goo blog サービス終了のお知らせ 

刺激的安楽日々

本、映画、ドラマ、料理や日々の雑感

パパと呼ばないで 第30話

2009年04月16日 | TVドラマ・映画関連
いよいよ30話代に突入し、物語も終盤戦に。
右京(石立鉄男)と園子(松尾嘉代)の関係に焦点が当てられるのだが、
一筋縄ではいかない二人。あまりに危なっかしい恋模様に、手に汗握る展開が──。

●第30話「愛してるよ」あらすじ
脚本:窪田篤人 監督:千野皓司
小学校の参観日、チー坊(杉田かおる)は思い切って園子に来てほしいと直談判。
すっかりその気になり母親気分・右京の妻気分の園子だが、その夜、右京から結婚のことを
切り出される。右京は会社の村松係長(近藤洋介)の気持ちを伝えようとしただけなのだが、
園子は右京からプロポーズされたと勘違い。
数日後、プロポーズの真相を知って傷ついた園子は、村松との結婚に踏み切ろうとする。


●右京、園子、村松、治子。4人がからんですれ違いの大嵐
園子との結婚を考えている村松係長が、右京に園子の気持ちを聞いてほしいと
頼む。乗り気になれない右京は、園子にどう話を切り出していいかわからない。
たどたどしい言葉で、身近にいい人がいたら結婚する気はあるかと聞くのが
やっとだった。その曖昧な表現が、とんでもない誤解を呼ぶのである。

一方園子は、チー坊から母親参観日に来てほしいと頼まれたことで、自分が右京の
妻になり、チー坊の新しいママになった妄想に取り憑かれていた。そんな日の夜、
右京から結婚のことを切り出され、すっかり右京本人からプロポーズされたのだと
勘違いする。「もう少し考えさせて」とはにかむ園子。その様子に右京は園子が係長の
ことを意識していると思い込み、悔しくて仕方ない。

治子(富士真奈美)は別れた亭主・平野(桜井センリ)によりを戻したいと迫られ、
右京と結婚するから無理だと嘘をついてしまう。

おじさん(大坂志郎)とおばさん(三崎千恵子)は、園子の急変した態度から、
右京が園子にプロポーズしたのだと確信。感無量のおじさんだが、プロポーズ
は村松からだという真実、そして右京と治子が結婚するという誤情報を仕入れ、
怒りが爆発。思わず右京を張り倒す。

園子は右京からのプロポーズが勘違いだとわかり、傷心のどん底へ。帰宅した右京に、
村松のポロポーズを受け入れると伝える。
右京はやはりそれが園子の本心だと思い込み、言葉もなく落ち込む。

こんなふうにすれ違い、勘違いでまとまるものもまとまらずに恋模様が荒れ始める。
ドラマの中盤くらいで見るのがつらくなるほど、みんなの間でボタンの掛け違いが
連鎖していくのだ。
右京が諸悪の原因か? いつまでも園子に対してはっきりした態度をとることなく、
おかげで係長まで巻き込んだ。自分の気持ちに素直になって、体当たりでぶつかれば
みんなも自分も傷つかずにすんだのだろう。おじさんもそう思っている。
あんたがはっきりしねぇから、園子があんなに傷つくんだと。園子を泣かして、
このままでいいのかと右京に問いただすおじさん。だが右京は、これまでにない情けない
泣きそうな顔を向けるのだった。

●父親中心に物事が動く面白さ
「パパと呼ばないで」は、右京といいおじさんといい、「父親」がてんてこ舞いして動き回ったり
事の収拾にあたったり、ドラマを動かす役割を担っている。現代のドラマでは「家庭での父親不在」を
アプローチするかのごとく、子供や母親が中心に動いている。それと一線を画すのは、やはり舞台が
「米屋」という商店だからだろう。昼間から動き回れるおじさんが、右往左往し、家庭のことも
すみずみまで見ている。「お父さんは仕事ばかり。家のことなんて何にも知らないのよ」なんてことは
微塵もない。右京も会社からできるだけ早く帰り、昼間起きた出来事は米屋のみんなから逐一
聞いている。まだまだ父権旺盛だった時代なのか、それとも徐々に父権が失われつつある状況下だから
このようなドラマが作られたのか。
いずれにしろ、男のジタバタ・男の心意気・男のやさしさでドラマの隅々が締められていることは確か。
第30話も、右京が元で狂いだした恋模様におじさんが更なる誤解をかぶせてくる。
だがラストで右京の本心をつくのも、またおじさんなのだ。