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刺激的安楽日々

本、映画、ドラマ、料理や日々の雑感

霊感! ~夢野久作(青空文庫 bREADER)

2011年07月06日 | 青空文庫・電子書籍リーダー

 

霊感!

 

●夢野久作

●読んだ場所・・・リビング

●電子書籍 ~iPod bREADER

 

 

 

◆「霊感!」について◆

 

オカルト的なタイトルに惹かれて読み始めたにもかかわらず、

意外にもコミカルサスペンスを堪能する内容でした。

 

物語は、美少女レミヤの婿候補として、

双子の兄弟アルマとマチラに白羽の矢が立ったところから展開します。

ところがどちらが婿になるかいつまでたっても決まらない。

双子は知恵を絞り出し、奇妙な夫婦生活を思いつきます。


それは、双子が1週間交代で、レミヤの夫を務めるということ。

そのうち子供もできるだろうし、出生日から280日遡った日に、

アルマとマチラ、どちらがレミヤと過ごしていたかで真の夫を決めようというもの。

レミヤもこの案に賛成します。


かくして3人夫婦の暮らしが始まります。ただし日曜日は休息日。

日曜日は、双子が夫交代するための大事な報告・引き継ぎの日なのです。

アルマが1週間の夫勤めを終えたら、その情報をマチラに引き継ぎ、

月曜からマチラが夫となってレミヤと過ごす。

日曜日、レミヤはひとりで教会へ行く。


そんな暮らしを繰り返していくうち、レミヤが身ごもります。

そして子供が生まれ、280日遡ると・・・

事態は急変します。そして前代未聞の「名無しの児裁判」!


 

この物語は、洒落た海外短編小説のように軽妙で、どんどんのめり込みました。

そしてクライマックスの「名無し児裁判」の法廷劇。

3人の結末も見事。

物語の進行とは別に用意された、オープニングとエンディングのオチも良し。

 

「霊感」というタイトル、実はこの物語のキモなんですね。


 

 

◆bREADERで、サクサクしおり検索◆

 

前回のブログで、

「しおりページから元のページ画面に戻って、

またしおりボタンからしおりの操作をするのは面倒」と書いてしまいましたが

実は私の気づいていない、優秀機能がありました。

 

「しおりの追加」「しおりページの確認」「検索」だけなら、

わざわざしおりボタンで呼び出さなくても、

画面下を上方向にフリックするだけでOKです。

それだけで「しおり操作」のページに切り替わる!

 

紙媒体の本を読むときにドッグイヤーをするのと、同程度の動作です。

普段からドッグイヤーしまくりの私にとっては超便利!

 

「霊感!」の中では、アルマとマチラが記した、

「双子の婚前結婚生活ルール」なるものを記したページにしおりを追加。

物語のクライマックスに差し掛かり、このルールをもう一度確認したかった私は、

フリックして「しおり追加画面」を呼び出し、すぐにこのページを確認できました。

確認後、元のページにもすぐ戻れるし、これは使いまくりそうな機能です。

 

 

 

*しおりページを確認。ここから他のしおりページも一覧できるし、しおりページの拡大表示も可能。

 フリック&タップだけで、「しおり追加」「しおりページ一覧確認」「しおりページ拡大表示」、

 そして「元、読んでいたページに戻る」がすべて瞬時にできます。カ・イ・テ・キ~

 

 

ここからリンク→bREADER

 

 


 


電子書籍リーダーアプリ・「bREADER」に乗り換えました

2011年06月30日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
「bREADER」が version1.2.4にアップデートされ、
私はついに、慣れ親しんだ「豊平文庫」から、「bREADER」に乗り換えました。
実はversion1.2.2くらいから放置しており、ずっと使わず・・・。
理由は、辞書連携とコピー機能に不満があったからです。
でもversion1.2.4はかなり違う!

今日は作品紹介ではなく、作品を読むリーダーアプリを紹介します。 



「bREADER」の便利な機能

電子書籍リーダーの要は、快適な操作性と利便性、そしてワクワク感。
「bREADER」は、ほぼ、その願いを叶えてくれてます。



1)ピンチによる文字サイズ・行間変更

画面をピンチするだけで、即文字サイズと行間が任意サイズに変更される。
サクサク読み進めたいときに、読書の邪魔をしません。


2)しおりボタンの
 「検索・辞書連携・しおりページ・コピー機能」


画面中央部をタップして上下ボタンを表示。しおりボタンをタップすると、
吹き出しが現れます。これが格段に使いやすい! version1.2.2からかなり進歩!





