新聞記者の雑記帳
新聞記者嵐山太郎がお贈りするプログです。社会、政治からマスコミまで取り上げます。
 



重大犯罪について、実行しなくても謀議に加わるだけで処罰対象とする「共謀罪」。政府・与党は、この共謀罪の新設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の今国会での成立を見送る方針を固めました。ただ、共謀罪新設をあきらめたわけではありません。単に、郵政民営化論議に絡んで審議時間が足りなくなっただけ。秋にも想定される臨時国会での成立を目指す方針です。
罪を犯さなくても、2人以上の人が「犯罪(と権力が判断した行為)」を実行しようと話し合っただけで処罰されるという共謀罪の成立を許せば、その先にあるのは、戦前、戦中の暗黒時代と変わらない自由なき世界です。

>今国会での共謀罪新設が見送りになって、ほっとしているんだけれど、それにしても「共謀罪」に対するメディアの感度が悪すぎるね。
>28日にルポライターの鎌田慧やジャーナリストの魚住昭らが「共謀罪」に反対する声明を出しただろう。データベースを調べてみたら、うちの新聞はなんとなんと、この話が今年初めての「共謀罪」関連記事だったよ。しかもベタ。
>そりゃまたすごい鈍い新聞だね。
>共同通信からの配信は何本かあったんだけどね、これがことごとくボツ。悲しくなるよ。
>まあ、どこの新聞も似たりよったりだよ。
>それにしても、この共謀罪、知れば知るほど危ない臭いがプンプンしてくるね。
>話し合っただけで逮捕されちゃうんだからね。人と人が相談する、つまり犯罪をしようと会話しただけで捕まっちゃう。
>近代的な刑法の原則は、法律が保護しようとする利益が侵害されたという結果が発生してはじめて処罰することができる。ところが、この共謀罪は話し合っただけでOUT。よくよく考えてみると、話し合っただけなんだから、だれも被害にあっていない、どこを探しても被害者が一人もいないのに犯罪は成り立ってしまう。
>今や、労働組合が、団体交渉をしようと社長と会って交渉し、何時間も交渉が続いて、組合員が社長を取り囲んで会議室から外に出られなくしたということも逮捕監禁に当たるとされている時代だ。これに共謀罪が加われば、組合が「社長が要求を呑むまで徹底交渉しよう」と取り決めれば、それだけで逮捕されかねない。
>そうか。団交も危ないんだよな。うちの労組は春闘や夏闘、秋闘と、闘争期間中は本社の一階玄関前で集会を開いている。最近、会社側は「みっともないから、玄関前集会はやめろ」と言ってきているんだ。これも従わずに集会を開いたら…。
>威力業務妨害。だから玄関前集会を開こうと話し合ったら、共謀罪で逮捕だね。
>ここで僕らが「共謀罪を何としてでも阻止しよう」なんて話しても…。
>共謀罪で逮捕だね。だって「何としてでも」は解釈の仕方次第では「国会を占拠してでも」っていうふうにだって捉えられるもんね。
>長崎県の諫早湾で漁師さんたちが干拓に反対して座り込みを計画したら…。
>もちろん共謀罪。
>飲み屋で「今後、あの馬鹿部長をぶん殴ってやろう」なんて話したりしても…。
>法務省は、そういう場合は、まだ具体的な謀議ではないから共謀罪に当たらないって言ってるけどね。
>でも具体的かどうかなんての程度の問題でしかないから、これまた解釈次第でどうにでもなる。「今度、ぶん殴ってやろう」「明日、ぶん殴ってやろう」「明日、みんなで取り囲んでたこ殴りにしてやろう」「明日の午後3時に、山田と木村と竹内で部長を会議室に引きずりこんでたこ殴りにしてやろう」…。さて、どこからが共謀罪に引っかかるんでしょうか?
>共謀罪が対象にしているのは、4年以上の懲役・禁固に当たる罪。テロとか暴力団がらみだけなんて思っていたらとんでもない。公選法や職業安定法違反も含めて600以上もある。
>内乱、内乱幇助、外患援助、騒乱、放火、現住建造物等浸害、非現住建造物等浸害、有印公文書偽造、強制わいせつ、強姦、特別公務員職権濫用、収賄、殺人、危険運転致傷、保護責任者遺棄、窃盗、強盗、詐欺、恐喝、横領、建造物等損壊、偽造・変造、覚せい剤、公職選挙法違反、児童買春周旋、酒類等の無免許製造、爆発物使用…きりがない。刑法だけじゃなくて、電気事業法や公選法、水道法や職業安定法まで、これだけ網羅していれば、どんなことでも犯罪にできちゃうんじゃないか。
>日本の刑法の特徴は、例えば殺人についても謀殺と故殺を分けていないし、窃盗も単純窃盗と侵入窃盗といった類型化がされていない。それに法定刑の幅がすごく広い。だから、4年以上の懲役・禁固が科される罪というだけじゃあ、重大犯罪に限定されるわけじゃない。
>しかも、組織犯罪対策が主眼のはずなのに法務省が述べているように、共謀罪の認定の際には、すでに団体を構成しているかどうかも関係ない。「既存の団体がある場合に限ると申し上げたつもりはございません」として、「仮にこれから団体を作る場合であっても、要するに団体が確実にすぐできて、すぐ犯罪実行に行くことが明白なような、要するに危険性が非常に高いケースであれば、それ(共謀罪)は否定されるべきではないだろう」なんて言っている。
>何が犯罪かという点も、実のところすごくあいまいだしね。
>そうそう。オウム事件の時、オウム信者はカッターナイフを持っていただけで銃刀法違反になった。自衛隊のイラク派兵反対ビラを自衛隊官舎のポストに入れただけで、住居侵入にされちゃったケースもある。公衆便所の壁に反戦落書きをしたということで「建造物損壊」にされてしまう。結局、警察の考え方一つで犯罪になってしまう。特に反戦とか平和というのは、明らかにターゲットにされている。
