たらじろうさんの「走れ在宅屋!(訪問リハビリ)」というブログの「在宅介護にターンテーブル」という記事で移乗介助回転盤が紹介されていました。
みなさんはこの移乗介助回転盤といわれる福祉用具をご存知でしょうか。
二枚の円盤を中心部であわせてくるくると回るようにしたものです。テレビの回転台のようなものです。
これを座っている時のお尻の下や立っているときの足の下に置いて、身体の向きを変えるのに使うのです。
私はお尻の下に置いて使うやり方はまだしたことがありませんが、足の下に置いて使うやり方は何人かの方と練習してきました。
立ち上がっての乗り移りの場合
つかまればなんとか立っていられるが足を一歩出したり向きをかえることは難しい人で
あえて立ち上がってから乗り移る方法を選んだ方が良い人
に使ってもらっていました。
気をつけていたことは全てを手伝ってしまわないこと
よくこれを使って立って乗り移りをする方法を、介助者が足の下に差し込み、介助者につかまらせて立たせて、その位置を保ったまま回して、座らせる、と全てしてしまって「あ~ら、便利!」みたいな紹介がされているのを見ますが、これでは相手の方は何もできません。足下が不安定な盤の上に不意に乗せられてぐりっとまわされてどすん! これは怖いです。力んでしまいます。自分では何もできません。
こんなやり方はしないでくださいね
実際はこんな感じです。
足下にある黒い小さな円盤がそれです(これは代用品なのでちょっと小さすぎますが)立ち上がった後の方向転換を助けてくれています。
この方はこの頃は立ち上がりも立っていることも手伝ってもらってなんとかできるかどうかという状態でした。でもそれは手伝ってもらえば自分でもできたということです。ですから、それらを少しでも安心して力を発揮してできるよう手すりを効果的な位置に置いています。
介助者は立ち上がるまで回転盤が動かないように必死でおさえます。ぐらぐらの面の上では誰も上手に立ち上がることはできません。余計に力が要ります(これがこの回転盤を使うときの問題点)
そして、息をあわせるようにして立ち上がり立ってバランスがとれたところで…
一息をつきます(これ大事!)
楽しそうにお話しをしている感じにみえますか? さぁこれから回りますよ~ なんてお話しをしていたと思います。
それと、この時は車いすのレッグサポート(足台のついているパイプを含めた部分)がとりはずせないタイプでした。立ち上がりを助けるために介助者は車いすの前に自分の足を入れて相手に接近しています。立った時にはとても窮屈な状態になっていてこれでは身動きがとれません。
しかし、ここで相手に落ち着いてバランスをとって立っていてもらうことができれば、介助者も落ち着いてその足を車いすの外に出すことができます(次の場面では外に出ているでしょう)必要であれば次の介助がしやすい位置やスタンスにかえておきます。
さて、ここからゆっくり身体の向きをかえていくのですが、これも回すことを急ぐのでなく、盤の上に安心して立っていられるように介助者は配慮しながら(時には動きをとめて安心させて)ゆっくり向きを変えて行きます。相手が慣れて来たようなら手すりに力をいれて腰をひねるようにしてもらうなどご自身でも回ろうとしてもらうと良いと思います。
座る位置まで向きを変えたら、また介助者はしっかりと盤をおさえて固定して、相手に座ってもらいます。必要ならゆっくり落ち着いて座れるよう介助をします。
この時は、ベッド横においた手すりはあえて前に突き出た部分を使わずに練習していますね。変でしょう? これは病棟ではベッド柵しか使えない…ということを意識したためです。本当は前に突き出た部分の身体から少し離れた部分を握った方がスムーズに立ち上がれるのですが、実際に生活する場面ではそれはない… なので、助手さんを呼んできてみてもらい道具の不備を人の力でカバーする作戦に出たものです。立ち上がる前の手すりの握り方も立ち上がった後に持ち替えなくてもよいような向きで握っています。立ち上がった後では握りを持ち替える余裕がなかったのでこうなりました(持ち替えができる人は手の甲が上になるように持った方がいいでしょう)
在宅復帰される方でベッドにとりつける手すりを選べる方は、前にのびた部分をつかって行うともっと自分の力が発揮できると思います。この辺りはケースバイケースです。
この乗り移りの動作の時にはもう一つポイントがあります。ベッドの昇降機能を上手に使うのです座面を少しあげておくと慌ててどすんと座らずにすみますね。一連の動作はご本人にとってはどきどきの動作かもしれません。すぐに座って安心したいと思っているかも。乗り移り先の座面を持ち上げておくというのはちょっとしたポイントになります(あわせて手すりの位置もあがるのが良かったりもする)また、立ち上がりも容易になります。ちょっと手数を増やしてより相手の力を引き出せるようにしてください。
こんな感じです。
最後に一言 気をつけておきたいこと
これだけ紹介してきましたが、誰にとってもこの道具とこの方法が良いわけではないんです。
おいおいおい…
回転盤を使うと足をそろえたまま軸回転するというきわめて不自然な動きを強要されることになります。相手は力み身を固くしてしまうことがあるでしょう。これでは自分で動く余裕や力なんて出てきません。そんな状態が続いてしまう時はやめた方がいいように思います。乗り移りの方法は座ったまま行ったりするなど他にも選択肢はあります。そういうことにも注意しながら選ぶ必要があると思います。
この方は動きに慣れることができたためこの方法で練習を続けました。トランスファーボードを使って座ったまま乗り移る方法を選ばずこの方法にしたのは、立っている力、バランスをとっている力をこういう機会を残すことで鍛えたい(維持したい)との希望があったからでした。今では、立ち上がりと方向転換を少し手伝ってもらえばあとは自分の力でできるようになっています。
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みなさんはこの移乗介助回転盤といわれる福祉用具をご存知でしょうか。