1・・・辞書、ネット検索連携

上の画面の「しおり」ボタンをタップして書籍内の気になるキーワードを長押しすると、
その単語が自動選択されて吹き出しが現れる。
その中から「Google」「Wikipedia」「大辞林」のどれかで検索!





2・・・書籍内キーワード検索

書籍内の気になるキーワード、例えば登場人物などを入力して「検索」をタップすれば、
その人物が登場するページが一覧表示される。





3・・・しおり追加

気になるページには「しおり追加」ボタンを。
この画面内では、ページ画面の下にしおりページ数を示す小さな○印が表示され、
スワイプすれば、しおりページだけ順に確認できる。
読み返したいページが見つかれば、ページをタップすれば即ジャンプ!

ただ、「しおりを削除」などひとつの操作をするとページ表示画面に戻ってしまう。
操作を続けたいときはまた「しおり」をタップ。
操作画面を呼び出すのがチョット手間ではアル。
「完了」ボタンがあるのだから、こちらをタップして初めて操作終了としてほしい。





4・・・コピー機能

書籍内の気になるキーワードを長押しすると、その単語が自動選択される。
上下の単語囲みラインをドラッグすると、選択範囲が広がってコピー状態に。
「コピー」をタップし、メモを呼び出してペーストしておく。

気になる表現や引用文をメモしておきたい私は、この機能がとっても便利! 
後でメモを見ただけで、その作品の世界観を味わうこともできるし、
再読のきっかけ役にもなってくれます。





3)しおりボタンの「目次」

このボタンを押すと、書籍の「目次」が表示される。
ここから目的のページにジャンプできるので便利。

「豊平文庫」にこの機能がなかったので、「付箋」で代用したり等、結構苦労しました。
「i文庫」では、設定画面の「索引・しおり」機能がこれに相当。





4)ダウンロードの楽しさ

例えば作家別の作品を表示させ、
読みたい作品名をタップするだけで次々とダウンロード。

タイトルの下に「ダウンロード済み」と追加され、
次々と入手している満足感に包まれる。
素早いダウンロード操作、待ち時間のウキウキ気分で、
読書意欲を沸き立たせてくれます!






5)見やすく快適な本棚

ダウンロードされた作品は、本棚に表示されます。
作家別などで、ひとつのフォルダにまとめることもできます。
「編集」ボタンをタップしてグループにしたい作品を選び、「まとめる」を選べばOK。
しかもダウンロードしたした冊数も表示されて、
整理されているにもかかわらず、重量感があります。




できれば既読作品には何か表示が変わるなどすれば、さらに便利。
「豊平文庫」では、作品の最終ページまでいくと、
「入手済みの本」一覧ページの作品タイトルの下に、
自動的に「読了」マークが追加されます。





これ以外にも、「bREADER」にはさざまざな機能が付随されています。
縦横表示、ページ自動スライドなどなど、その他その他。

欲を言えば、

・「読了」に相当するマークを表示してほしい
・「i文庫」のように作品のトップページは表紙がいい
・上下バーが表示されたときも、本文テキストはすべて表示させてほしい
 (元々の本文表示領域を変更してほしい)

など、個人的好みを言えば切りがないけど、
今後のアップデートでどう進化してくれるのか、ちょっと楽しみにしています。

「bREADER」
http://iphone-ipad-apps.com/breader.html


どろぼう猫

2011年03月05日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●夢野久作
●読んだ場所・・・朝食後のテーブルで
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

豊平文庫から新たにダウンロードしていたら、
すぐに読みたいようなタイトルを発見。
出社する前ですが、チョコッと読んでしまいます。


◆「どろぼう猫」について◆
ポーの「黒猫」を読んで以降、我が家の猫を見るのもちょっと
恐くなっておりました。
そんな矢先、「どろぼう猫」なんてお茶目なタイトルの作品発見。
なんとなく猫に対する気持ちをリセットしたくて読み始め、
なのにまた、何やら複雑な気分に・・・。
超短編。新聞記事ほどの分量です。

夢野久作の童話とも言えるやさしげな語り口で始まるこの話は、
ストレートな勧善懲悪モノなだけに、微妙に残酷。
夢野久作の持ち味というか、表現力のせいですね。
やさしく丁寧な表現は、かえって残酷さを増すものです。

