有用微生物群
http://ja.wikipedia.org/wiki/有用微生物群
有用微生物群(ゆうようびせいぶつぐん、EM、Effective Microorganisms)とは、1982年に琉球大学農学部教授比嘉照夫が開発した微生物資材の呼称である。Effective Microorganismsとは「共存共栄する有用な微生物の集まり」という意味の比嘉による造語である。通称 EM菌。
日本において登録農薬として行政から認可を受けている微生物資材ではない。[1]
目次 [非表示]
1 開発者による説明
1.1 用途
1.2 構造
2 EM技術
3 批判
4 脚注
5 外部リンク
5.1 EM概要について
5.2 活用事例
5.3 外部の評価
開発者による説明[編集]
魔法やオカルトの法則に類似する、物質に対する反物質的な「蘇生の法則」シントロピー(エントロピーの法則に従う電磁波などの横波とは異なる、重力波と想定される縦波の波動の効果によりエネルギーの物質化を促進する力および現象。比嘉の造語)により効果を発揮すると比嘉は説明している。[2]
用途[編集]
農業分野での土壌改良用ほか、畜産、水産、環境浄化、土木建築など様々な分野に利用されていると主張される。
構造[編集]
自然界にある乳酸菌群、酵母群、光合成細菌群から嫌気、微好気の複数の有用な微生物を集め培養し、液中に複合共生させた資材。また、悪玉菌や遺伝子組替技術によって作出された微生物は使用していない。商品としてEM1、EMW、EMX-GOLD(飲用)、EMセラミックスなどがある。
微生物環境(微生物相)では、酸素の多い現在の大気中において、酸素を使って有機物を分解する(酸化)微生物の勢力の方が強い。この酸化分解は、ほとんどの場合、腐敗、腐蝕という環境悪化を招いている。そこへ抗酸化力の強い有用な微生物群(EM)を投入することで、発酵、蘇生など生分解型の善循環へ変化させることができると主張される。
EM技術[編集]
「EM技術」とは、有用微生物群(EM)を活用した技術。その有用性から開発当初の土壌改良材という分野を超え、現在では農業、畜産、水産、水処理、リサイクル、土木建築、医療、等々様々な分野で活用が進んでいる、とされている。
植物に病害が発生するから農薬を撒き、動物が病気になるから抗生物質を与え、養殖池でヘドロが発生すると浚渫や池の破棄を行うなどの、従来の対処療法的な問題解決の手法では、多くの地域で環境が破壊されてきた。大半の場合、上記の問題の原因には微生物が関与しており、悪玉菌と呼ばれる微生物の多くがエサ(有機物)を腐敗(酸化)させ、環境を悪化させている。
しかし、そこにEMを投入すると、有機物が腐敗しないばかりか、発酵によって様々な抗酸化物質や養分が作られ、健全な環境を生み出し、植物や動物などに利用されやすい形になると主張されている。これは、EMが有機物を有用発酵させることができる善玉菌の微生物によって構成されているからであると主張されている。
この技術を用いた結果、農業では植物自体が健康に育つことで病害を克服する方向へ向かう、畜産では動物の健康状態が改善される・糞尿の悪臭除去、水産ではヘドロや病害が発生しないといった現象が起こると主張される。
活用例
農業・・・土壌改良
家庭・・・家庭排水の浄化、生ゴミの堆肥化
畜産・・・糞尿の堆肥化、悪臭除去、動物の食料(エサに混ぜる)
環境衛生・・・水質浄化、ゴミ処理、排水処理
医療・・・予防医学、代替医療
批判[編集]
現代科学では解明されていない分野を無定見に断定し、実証より先に効能を宣伝していることからオカルト・似非科学であるとみなしてよい。 オカルト・疑似科学であることと効能の有無は別であるが、EM菌の効能について肯定的な研究は、開発者である比嘉とその関係団体のもの以外には存在しない。