これまでも「共謀共同正犯」(※共同実行の話し合いにのみ参加し、共同実行には参加しなかった者も「共同した犯罪を実行した」といえるのかについて議論がある。最高裁判所はこれを肯定している)が認められてきた。「共謀共同正犯」の判例だと、共謀については実のところ明示の意思連絡でなくてもいい。言葉として意思が表明される必要もなくて、いわゆる「あうん」の呼吸でいい。そうすると、そういう判例が今回の共謀罪に適用される可能性は十分あるわけで、共謀罪が成立するためには「目と目で通じ合う」っていうことでもOKになる。話し合うことも不要になる。
>でもさあ、よくよく考えてみると、この共謀罪というやつは、どうやって証明するんだろうなあ。仮に僕がテロリストで、仲間と首相官邸を爆破してやろうと計画したとしても、わざわざ警察の前で聞こえるようにそんなことを話し合うアホなテロリストはいない。銀行強盗だって、人前でそんな話をしないでしょう。
>そう。だから、スパイを送り込むか、盗聴するか、密告させるか、あるいは怪しいと思ったらどんどん引っ張って自白させるしかない。
>自白ということになると、気に入らないやつは微罪で捕まえておいて、「お前は仲間とテロを計画しただろう」てな具合に自白を強要されちゃったりしてね。
>本当にテロや銀行強盗を計画したとしても、初期のころの話し合いなら、計画のメモすらない可能性が高い。物証なんてあるわけがない。すると「あるわけがない」ということが前提になってしまって、自白さえあればいい、物証なんてなくてもいいんだ、となる可能性も高い。それこそ自白を強要して、どんどんブタ箱に送り込むこともできる。本当にとんでもないよ、共謀罪というのは。
>自分が「自白」させれられるだけじゃない。この法案では、実行前の自首については減刑される。だから、「だれそれと、首相鑑定を爆破する計画を話し合いました」なんて感じで、「共犯者」の自白で有罪認定されてしまいかねない。
>どうも最近、Bというブン屋は政府に対して批判的な記事ばかり書いているな。気に食わん。そうだ、この間、共謀罪でぱくったやつがいるだろう。あいつに「Bと謀議した」と自白させろ。どうせ、ブン屋なんて連中は、日中のアリバイなんてないんだ。日時も場所もでっちあげで十分だ。なんてことになったりしてね。実際、「共犯者の自白」というやつは、いまでも冤罪の温床だからね。
>戦時中最大の言論弾圧事件の横浜事件のことを考えると、そういうことが現実になっても少しも不思議じゃない。共産主義を宣伝したとされて、神奈川県特高が治安維持法を適用して、評論家や出版社社員ら約60人を逮捕した。でっち上げの冤罪だものね。今の世の中を見ていると、あのころとたいして変わらない。「あなたも私も気がつけば犯罪者」だね。
>最初の話に戻るけど、このメディアの感度の悪さはいったいなんなんだろうなあ。わが社もそうだけど…。
>今年は敗戦から60年。節目の年ということで、各新聞社とも例年以上に戦争特集や連載に力を入れている。被爆者や空襲の犠牲者の証言掘り起こしに躍起だ。もちろん、そういう戦争体験の掘り起こしは重要なんだけど、何かが足りない。
>「反核だ、反戦だ」とは言うけれど、例えば、安倍晋三のようなタカ派政治家が「大陸間弾道弾の保持についても憲法上問題ない」なんて発言しても、お情け程度に取り上げるだけで、あとは知らんぷり。日本がアメリカの核の傘にいる矛盾についても真剣に取り上げようとはしない。
>戦争も平和も核保有も結局は政治。それなのに、その政治がタカ派路線をひた走って戦前、戦中回帰していることにはまったく無頓着。「郵政民営化問題で衆院解散だ」なんて騒ぐことよりも、今回の共謀罪とか、盗聴法だとか、そういう治安維持法も真っ青な悪法を丁寧に検証していかなくちゃならない。でないと、せっかく未来に継承しようと掘り起こした戦争体験もただの昔話になってしまう。
>「やっぱり戦争はいけないと思いました」「核兵器はなくさないといけないと思います」ってな具合で終わりだ。でも、今を見詰めようとしないから、戦争体験を聞いても血となり、肉となることがない。「戦争はいけない」「核兵器はいけない」と言った同じ人が、選挙では、戦前回帰を目指しているとしか思えないタカ派政治家に投票する。
>以前、その手の話をデスクとしたことがあるんだけどね、ぜんぜん相手にしてもらえなかったよ。
>そうだろうね。結局、戦争体験を掘り起こして「戦争は悲惨だ、戦争はいけない」と言っているだけなら、どこからも文句がこない。だって戦争は、読者にとっても新聞社にとっても過去の話だからね。でも、「安倍晋三はけしからん」なんてやった日には、何といっても今や人気NO1の政治家だけに、あちこちから苦情が来ちゃうからね。本当に情けない。
>こんなことを言うと酷かもしれないけど、例えば広島や長崎の原爆とか空襲で、肉親を亡くしたり、苦しみを負った人たちの中にも、戦中に反戦を訴えた人たちに対して「お前は非国民だ」なんて言った人たちが絶対にいる。「竹槍で飛行機を打ち落とせ」なんて馬鹿なことを叫んでいた人たちがいる。特高警察に協力して、密告をしていたような人たちだっているだろう。戦争をあおった新聞社もそうだ。そういうことを無視して、被害ばかりを訴えてきたのがこれまでの戦争報道。今こそ、当時の社会の負の側面も見詰めなくちゃならないと思うよね。そして、その当時の社会状況、政治状況が、どれだけ現在と共通項が多いかをね。