家猫のブチ子さんは、高慢ちきで世渡り上手。
外を通りかかる赤犬を小馬鹿にしたり、性格悪し。
でも家人には猫なで声を使って可愛がられ、
気ままなお座敷生活を満喫してます。

ブチ子さんちでは、台所から食べ物がチョイチョイなくなる事件が起こり、
女中さんが犯人扱いされ、奥様から怒られていました。
その様子を見た赤犬は、女中さんが可哀想でたまらなくなる。
なぜって本当の犯人は、にっくきブチ子に違いないんだから。

怒り心頭に発した赤犬は、ブチ子の犯行現場を押さえて殺してしまいます。
その様子を見た奥様は、女中を疑って悪かったと謝罪し、
赤犬もご褒美をもらい受けました。

そういう話なのですが、なんだかチョット複雑です。
どろぼう猫を退治した、勧善懲悪モノといえばそうなんでしょう。
幼い頃読んだ昔話も、こんな雰囲気だったと思う。
舌切り雀とか、かなりイタイ物語です。
でも、「退治」する行為は描かれていたけど、
殺したりはしてなかったはず。

夢野久作は、やさしい感じで「殺し」てしまいます。


黒猫

2011年03月05日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●エドガー・アラン・ポー 佐々木直次郎訳
●読んだ場所・・・電車の中
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

面白い作品、恐い作品はあまり電車の中で読まない方がいいのかもしれない。
面白くてつい笑ったり、恐くて「ウギャっ」と小さく声が出たり。
今回の作品は、「うぎゃっ」の方。



◆「黒猫」について◆
前回の作品「涙香・ポー・それから」(夢野久作)の中で、
夢野久作が「黒猫」に影響を受けたと記しました。
今回は、その「黒猫」です。

15分足らずで読了。
この作品、初読みは小学生のときです。よくもまあ、こんな恐ろしい、
サイコな作品を小学生が読んだものだと驚いた。
当時、途方もなく恐く、本棚に置いておくのもイヤで捨てました。

内容をきちんと理解せずに捨てたせいか、ストーリーほぼ忘れていました。
そして大人になって再読すると・・・
やっぱり恐い。意味がわかるから、なおさら恐い。

病的といえる主人公の動物虐待。その残虐さ。
ついには、彼の妻も餌食になって・・・。

1匹目の黒猫を手にかけ、2匹目も同じ手口で殺害したくなる男の衝動。
「やめて! 絶対にやめて!」と念じながら読んでいるのに、
男が猫を殺したくなる衝動さえ共感してしまう!
そういう描き方ですよ、ポーは。恐ろしい!

実は・・・我が家にも猫がいます。
「ニャー」と鳴かれたあと、この子が絞首刑された姿が浮かび、
読後も「うぎゃっ」と声が出た。
この恐怖感を共有するため、「黒猫」をダンナに勧めましたが、
猫を抱きしめ「絶対にイヤ」と即答されました。

「黒猫」とは無関係ですが、
小学生のときに読んで恐くて捨てた本がもう1冊あります。
ホームズシリーズの「まだらの紐」です。

これは児童図書か何かだったのですが、
ストーリーのヘビの恐怖もさることながら、挿絵がダントツ恐かった!

「黒猫」を読みながら、そんなことまで思い出してしまいました。

涙香・ポー・それから

2011年03月02日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●夢野久作
●読んだ場所・・・会社のデスクで
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

「書けない探偵小説」に続き、超短編第2弾。
これらの作品を読む時間なんて、サボるうちにも入らない。
コンビニに買い物行って戻ってくる方が時間かかりますね、ホント。



◆「涙香・ポー・それから」について◆
坂口安吾の自信たっぷり、意欲満々な探偵小説論に比べ、
夢野久作の控えめなこと。
控えめでやさしい語り口、実に微笑ましいくらいです。

夢野久作の初探偵小説体験は、黒岩涙香の「活地獄」(翻訳)。
そして中学時代に読んだポーの「黒猫」以来、
探偵小説愛好欲が急激に変調を来したとあります。
涙香ものでは物足りなくなった、そんな感じでしょう。
そしてふとした動機で宗教にこり始め、
その見たことも聞いたこともない怪奇な世界感に惹かれ、
その頃、探偵小説が次々に発表され、
触発されて自分も書くようになったと記してあります。
夢野久作の「異常心理&怪奇趣味」指向は、
少年時代からその片鱗があったようです。

私は「黒猫」を小学生のときに読みました。
恐くて投げ出したのを覚えています。
次に読む作品は、絶対「黒猫」!