NPO法人EMあいち(事務所は比嘉が代表取締役を務める株式会社EM生活と同じ)[3][4]が主体となり河川にEM菌(米のとぎ汁等を含む)を投入している。[5]。 しかし福島県では2008年3月、EM菌(有用微生物群)などの微生物資材について「高濃度の有機物が含まれる微生物資材を河川や湖沼に投入すれば汚濁源となる」との見解をまとめ発表している[6]。
日本土壌肥料学会の1996年の「微生物を利用した農業資材の現状と将来」と題した公開シンポジウムにおいてEMが他の資材に比べて効果が低いと報告されるなど効果を疑問視する人も多く[7]、タイの試験研究機関の分析結果として、EM資材中に光合成細菌及び放線菌(Actinomycetes)の存在が確認されなかったとされている。
「科学とニセ科学」レジュメ[8]において、万能を謳うことや他の研究者の批判に対する対応に、疑似科学性が見られると批判されている。
「市民のための環境学ガイド」では「似非科学」の一つとして、EM菌が挙げられている[9]。
実験的研究によれば、EM菌にはシアノバクテリアの発生を抑制する効果はない[10]。
EMセラミックスについては、800℃以上で高温焼成するためEM菌が殺菌されるはずだが、EM研究機構は「焼成後にEM菌が蘇生する」と主張している。[11]。800℃の環境中では耐熱性の高い細菌芽胞すら完全に死滅してしまう。
脚注[編集]
^ 例えば、病原菌の予防や特定害虫の防除に用いられる枯草菌の一種や、登録農薬ではないが愛媛県産業技術研究所が開発し浄化槽に使用されている「えひめAI」などはEMではない。これらは行政が効果を確認し、特定用途・用法に限って使用されており、EMのように万能を謳うものではない。
^ EM情報室 WEBマガジン エコ・ピュア (2007年10月1日). “連載 新・夢に生きる ⑤ 比嘉照夫 名桜大学教授”. 2014年1月20日閲覧。。
^ NPO法人データベースNPOヒロバ. “EMあいちの組織概要”. 2013年1月18日閲覧。
^ 株式会社EM生活. “会社概要|EMのことならEM・X GOLDの総販売元(株)EM生活”. 2013年1月18日閲覧。
^ 株式会社EM生活. “「全国一斉EM団子・EM活性液投入」河川浄化イベントin名古屋”. 2013年1月18日閲覧。
^ 福島民友ニュース (2008年3月8日). “県が初の見解「EM菌投入は河川の汚濁源」”. 2008年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月8日閲覧。
^ 日本土壌肥料学会 (1996年8月23日). “1996年 微生物を利用した農業資材の現状と将来 (PDF)”. 2011年6月8日閲覧。
^ 菊池誠 (2004年7月28日). “「科学とニセ科学」レジュメ(ver.2)”. 2011年6月8日閲覧。
^ 安井至 (2004年9月19日). “マイナスイオン定点観測”. 市民のための環境学ガイド. 2011年6月8日閲覧。
^ Lurling, Miquel; Tolman, Yora and van Oosterhout, Frank (2010). “Cyanobacteria blooms cannot be controlled by Effective Microorganisms (EM®) from mud- or Bokashi-balls”. Hydrobiologia 6 (1): 133-143. doi:10.1007/s10750-010-0173-3.
^ EM研究機構 (2012年8月27日). “Q&A|EM研究機構|EM Research Organization:”. 2013年6月10日閲覧。
外部リンク[編集]
EM概要について[編集]
EM研究機構
EM研究所
EM Research Organization, Inc.