二枚の円盤を中心部であわせてくるくると回るようにしたものです。テレビの回転台のようなものです。
これを座っている時のお尻の下や立っているときの足の下に置いて、身体の向きを変えるのに使うのです。
私はお尻の下に置いて使うやり方はまだしたことがありませんが、足の下に置いて使うやり方は何人かの方と練習してきました。
立ち上がっての乗り移りの場合
つかまればなんとか立っていられるが足を一歩出したり向きをかえることは難しい人で
あえて立ち上がってから乗り移る方法を選んだ方が良い人
に使ってもらっていました。
気をつけていたことは全てを手伝ってしまわないこと
よくこれを使って立って乗り移りをする方法を、介助者が足の下に差し込み、介助者につかまらせて立たせて、その位置を保ったまま回して、座らせる、と全てしてしまって「あ~ら、便利!」みたいな紹介がされているのを見ますが、これでは相手の方は何もできません。足下が不安定な盤の上に不意に乗せられてぐりっとまわされてどすん! これは怖いです。力んでしまいます。自分では何もできません。

こんなやり方はしないでくださいね

実際はこんな感じです。

足下にある黒い小さな円盤がそれです(これは代用品なのでちょっと小さすぎますが)立ち上がった後の方向転換を助けてくれています。
この方はこの頃は立ち上がりも立っていることも手伝ってもらってなんとかできるかどうかという状態でした。でもそれは手伝ってもらえば自分でもできたということです。ですから、それらを少しでも安心して力を発揮してできるよう手すりを効果的な位置に置いています。
介助者は立ち上がるまで回転盤が動かないように必死でおさえます。ぐらぐらの面の上では誰も上手に立ち上がることはできません。余計に力が要ります(これがこの回転盤を使うときの問題点)
そして、息をあわせるようにして立ち上がり立ってバランスがとれたところで…
一息をつきます(これ大事!)
楽しそうにお話しをしている感じにみえますか? さぁこれから回りますよ~ なんてお話しをしていたと思います。
それと、この時は車いすのレッグサポート(足台のついているパイプを含めた部分)がとりはずせないタイプでした。立ち上がりを助けるために介助者は車いすの前に自分の足を入れて相手に接近しています。立った時にはとても窮屈な状態になっていてこれでは身動きがとれません。