天下の悪法「共謀罪に関するHPを集めてみました。

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会

自由法曹団

破防法・組対法に反対する共同行動ONLIN

日本弁護士連合会

情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)

天木直人のホームページ

日本ジャーナリスト会議

憲法メディアフォーラム

憲法と人権の砦 憲法と人権の日弁連をめざす会





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摩訶不思議です。これほど「愛国心」を叫ぶ政治家たちが、なぜアメリカにもっと声を大にして抗議しないのでしょうか。
7月3日、沖縄駐留の米兵が、小学校5年の女児に強制わいせつ行為を働くという事件が起きました。そして今日は20日。ほぼ半月の間、政府がどんな対応をするのか注視していたのですが、このことで行動した様子がさっぱり見られません。せいぜいが「遺憾だ」の一言です。
日ごろ「愛国心、愛国心」と叫んでいる政治家たちは、こんな時こそアメリカに徹底抗議すべき時ではないでしょうか。なんといっても自国の小さな女の子の心が傷つけられたのです。安部晋三さん、中山文部科学相、町村外相、どうでしょうか?それとも小さな女の子の心の傷などまったく眼中にないのでしょうか?
いったい何度同じことが繰り返されるのでしょうか。地元では、抗議の声が広がっているというのに、その思いは日本政府にはさっぱり伝わっていないようです。町村外相にいたっては、13日の衆院外務委で、21年前に米兵から性暴力を受けた女性が稲嶺恵一知事にあてた手紙について「米軍と自衛隊があるからこそ日本の平和と安全が保たれている側面が、すっぽり抜け落ちている。バランスが取れた考えとは思えない」と指摘し、女性の訴えを批判する始末です。
6月3日未明に長崎県佐世保市で起きた米兵による追突事故でも、見事なほどにアメリカの属国ぶりを見せつけられました。この事故では、現場を管轄する相浦署が、事故を起こした上等兵曹を現行犯逮捕しました。ところが現場に駆けつけた米海軍の憲兵隊が「けがの治療のため」と言って、この米兵を基地内に連れ帰ってしまいました。その後、同署は米軍基地に身柄を引き渡すよう要求しましたが、協議の結果、扱いを共同逮捕に訂正しました。
さて、皆さん。この国に主権はあるんでしょうか?中国や韓国の靖国参拝批判には「内政干渉」とおっしゃる政治家の皆さん、米軍のとった行動は、明らかな主権侵害ではないでしょうか?
こういう時に抗議の声の一つも上げられない政治家たちの言う愛国心って、いったい何なんでしょうか?