EM Research Organization, Inc. in Facebook
活用事例[編集]
特定非営利活動法人EMネット神奈川
三浦市 排水路水質浄化研究事業
豊橋市 マサキクリーニング(こんなにスゴイEM菌)
外部の評価[編集]
日本土壌肥料学会
1996年 微生物を利用した農業資材の現状と将来 (PDF)
市民のための環境学ガイド
県が初の見解「EM菌投入は河川の汚濁源」(2008年3月8日 福島民友)
この項目は、自然科学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(Portal:自然科学)。
カテゴリ: 廃棄物処理疑似科学有機農法
引用終わり
http://ja.wikipedia.org/wiki/有用微生物群
有用微生物群(ゆうようびせいぶつぐん、EM、Effective Microorganisms)とは、1982年に琉球大学農学部教授比嘉照夫が開発した微生物資材の呼称である。Effective Microorganismsとは「共存共栄する有用な微生物の集まり」という意味の比嘉による造語である。通称 EM菌。
日本において登録農薬として行政から認可を受けている微生物資材ではない。[1]
目次 [非表示]
1 開発者による説明
1.1 用途
1.2 構造
2 EM技術
3 批判
4 脚注
5 外部リンク
5.1 EM概要について
5.2 活用事例
5.3 外部の評価
開発者による説明[編集]
魔法やオカルトの法則に類似する、物質に対する反物質的な「蘇生の法則」シントロピー(エントロピーの法則に従う電磁波などの横波とは異なる、重力波と想定される縦波の波動の効果によりエネルギーの物質化を促進する力および現象。比嘉の造語)により効果を発揮すると比嘉は説明している。[2]
用途[編集]
農業分野での土壌改良用ほか、畜産、水産、環境浄化、土木建築など様々な分野に利用されていると主張される。
構造[編集]
自然界にある乳酸菌群、酵母群、光合成細菌群から嫌気、微好気の複数の有用な微生物を集め培養し、液中に複合共生させた資材。また、悪玉菌や遺伝子組替技術によって作出された微生物は使用していない。商品としてEM1、EMW、EMX-GOLD(飲用)、EMセラミックスなどがある。
微生物環境(微生物相)では、酸素の多い現在の大気中において、酸素を使って有機物を分解する(酸化)微生物の勢力の方が強い。この酸化分解は、ほとんどの場合、腐敗、腐蝕という環境悪化を招いている。そこへ抗酸化力の強い有用な微生物群(EM)を投入することで、発酵、蘇生など生分解型の善循環へ変化させることができると主張される。
EM技術[編集]
「EM技術」とは、有用微生物群(EM)を活用した技術。その有用性から開発当初の土壌改良材という分野を超え、現在では農業、畜産、水産、水処理、リサイクル、土木建築、医療、等々様々な分野で活用が進んでいる、とされている。
植物に病害が発生するから農薬を撒き、動物が病気になるから抗生物質を与え、養殖池でヘドロが発生すると浚渫や池の破棄を行うなどの、従来の対処療法的な問題解決の手法では、多くの地域で環境が破壊されてきた。大半の場合、上記の問題の原因には微生物が関与しており、悪玉菌と呼ばれる微生物の多くがエサ(有機物)を腐敗(酸化)させ、環境を悪化させている。
しかし、そこにEMを投入すると、有機物が腐敗しないばかりか、発酵によって様々な抗酸化物質や養分が作られ、健全な環境を生み出し、植物や動物などに利用されやすい形になると主張されている。これは、EMが有機物を有用発酵させることができる善玉菌の微生物によって構成されているからであると主張されている。
この技術を用いた結果、農業では植物自体が健康に育つことで病害を克服する方向へ向かう、畜産では動物の健康状態が改善される・糞尿の悪臭除去、水産ではヘドロや病害が発生しないといった現象が起こると主張される。
活用例
農業・・・土壌改良
家庭・・・家庭排水の浄化、生ゴミの堆肥化
畜産・・・糞尿の堆肥化、悪臭除去、動物の食料(エサに混ぜる)
環境衛生・・・水質浄化、ゴミ処理、排水処理
医療・・・予防医学、代替医療
批判[編集]
現代科学では解明されていない分野を無定見に断定し、実証より先に効能を宣伝していることからオカルト・似非科学であるとみなしてよい。 オカルト・疑似科学であることと効能の有無は別であるが、EM菌の効能について肯定的な研究は、開発者である比嘉とその関係団体のもの以外には存在しない。
