放送されて、次に書籍化という流れです。
両方とも目を通しましたが書籍の方が情報としては遙かにすぐれています。
現場の雰囲気が分かるのはTVの方ですが)

上の横川豊氏のインタビュー記事は以下です。
http://www.asyura2.com/0505/genpatu3/msg/276.html


放射線・放射能に対してきちんと知識を持ちきちんと対処する事が重要です。どうもネット上を見ると物理学に明るくない知識が横行しています。
(横川氏の事例だと1シーベルト以上浴びても一応は生存可能な様ですがそれでも一時は白血球が0に
なりました……それに横川氏は被曝時は既に壮年でしたが若年層の人間が浴びると放射線感受性が
高いので…やはり浴びない事にこした事はありません)

<追記15日>
こちらに東大理学研究科教授のツイッターがまとめられておりましたので追記します。
http://arukugamu.blog70.fc2.com/blog-entry-3012.html
>原発の説明が?な人へ 東大理学系研究科早野教授のFAQ Twitter回答が秀逸

<追記19日>
改めて上のNHKスペシャル「83日間 被爆治療の記録 東海村臨界事故」のgoogleビデオを
見ようとしたら消えてますね。。(←著作権法上はNHKの行為は合法でこっちが違法ですが…NHKのケチンボ…)
ただ少し探したら同じ番組が異なるタイトルでアップされていましたので追記します。
http://video.google.com/videoplay?docid=-1895503289698425779#
>JCO核臨界事故


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