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郵政法案の行方次第で、小泉純一郎首相は解散総選挙に打って出るようです。新聞各社でも選挙準備が始まりました。
解散総選挙の可能性が出てきたね。
うちの会社では、総選挙になった時の紙面立ての検討も始まったよ。
うちは、記事出稿システムから組版システム(整理記者が使うレイアウト用システム)まで新システムに切り替えてから初めての総選挙になる。その運用試験もしなくちゃならない。
忙しくなるねえ。
本当に。
しかし、選挙も自民党が大敗北したりしたら、面白いんだけどね。議員は世襲議員と元官僚ばかり。公明党は年々、力を増しているしね。
本当にそう。自民党だけじゃなく、民主党議員もね。前回の選挙で出てきた民主党議員なんかは、本当は自民党から出たかった人が多いんだろうね。ところが自民党は世襲議員ばかりで、自分たちの出る幕がない。それで民主党から。民主党は所詮は、寄り合い所帯。理念も政策も自民党とたいして変わらないところがあるしね。
でも、いいかげんに権力の世襲を何とかしたいね。今の日本の政治はほとんど貴族制と変わらない。苦労しらずの二世、三世議員にはタカ派が多いよね。
そうそう、小泉純一郎は三代続く政治一家で父親は元防衛庁長官。町村信孝外相の父親は戦後、長く北海道知事を務めたり、田中角栄内閣の自治相だった町村金五。
町村金五といえば、元内務省高官だよね。
そう。内務省警保局長を務めていた。戦時中に徹底的な思想弾圧をした泣く子も黙る特高警察(特別高等警察)を直接指揮した親玉だ。金五が警保局長だった時には、「横浜事件」があったし、「改造」「中央公論」が廃刊に追い込まれた。そういう特高官僚が戦後、いけしゃあしゃあと政治家になっているけど、金五もその一人だ。
(編集注意=横浜事件…第2次世界大戦末期、共産主義を宣伝したなどとして、神奈川県警特高が治安維持法を適用し、評論家や出版社社員ら約60人を逮捕したでっち上げ事件の総称で、戦前最大の言論弾圧事件)
「竹槍で飛行機を落とせ」なんていう、馬鹿な精神論を蔓延させた元凶の一人だよね。いさぎよく政治の世界から足を洗うべきなのにね。ただ、その息子の信孝には罪はないんじゃないの。父親の罪を子が背負うというんじゃ、封建時代と変わらない。
そりゃあ、そうだろう。ただ、信孝の言動は、父親の影響をかなり受けているとしか思えない。つまり、戦前、戦中のメンタリティーそのままじゃないか。
そうそう、沖縄で昨年8月にあった米軍ヘリ墜落事故で、現場を視察した後に信孝は記者団に「被害が重大にならなかったのは、ヘリの操縦士の操縦技術が上手だったのかもしれない」と話した。そういう問題じゃないだろう。しかも、その後に続いた言葉が「事故のせいで学生が授業をさぼると困る」だ。結局、この人にとって、庶民は統治の対象でしかないんだろうな。
唐沢俊二郎の父・唐沢俊樹も元内務省警保局長。この人の時には、労農救援会、エスペランチスト同盟、プロレタリア科学同盟を弾圧したりした。
特高関係者で言うと奥野信亮の父親である奥野誠亮は鹿児島県特高課長だった人物だ。この奥野信亮は自民党の憲法調査会で「国を愛するとか、国の帰属意識というのが全くない若者が育ったなと、こういうふうに思う。その原点は何だろうといったときに、憲法9条で、戦争は放棄するんだ、とにかく平和を追求するんだと、平和ボケにするような主張ばかりが書いてあって、国が攻められたら守るんだぞということをはっきり言わないと、日本の国の一員なんだとか、その日本を愛するんだということにつながってこないのではないか」と話している。憲法9条が、どうして愛国心のない若者が育つ原因になるのか、さっぱりわからない。
古屋圭司の父・古屋亨も岩手県特高課長。圭司は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長だ。
元防衛庁長官で、軍事おたくの石破茂も二世議員だよね。彼の持論は「徴兵制は憲法違反ではない」。
好きな言葉は「至誠の人、真の勇者」だって。こういう連中は戦争になっても、自分は決して戦場に行かずに、安全な場所から「愛国心」を説く。「徴兵制」とか「真の勇者」なんて言う。弾が決して飛んでこない場所で戦車や戦闘機のプラモデルを眺めて悦に入っていればいいんだから。この人たちにとって庶民の命なんて安いものだ。
戦時中、赤紙で集められた人たちに軍の上官が「お前らは赤紙一枚で集められる。馬よりも安い」って話したという。まさに、その感覚なんだろうね。
世襲タカ派議員といえば、代表格はなんといって安倍晋三だ。元首相岸信介の孫で、父親は安倍晋太郎。国民の人気も高く、次の総理大臣の候補№1。
まあまあ二枚目だしね。アメリカのうけもいい。でもこの人が言っているのは「北朝鮮はけしからん」「中国はけしからん」だけ。国の将来像を示しているわけでもないし、対北朝鮮、対中国以外で何か政策があるわけでもない。
そうなんだよな。「北朝鮮けしからん」「中国けしからん」だけなら、誰でもいえる。どういう外交的な戦略で望み、どう落としていくかがない。気に食わないからやっつけろじゃあ、子どもの喧嘩と変わらない。
例のNHKの番組改編問題で、この人は「偏向しているから公正にやってくれ」と言っただけ、だから圧力じゃないという。「偏向しているから」と政治家が言うこと自体が圧力だろう。だいたい、じゃあ、あんたは偏向していないのって言いたい。どんな政治家だって主義主張があるだろう。主義主張があるってことは偏向しているっていうことだ。その偏向している政治家が、どういう基準で偏向しているのか、していないのかを決めるんだよ。こんなことを繰り返していたら、それこそ北朝鮮のように言論の自由がかけらもない社会になってしまう。
偏向しているかどうかを決めるのは、政治家じゃない。一人ひとりの視聴者が判断すればいい。視聴者が「この番組はおかしい。NHKは間違っている」と思えば、自分の判断でNHKを見なければいい。安倍晋三は「偏向しているから国民に見せるべきじゃない」との考えなんだろうけど、そんなことを何であんたに決められなくちゃならないの。俺たちゃ愚民か。
その安倍晋三なんかと一緒に、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」をつくった中川秀直も二世議員。
次期首相の座を狙っている平沼赳夫も、養父が平沼騏一郎。治安維持法制定を推進した中心人物。国粋主義の権化だ。
僕が恐ろしいなあと思うのは宮城県選出の伊藤信太郎という人。この人は防衛庁長官や衆院議長を務めた伊藤宗一郎の息子。今年3月にあった自民党の憲法調査会の会合で「多くの国民は自由を求めているようでいながら、実は自由から逃れたいと密かに思っている」と。それで新しい憲法について「この国の国民はこういうふうにものを考えれば幸せになれるんですよということをおおまかな国のなかで規定してほしいというのは、潜在的にマジョリティの国民が持っている願望である」ととんでもないことを言った。「俺たちの言うことを聞いていれば、お前らは幸せになれるんだ」ってことでしょう。
すごいね、それは。何で、二世、三世のお坊ちゃま連中に、ものの考え方や生き方まで規定されなくちゃいけないの。もう何でもありだな。
タカ派っていうのとは違うけど、小渕恵三元首相の二女、小渕優子。典型的な「親の七光り議員」だね。2003年の衆院選の出馬表明で「父の気持ちを眠らせておくわけにはいかないと思い、決意した」と話したけど、この人何かした。ほとんど存在感ないよね。
自民党の数合わせ議員だね。
同じ群馬5区から立候補した山口鶴男元社会党書記長が「議席は世襲財産ではない」と言ったけど、正論だね。
ところで世襲議員ってどれぐらいいるの?
2003年11月の衆院選でいうと、全480議席中185議席が世襲だ。率にして38.5%。特に自民党は51.6%が世襲。民主党は27.3%。
タカ派連中は、北朝鮮で金日成と金正日父子による独裁政治を非難するけど、なんのことはない、日本だって権力の世襲が続いている。世襲議員のオンパレードだ。


