今日は、R1000点到達対局・最終回です。
本文に入る前にコメントのご紹介です。
ぎゃねさんから
玉を逃げるの苦手なんですよねー
2段目に逃げるのは、8四香とか厳しそうで却下。
でこの三択が悩ましい。6一の銀が質駒なので、それも踏まえて考えないといけませんよね。
9三玉、8四玉だと8三飛が王手。9四かな?
先手玉は6九金からの詰めろがかかっているので、王手を外せば??
どうでしょう?
木村八段、残念でしたね。やっぱり羽生棋聖は強いです。次の王位戦頑張ってほしいですね。
>おー、大正解!しかも、先手玉の詰めろを見越しての逃げ道選択。ぎゃねさんの速度計算が優れている証拠ですね(^^)。
木村八段は、やっぱり羽生名人と相性が悪いのですかね~、なんとも口惜しい一局でした。でもでもでも~、王位戦は一局目を勝利し、さらに大和証券杯と大一番が待っていますので引き続き応援していきましょう!
木村八段の自戦記集、発売されないかなあと願う今日この頃でした。
第7図は▲95桂と王手をかけられたところ。この王手、後手の逃げ方によっては大変危険な罠が潜んでいます。まず、
Δ82玉は、▲84香Δ93玉▲83香成(A図)
以下の詰みとなります。またΔ93玉やΔ84玉はいつでも飛車による王手があるため、全てを読み切れないと指せない手です。残る逃げ道は三ヶ所。すなわち、92・72・94のどれかです。
実は、第7図の第一感はΔ72玉でした。というのもΔ72玉だと後手玉に詰みはなく、かつ次の▲97桂(詰めろ逃れ)から遠ざかっているためです。しかし、Δ72玉には
▲58銀(参考1図)
がピッタリの一手。参考1図、以下▲58銀成には
▲84桂Δ81玉▲83香Δ82香▲同香成Δ同玉▲92飛(参考2図)
以下詰まされてしまいます。参考1図の58銀こそ、詰めろ逃れの詰めろ。こんな手を食らっては、夜中枕を濡らすことになるでしょう(笑)。第7図で私は
Δ94玉(第8図)
と逃げました。敵陣に近づくため、恐る恐るの玉上がりです。ちなみに第7図でΔ92玉も、桂が入ると危険な形になるため除外しました。実戦は第9図以下、
▲91飛Δ93香▲97桂(詰めろ逃れ)(第9図)
と進みます。第9図まで進んでみると、後手玉はなかなか詰まない形となっています。金や銀を一枚渡してもまだ大丈夫です。ここまでくると後手の寄せ方は単純です。つまり、駒一枚渡しても良いから先手玉に必至をかければよいわけです。
本譜は第9図以下、
Δ98金▲88金Δ47馬(第10図)
と詰めろの連続で迫りました。実戦は第10図以下、▲96香Δ69成桂で投了となりました。形勢はずーっと難しいと感じていましたが、最後の最後は一手違いまで持ち込みなんとか勝ちきることができました。
これでR1000点達成です。この日の夜は、なかなか寝付けなかったのは言うまでもありません(笑)。この対局は序盤で先手の鋭い攻め、そして中盤における私の受け、そして最後は詰めろ逃れの詰めろを回避し、お互い十二分に力を出し切った一局となりました。
ちょっと自慢が多い自戦記でしたが、これにて完結です。お付き合いいただき、ありがとうございました。