さて、ここからゆっくり身体の向きをかえていくのですが、これも回すことを急ぐのでなく、盤の上に安心して立っていられるように介助者は配慮しながら(時には動きをとめて安心させて)ゆっくり向きを変えて行きます。相手が慣れて来たようなら手すりに力をいれて腰をひねるようにしてもらうなどご自身でも回ろうとしてもらうと良いと思います。
座る位置まで向きを変えたら、また介助者はしっかりと盤をおさえて固定して、相手に座ってもらいます。必要ならゆっくり落ち着いて座れるよう介助をします。
この時は、ベッド横においた手すりはあえて前に突き出た部分を使わずに練習していますね。変でしょう? これは病棟ではベッド柵しか使えない…ということを意識したためです。本当は前に突き出た部分の身体から少し離れた部分を握った方がスムーズに立ち上がれるのですが、実際に生活する場面ではそれはない… なので、助手さんを呼んできてみてもらい道具の不備を人の力でカバーする作戦に出たものです。立ち上がる前の手すりの握り方も立ち上がった後に持ち替えなくてもよいような向きで握っています。立ち上がった後では握りを持ち替える余裕がなかったのでこうなりました(持ち替えができる人は手の甲が上になるように持った方がいいでしょう)
在宅復帰される方でベッドにとりつける手すりを選べる方は、前にのびた部分をつかって行うともっと自分の力が発揮できると思います。この辺りはケースバイケースです。
この乗り移りの動作の時にはもう一つポイントがあります。ベッドの昇降機能を上手に使うのです座面を少しあげておくと慌ててどすんと座らずにすみますね。一連の動作はご本人にとってはどきどきの動作かもしれません。すぐに座って安心したいと思っているかも。乗り移り先の座面を持ち上げておくというのはちょっとしたポイントになります(あわせて手すりの位置もあがるのが良かったりもする)また、立ち上がりも容易になります。ちょっと手数を増やしてより相手の力を引き出せるようにしてください。
こんな感じです。
最後に一言 気をつけておきたいこと
これだけ紹介してきましたが、誰にとってもこの道具とこの方法が良いわけではないんです。



回転盤を使うと足をそろえたまま軸回転するというきわめて不自然な動きを強要されることになります。相手は力み身を固くしてしまうことがあるでしょう。これでは自分で動く余裕や力なんて出てきません。そんな状態が続いてしまう時はやめた方がいいように思います。乗り移りの方法は座ったまま行ったりするなど他にも選択肢はあります。そういうことにも注意しながら選ぶ必要があると思います。
この方は動きに慣れることができたためこの方法で練習を続けました。トランスファーボードを使って座ったまま乗り移る方法を選ばずこの方法にしたのは、立っている力、バランスをとっている力をこういう機会を残すことで鍛えたい(維持したい)との希望があったからでした。今では、立ち上がりと方向転換を少し手伝ってもらえばあとは自分の力でできるようになっています。

ターンテーブルの使い方が詳しく記載されてまして、
σ(^^)の記事がお粗末に・・・σ(^_^;)アセアセ...
自立・・・永遠のテーマですね!!
どこからどこまでが自立なのか?解釈が難しいですが、
対象者が喜んでもらる仕事をお互いにしたいですね!
これからもどうぞよろしくお願いします!!
すべてをお一人ですることは難しい人でも、もっとできることはあるんじゃないかなぁ…といつも思いながら介助の場面を見守っています。
自分でできないなら介助者が!ではなくて、じゃあ一緒にという介助が本当の意味でもっともっと増えていけるようできる限りのことがしたいです。
訪問リハの場面ではいろいろ感じられることはあるのではないですか?