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他人の心をこれっぽっちも思いやることのできない政治屋がいます。この国の教育行政のトップである中山成彬文部科学相もその一人です。
この人、6月11日に静岡市であったタウンミーティングで「そもそも従軍慰安婦という言葉は、その当時なかった。なかった言葉が教科書に出ていた。間違ったことが教科書からなくなったことはよかった」と発言したばかりです。それから1カ月後の7月10日にも、福岡市での講演で「心の卑しさ」満点の態度を示してくれました。
朝日新聞によると、この講演で、中山文部科学相は「従軍慰安婦という言葉はなかった」発言を支持する日本人留学生からのメールを9分間も読み上げたそうです。そのメールには「彼女らには大いに同情すべきだが、(意に反して売春させられたのは)古い時代の日本の農村で見られた情景とそう変わらない」とし、さらに「戦地にある不安定な男の心をなだめ、一定の休息と秩序をもたらした存在と考えれば、プライドを持って取り組むことができる職業だったという言い方も出来る」と書かれていたようです。こんなメールを公的な場で、どうどうと読み上げるということは、このメールと同じ考えを中山文部科学相も持っているのでしょう。
推測するに、中山文部科学相も戦時中、朝鮮半島などの女性たちが強制的に売春させられたことは認めているようです。そういう人たちに対して強制売春を「プライドを持って取り組むことができる職業」とする、この心の薄汚さはいったい何なんでしょう?
仮に外国が日本を占領したとしましょう。その国の軍隊が、日本人女性に強制的に兵隊の相手をさせたとしましょう。兵隊たちの「不安定な心をなだめ、一定の休息と秩序をもたらした」からと「プライドを持って取り組むことができた職業」だと言えるんでしょうか?このメールを送った留学生はカナダの大学院で学ぶ20代の女性ということですが、この女性は自分が同じ目にあった時に「プライドが持てる職業」などと言えるんでしょうか?
そもそも、日本の軍人たちの心を慰めるために、どうして朝鮮半島や中国の女性が強制的に売春させられなければならないんでしょうか?
残念ながら、この国の教育行政のトップは、この程度の知性しか持ち合わせていません。
あえて言わせてもらいます。イラクに派兵された自衛官たちの「心をなだめる」ため、奥さんをイラクに派遣されてはどうでしょうか。息子さんの奥さんも一緒に派遣してください(娘さんはいないようですから)。自衛官の心をなだめる職業です。さぞやプライドを持って取り組むことができるでしょう(自衛官の方は迷惑でしょうが…)。

蛇足ですが、「中山理論」に従えば、「縄文時代」とか「弥生時代」という言葉も教科書からは抹消すべきでしょうね。縄文時代の人たちが「縄文時代」と言っていたはずありませんから。「縄文時代という言葉は、その当時なかった」のですから。
いやいや、中山理論を適用すると、「縄文時代」という言葉どころか、「時代」という単語も使えなくなるでしょうね。縄文時代に「時代」という単語はないでしょうから。
そうすると、教科書で縄文時代はどう表現すればいいんでしょうか?「縄目文様が入った土器を使っていたころ」でしょうか。う~ん、待ってくださいよ。当時、「土器」という単語はあったんでしょうか?そうなると「縄目文様が入った土で作った器を使っていたころ」でしょうか?いやいや待ってください。縄文時代に「縄目」とか「文様」という単語があったかどうかも分かりません。もう少し簡単に言いましょう。「縄のような模様が入った土で作った器を使っていたころ」はどうでしょうか。でも縄文時代に「模様」という単語はあったんでしょうか。そうなると縄文時代は表現のしようがありません。表現のしようがないから、いっそうのこと日本の歴史教科書からは「縄文時代」の記述を削除しましょう。
いやいや、そうなると「弥生時代」も「奈良時代」も、それから「安土桃山時代」とか、え~、それから…。歴史書は書きようがないですね。

※新コーナー「迷言妄言暴言」を設けました。「プライドを持って取り組むことが出来る職業だった」は中山文部科学相本人の言葉ではありません。しかし、この言葉を公の場で紹介する中山文部科学相も同じ心性を持っていると考え、第一弾として取り上げることにしました。


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マスコミではほとんど取り上げられていませんが、今国会では、この国の行方を左右しかねない重要な法案が審議入りしています。「共謀罪」の新設を盛り込んだ「犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」です。
「共謀罪」というのは、死刑または無期もしくは4年以上の懲役・禁固の刑が定められている「罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」を処罰するものです。
これでは何のことかさっぱり分からないかもしれませんが、簡単にいってしまえば、罪を犯さなくても、話し合っただけで処罰されるというものです。
対象となる犯罪は、557もあります。4年以上の懲役というと、たいそうなことをしでかしたように感じますが、実際はコンビニでの万引きや、けんかで相手を殴ることも10年以下の懲役ですから、当然対象犯罪になります。相談しただけで処罰の対象となるので、権力側がその気になれば、例えば公害被害者団体などが企業に対する抗議行動を計画しただけで「組織的な威力業務妨害共謀罪」とされるおそれがあります。