NPO法人EMあいち(事務所は比嘉が代表取締役を務める株式会社EM生活と同じ)[3][4]が主体となり河川にEM菌(米のとぎ汁等を含む)を投入している。[5]。 しかし福島県では2008年3月、EM菌(有用微生物群)などの微生物資材について「高濃度の有機物が含まれる微生物資材を河川や湖沼に投入すれば汚濁源となる」との見解をまとめ発表している[6]。
日本土壌肥料学会の1996年の「微生物を利用した農業資材の現状と将来」と題した公開シンポジウムにおいてEMが他の資材に比べて効果が低いと報告されるなど効果を疑問視する人も多く[7]、タイの試験研究機関の分析結果として、EM資材中に光合成細菌及び放線菌(Actinomycetes)の存在が確認されなかったとされている。
「科学とニセ科学」レジュメ[8]において、万能を謳うことや他の研究者の批判に対する対応に、疑似科学性が見られると批判されている。
「市民のための環境学ガイド」では「似非科学」の一つとして、EM菌が挙げられている[9]。
実験的研究によれば、EM菌にはシアノバクテリアの発生を抑制する効果はない[10]。
EMセラミックスについては、800℃以上で高温焼成するためEM菌が殺菌されるはずだが、EM研究機構は「焼成後にEM菌が蘇生する」と主張している。[11]。800℃の環境中では耐熱性の高い細菌芽胞すら完全に死滅してしまう。
脚注[編集]
^ 例えば、病原菌の予防や特定害虫の防除に用いられる枯草菌の一種や、登録農薬ではないが愛媛県産業技術研究所が開発し浄化槽に使用されている「えひめAI」などはEMではない。これらは行政が効果を確認し、特定用途・用法に限って使用されており、EMのように万能を謳うものではない。
^ EM情報室 WEBマガジン エコ・ピュア (2007年10月1日). “連載 新・夢に生きる ⑤ 比嘉照夫 名桜大学教授”. 2014年1月20日閲覧。。
^ NPO法人データベースNPOヒロバ. “EMあいちの組織概要”. 2013年1月18日閲覧。
^ 株式会社EM生活. “会社概要|EMのことならEM・X GOLDの総販売元(株)EM生活”. 2013年1月18日閲覧。
^ 株式会社EM生活. “「全国一斉EM団子・EM活性液投入」河川浄化イベントin名古屋”. 2013年1月18日閲覧。
^ 福島民友ニュース (2008年3月8日). “県が初の見解「EM菌投入は河川の汚濁源」”. 2008年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月8日閲覧。
^ 日本土壌肥料学会 (1996年8月23日). “1996年 微生物を利用した農業資材の現状と将来 (PDF)”. 2011年6月8日閲覧。
^ 菊池誠 (2004年7月28日). “「科学とニセ科学」レジュメ(ver.2)”. 2011年6月8日閲覧。
^ 安井至 (2004年9月19日). “マイナスイオン定点観測”. 市民のための環境学ガイド. 2011年6月8日閲覧。
^ Lurling, Miquel; Tolman, Yora and van Oosterhout, Frank (2010). “Cyanobacteria blooms cannot be controlled by Effective Microorganisms (EM®) from mud- or Bokashi-balls”. Hydrobiologia 6 (1): 133-143. doi:10.1007/s10750-010-0173-3.
^ EM研究機構 (2012年8月27日). “Q&A|EM研究機構|EM Research Organization:”. 2013年6月10日閲覧。
外部リンク[編集]
EM概要について[編集]
EM研究機構
EM研究所
EM Research Organization, Inc.
EM Research Organization, Inc. in Facebook
活用事例[編集]
特定非営利活動法人EMネット神奈川
三浦市 排水路水質浄化研究事業
豊橋市 マサキクリーニング(こんなにスゴイEM菌)
外部の評価[編集]
日本土壌肥料学会
1996年 微生物を利用した農業資材の現状と将来 (PDF)
市民のための環境学ガイド
県が初の見解「EM菌投入は河川の汚濁源」(2008年3月8日 福島民友)
この項目は、自然科学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(Portal:自然科学)。
カテゴリ: 廃棄物処理疑似科学有機農法
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