共産党系の弁護士団体である自由法曹団のホームページでは次のような事例を紹介していました。
【その1 マンション建設反対運動】
ある町で緑の多い傾斜地を開発して地下4階地上3階の地下室マンションを建築する計画がもちあがりました。近隣は、高さ10メートルまでの住宅地域です。突然の計画発表に対し、住民の中に反対運動が広がりました。
一方、建築業者は、安全・安心街づくり条例に基づいて建築するマンションの防犯設備について所轄警察署に設計図を提出して相談しました。警察は、マンションの出入り口と四方に防犯カメラの設置を指導しました。
住民の反対運動にもかかわらず地下室マンション建築計画は進行し、工事着工予定が示されました。話し合いを拒否された住民と、建築を強行しようとする業者との間で対立は激化しました。住民は、反対運動の方法を相談しました。建築資材の搬入を阻止する実力行使も検討しました。業者から防犯設備について相談を受けていた警察は、住民の反対運動に注目していました。このため、住民の中にその動向を警察に通報してくれる協力者を作って情報を収集していました。
業者の資材搬入日が決まると住民らは、相談して、大量動員してピケットをはり、資材搬入を実力阻止することを決めました。これが住民の中の協力者によって警察に伝えられました。
資材搬入の当日早朝、住民がピケのために家を出ようとしたとき、全員が組織的威力業務妨害共謀罪で逮捕され、反対運動は挫折しました。そして、地下室マンションは、業者の計画通りに建築されました。
【その2 労働運動】
ある会社では、リストラの一環として一つの工場を廃止して、別の遠方の工場へ縮小統合することになり、一部の労働者の配転と残りの労働者の解雇を決めて労働者の選別に入りました。
会社の一方的なリストラによる配転と解雇に反対して、労働組合は、他の労働者・労働組合の支援も受け、争議行為に入りました。こうした労働者の動きを警戒した会社は、密かに組合事務所に盗聴器をとりつけました。
団体交渉では、社長が出席しないことから交渉が進展せず、解決の道はなかなか見いだせませんでした。労働組合は、進展しない交渉の打開を図るため、社長の出席を強く求めたところ、ようやく社長の出席が決まりました。そこで労働組合の執行部は、社長が出席した団体交渉では、組合員を待機させ、長時間になろうとも交渉の目途がつくまで社長の退席を認めず、団体交渉を継続することを意思確認して団体交渉に臨むことを決めました。
会社の勤労担当は組合事務所での会話を盗聴することによって、この動きを知りました。そこで、日頃から防犯協会等でつきあいのある所轄警察署に相談しました。
警察は、組織的に社長を監禁することを共謀しているとして、組合執行部の役員を組織的監禁共謀罪で逮捕しました。
執行部が逮捕された労働組合では闘うことはできず、会社の提案をそのまま受け入れざるを得ませんでした。

「そんな大げさな」と思うかもしれません。
しかし、警察が組織をあげてその気になれば、どんなことでも罪に仕立て上げます。
立川反戦ビラ事件をご存知でしょうか。東京・立川の自衛隊官舎の郵便受けに、自衛隊のイラク派兵反対を訴えるビラを配っただけの市民運動家ら3人が、住居侵入罪で逮捕、起訴されました。
立川事件の裁判で、弁護側証人として出廷した龍谷大の山内敏弘教授は、自宅のマンションに自衛隊員募集のビラが入っていたことを引き合いに出し、自衛隊もビラの投函をしているのに、反戦ビラだけを告訴するのはおかしいと証言しました。ルモンド紙東京駐在記者は「間違いなく民主主義国家である日本は、平和的手段による異なった意見の表明の権利という自由社会の特徴の一つを失いつつあるのだろうか?」と批判しました。
葛飾事件でも同じように共産党の議会報告、区民アンケートをマンションに配っただけの支援者が住居侵入罪で逮捕されました。立川事件にしろ、葛飾事件にしろ、何もマンションの部屋に押し入ったわけではありません。郵便ポストやドアの新聞受けにビラを入れただけです。明らかに反体制的と当局が判断した団体を狙い撃ちにしています。
ビラなんてものは、日常的にマンションのポストに入っています。警察の理屈でいえば、ビラを配った業者はすべて住居侵入罪です。ビザ屋や寿司屋の出前メニューが書かれたちらし、宗教の勧誘ちらし、裏ビデオのちらし、私のマンションの郵便ポストには自民党のある代議士の政策ビラが入っていたこともありましたが、これなんかも住居侵入なんでしょう。あとはマンション住民の誰かが告訴する(あるいは告訴するように仕向けられる)だけです。

反戦ビラを配っただけで逮捕される社会になってしまいました。一度、共謀罪のようなものを許してしまえば、事はどんどんエスカレートしていきます。やがて反戦ビラを書こうと相談しただけで逮捕される社会がやってきます。そうなれば対象となる団体も、共産党や市民運動グループだけにとどまりません。どんどん広がっていくに違いありません。やってくるのは、北朝鮮にのように言論の自由なんてかけらもないような社会です。



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今日は新聞広告の話です。新聞広告は大きな大きな、とても大きな曲がり角にあります。
日本新聞協会が2003年10月に実施したメディア広告の媒体別評価調査があります。対象とした媒体は新聞広告、テレビCM、ラジオCM、雑誌広告、インターネット広告の5種類です。
この中で、「情報が信頼できるのは」(複数回答)との質問に対して、新聞広告は60.9%ともっとも信頼度が高い結果となっています。ちなみにテレビCMが信頼できるとしたのは43.7%、ラジオは9.9%、雑誌9.1%、インターネット7.2%でした。
新聞広告は他にも「内容が公平・正確」、「役に立つ広告が多い」「必要な情報を改めて確認できる」など8項目でトップとなりました。ところが、「情報がわかりやすく伝わる」では、新聞は34.3%にしかすぎません。テレビの59.1%と比べて大きく引き離されています。「新しい商品やサービスを知ることができる」も、テレビの64.1%に対し、新聞は31.9%。インターネット広告の25.5%に肉薄されています。「印象が残る広告が多い」「親しみが持てる広告が多い」などでも、新聞広告はテレビCMに太刀打ちできません。
商品の価格やイベントの日時、キャンペーンなどでの連絡先、応募先を正確に知りたいという時には新聞は強いものの、商品広告や最近増えているイメージ広告ではテレビにまったく勝てないことがわかります。
商品広告はイメージとインパクトが何よりも重要です。新聞広告は、インパクトが強いとは言えず、広告の大部分を商品広告が占めていることを考えれば、新聞広告は今後、高い伸びは期待できそうにありません。
こうした状況は広告費の増減に強く表れています。電通によると、2004年の総広告費は5兆8571億円で、前年比103.0%増と4年ぶりの増加となりました。メディア別ではテレビが前年比104.9%と2年連続で増加。新聞は100.6%で4年ぶりの増加となりました。ラジオは99.3%、雑誌は98.4%でともに4年連続のマイナスです。新聞は0.6%増加したわけですが、アテネ五輪という特殊要因があったことを考えると、実質的にはマイナスだったという見方もでき、既存の媒体ではテレビの一人勝ちということになります。

新聞広告については、下のサイトが参考になります。
新聞広告データアーカイブ…日本新聞協会広告委員会が運営しています。

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新人記者が入社して3カ月余りが過ぎました。今日は新人記者も交えてのひそひそ話です。
うちの新聞さあ、先月は2回も創価学会がらみの全ページ広告が載ったよ。
しょうがないじゃないの。この広告不況の時代。今じゃ創価学会は安定的な広告主なんだから。
そうは言っても、嫌になるよ。
新人君:創価学会って、そんなにおいしい客なんですか?
そりゃあ、そうさ。うちの会社は今年の1-6月期の広告が大幅に減って前年同期の10%マイナスって話だしね。夏のボーナスも、半分ぐらいの新聞社が前年割れしているようだ。世間様は、それなりに不況から脱出して、週刊誌なんか読むと大手企業はどこもボーナスが増えている。新聞は、もう完全に構造不況業種だね。広告主の媒体選別も進んでいる。
うちの会社もそうだよ。載っている広告を見ると、自社の出版物の宣伝とか、主催事業の宣伝とか、いわゆる自社広告ばかり。新聞広告全体を見ても、2001年から3年連続で減り続けて、ようやく去年、0.6%ほど微増した。アテネ五輪の広告効果があってもその程度。しかも今年に入って、また多くの新聞社で減っている。
ラジオ広告なんか、もう既に全体で広告量が1800億円を割って、インターネット広告に抜かれている。新聞も、いずれはそうなる可能性が高い。全国紙はまだましらしいけど。
新人君:そうなんですか。
そういうこと。新聞社の収益は、大雑把に言えば、広告が半分、新聞そのものの販売収入が半分。だから好不況もなく、安定的に広告を出稿してくれる創価学会は経営的に見れば、ありがたいお客様というわけだ。本当に情けなくなるけどなあ。
何でもありといえば、聖教新聞と公明新聞の印刷。あれも経営面から見れば、おいしい。毎年、確実に受託料が入ってくる。
創価学会の機関紙「聖教新聞」の発行部数は約五百五十万部。全国紙の毎日新聞や産経新聞よりも発行部数が多いのに、自前の印刷所は持っていない。新聞社は聖教新聞の印刷を請け負うことで金を稼いでいる。自分ところの新聞よりも聖教新聞や公明新聞の印刷部数の方が多いなんてところまである。こうなると、創価学会批判なんて、とてもじゃないができないね。
新人君:どこの新聞もそうなんですか?
そりゃ、すべての新聞社が聖教新聞や公明新聞を受託印刷しているわけじゃない。でも主要紙はほとんど押さえたって感じだね。全国紙の朝・毎・読だろう、ブロック紙の北海道新聞に西日本新聞、有力地方紙の中国新聞や静岡新聞、それから北国新聞に京都新聞、神戸新聞、福島民報も四国新聞も信濃毎日新聞もそう。それから…。きりがないからやめた。
毎日新聞社系の東日印刷の会長や四国新聞の会長にように「創価大学最高栄誉賞」をもらってる連中もいる。
最近は、池田大作(創価学会名誉会長)の寄稿物が頻繁に各紙に載るよね。うちの会社も、正月紙面からいきなり池田大作のオピニオン記事。見出しを考えなくちゃならない整理部員がうんざりしてたよ。まさに「貧ずれば鈍す」で何でもありになってきた。
地方紙だけじゃなくて、全国紙も池田大作のオピニオン記事をばんばん掲載している。全国紙で先鞭をつけたのは天下の大朝日。2001年5月に「私の視点」というコーナーに掲載したのが最初だった。毎日新聞も教育から政治まで2ページにわたるインタビューを載せたことがあるし、読売新聞もインタビュー記事を掲載したことがある。もう新聞社はどこも、創価学会に全面降伏したってところだね。
うちの会社は創価大出身の記者がいるんだけど、聖教新聞印刷委託と採用とがバーターの関係だったようだ。
だろうね。外勤記者なの?
入社してからほとんど内勤(整理、校閲部など)。人間的には結構いいやつなんだよね、これが。ただ、その記者が外勤だった時に市政記者クラブに所属していたんだ。それで、学会員なら公明党議員から裏の話が聞けるんじゃないかと思って、公明党の担当にしたらしい。ところが、これが全然だめ。裏の話なんてとてもじゃないが聞けない。創価学会は序列がすべて。ペーペーの学会員が議員から裏の話なんてとても聞けなかったらしい。
新人君:でも、どうしてずっと内勤なんですか?別に他の点じゃあ、仕事ができない人っていうわけじゃないでしょう?
正直なところ、社としても扱いに困るというのが本音だろうな。学会員記者が順調に出世してデスクやキャップになったとするよ。デスクやキャップになれば、記事の価値判断が問われるようになってくる。もし創価学会や公明党が問題を起こした場合、学会の序列でがんじがらめになった記者が、学会批判や公明党批判ができるのか、怪しいもんだろう。だから会社としては飼い殺しにしておくしか手がないのさ。
新人君:うちの会社にもいるのかな?
創価大出身者だけが、学会員というわけじゃないしね。まあ、どこの新聞社にも最低1人や2人は学会員がいるだろうな。
新人君:じゃあ、あまり学会の悪口をいわないほうがいいですね。


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東京都議選が終わりました。民主党が選挙前の19議席から35議席に躍進し、自民党は51議席から48議席へと微減となりました。これだけ、日本という国をぼろぼろにしても、まだ自民党が48議席もとれるのだから、政治家という商売は楽な商売です。あらゆる商売の中で結果責任を負わない数少ない商売かもしれません。
さてこの選挙、気になるのは投票率がわずかに43.99%しかなかったことです。なんとも惨憺たる状況です。おかげで手堅い創価学会票を持つ公明党が、またしても23議席を獲得してしまいました。創価学会票の力を見せつけたのは、これだけではありません。公明党が自民党候補を推薦・支持した自公選挙協力区は16選挙区の17人。結果は16勝1敗です。国政選挙から地方選挙まで、もはや公明党なしの自民党は考えられない状況になってしまいました。
考えてみれば、公明党にとってこれほどうまい戦略はありません。例えば、前回の衆院選で、ある小選挙区では自民党候補が民主党候補に肉薄されていました。この地域の創価学会票は2万~3万票です。もちろん公明党が独自候補を立てたところで、とてもじゃないが勝てません。しかし、この2万~3万票という数字は、追い詰められた自民候補が勝利を手にするためには決定的な票数となります。
公明党にしてみれば、どうせ独自候補を立てても勝てません。むしろ、自民候補に自らの票を与えることで、「当選後はあれをしろ」「これをしろ」と指図したほうがいい。
日本テレビが6月13日に実施した世論調査によれば、公明党の支持率は、わずかに4%です。自民党の40.6%、民主党の17.9%には遠く及びません。そのたった4%の政党が、政治を左右してしまう状況が果たして民主主義と言えるのでしょうか?
「誰に投票しても同じ」「選挙に行ったところで何も変わらない」という人たち、選挙は「best」の候補者を選ぶ場ではありません。「better」の候補を選ぶ場です。最高の候補ではなくても、「よりましな」候補を選ぼうじゃありませんか。
神ならぬ人の身です。未来を見通すことができるわけじゃありません。自分が「よりましな」候補と思った人物が結果的に政治を誤った方向に導いてしまうかもしれません。失敗も間違いもあるでしょうが、それが民主主義です。
少なくとも私は公明党つまり創価学会に牛耳られた政治は嫌です。だから、選挙に行きましょうと呼びかけたいと思います。

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先日、このコーナーで書いた浅野史郎・宮城県知事が宮城県警の捜査用報償費の予算執行を停止した問題で、警察庁の漆間巌長官が30日、定例記者会見で「言語道断」と浅野知事を強く批判しました。
今回、予算執行を停止したのは、情報提供者や捜査協力者への謝礼などの報償費・捜査費のうち県の負担分です。この問題では、相次ぐ警察の裏金づくりを受け、浅野知事が支出を確認するため、関連文書の全面開示や捜査員の事情聴取を求めたのに対し、県警が「捜査に支障が出る」と応じなかったため、関連予算約1600万円の執行を停止しました。
会見で漆間長官は「知事は捜査協力者に会う目的で、支出に関する文書を見せろと指示している」と指摘。捜査協力者には県庁職員もいる、としたうえで「警察にとって情報源の秘匿は絶対的な厳守事項。警察活動全体に対する介入で、言語道断だ」と批判しました。
さらに「予算執行を停止して治安対策にブレーキをかけている。知事は県民の安全安心を守るという責任を果たしているのか」「(不適正執行があるという)根拠のない話をもとに執行を停止したのは権利の乱用だ」とも批判しました。
この人、何をトチ狂ったんでしょうか。県予算の執行権者は浅野知事です。選挙で宮城県民の付託を受けています。その県費の使い道について、執行権者である浅野知事が「きちんと知りたい」と言っているのに、それを隠すことがさも正当なことであるかのような発言をする。こんな馬鹿な話はありません。県民には税金の使い道を知る権利が、そして県知事には、県民から集めた税金の1円1円まで、その使い道をしっかりと把握する義務があります。浅野知事は当然の務めを果たしているのではないでしょうか。
「根拠のない話をもとに執行を停止した」と発言していますが、この人は新聞も読んでいなければ、テレビも見ていないんでしょうか。警察の裏金づくりが全国各地で相次いで発覚していることを知らないんでしょうか。「警察にとって情報源の秘匿は絶対的な厳守事項」などと言いますが、いもしない人の名前を仕立て、勝手に人の名前を使い、領収書を偽造し、どこが秘匿すべき厳守事項なんでしょうか。警察に対する不信がどれほど渦巻いているのか知らないんでしょうか。それとも見るのに見えず、聞こえるのに聞こえず、都合の悪いことはさっさと忘れることにしているんでしょうか。
そもそも浅野知事は根拠のない話を聞き、「そりゃあ、けしからん」と突然、予算執行を停止したわけではありません。警察が不正を犯しているとの不信感が募っているので、ここらできちんと捜査用報償費の使い道を把握したいと県警に書類の開示を求めただけです。それを県警が拒否したがために今回の事態になりました。予算執行権者として、何に使われているのかもさっぱりわからないようなものに県費を支出できないのは当然のことでしょう。
一人ひとりのお巡りさんを見れば、いい人がたくさんいます。しかし、警察という組織になったとたん組織防衛にばかり精を出す集団になりさがります。漆間長官のような人間がトップでいる限り、警察不信は決してなくならないでしょう。



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