書けない探偵小説

2011年03月02日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●夢野久作
●読んだ場所・・・会社のデスクで
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

ズバリ、サボりです。パソコンのキーボードの角にiPod置いて、急ぎ読み。
パソコンの画面見て、iPodの画面見て、目には悪そうなんですけど。


◆「書けない探偵小説」について◆
「素晴らしい探偵小説が書きたい」で始まる、コラム程度の超ショートエッセイ。
ここでは、夢野久作自身の探偵小説の構想が展開されます。

駆け抜けていく車に乗っていたスゴイ美人。女はお化粧をした死体か?
そんな感じで、ストーリーネタを6つ披露。
私は、百万長者の未亡人とその娘の話が面白そうだと思いました。
夢野久作風のキテレツな世界感、精神錯乱状況が味わえそうな雰囲気です。

ですが、ご本人は「これが探偵小説と呼べるものは一つもない」と。
探偵小説という括りではなく、
夢野久作のいうところの「グロ小説」として書いてほしかったと思います。

推理小説について

2011年02月26日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●坂口安吾
●読んだ場所・・・事故で遅れた電車待ちのプラットホーム
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

プラットホームで3作品目。前作品があまりに短すぎたのですが、
その割に濃かったし熱かった。3作品目も「推理小説について」と、
続々編のようなタイトルです。興奮冷めやらぬうちに読み進めましょう。

それにしても、電子書籍ってバーチャル図書館。
本は絶対に紙じゃなきゃダメだって人の、その気持ちもわかりますよ。
「本」と「電子書籍」じゃ読書体験としての情報量が全然違う。
読むスピードも「本」の方が早いし、ブラウズの自由度もある。
でも、電子書籍の良さはもっと違うところにあるんです。
「どこでも読書」「いつでも読書」を叶えてくれる、そんなものでしょ。
だから私、プラットホームで退屈せずに読書三昧しているわけです。
100グラムぽっちのデバイスだけで。



◆「推理小説について」について◆
今度は推理小説作品についての論評です。

安吾は「私の探偵小説」の中で横溝正史を高評価しておりました。
ここでも「蝶々殺人事件」をとりあげ、秀作と評しています。でも、

「然し、敢てこの名作から三つの欠点をとりだして、一アマチュアの立場から、
探偵小説全般の欠点に就て、不満と希望をのべてみたいと思う。」(本文より)


と、こうきます。 これは興味津々。
でも、ここではその内容に触れません。
かなり論理的に突いています。

角田喜久雄の「高木家の惨劇」、木々高太郎の「探偵小説芸術論」なども
やり玉に挙げられてますが、そこまで古い国産ミステリは私の範疇外。
でも安吾の論理性が一貫しているおかげで、無理なく先に進められます。

小栗虫太郎の悪口もありますが、まあ、納得。
衒学すぎるのがよくないと。ヴァン・ダインの悪影響だって?


「小栗虫太郎氏の作品などは、仕掛けの確実さを追求したらまことに
怪しいオソマツなものばかりで、その安易な骨組みをごまかすために
衒学の煙幕をはったものの、こういう手法は最も非知的な自動的カラクリで
かかる欠点は大いに追求されねばならぬ性質のものであった」(本文より)


とにかくこの調子で、次々と論を展開。
ちょっとお酒でも飲みながら読みたいくらいに楽しいです。

殺し方にも安吾先生は一家言あり。
短いエッセイですが、めちゃくちゃ堪能します。

探偵小説とは

2011年02月26日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●坂口安吾
●読んだ場所・・・事故で遅れた電車待ちのプラットホーム
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

先に読んだ「私の探偵小説」は、短すぎて数分で読了。そんなものじゃ電車は来ない。
嬉しいことに「探偵小説とは」と、同じテーマのエッセイあり。
これも負けず劣らず短そうなのがシャクですけど。


◆「探偵小説とは」について◆
まっ向から「探偵小説はこうあるべき」と切り込んでます。
一般の文学と推理小説の違いについて述べているところも興味深く、
安吾はまさに、その両方をやってのけようとしたわけですね。

文学は自我の発見。予定調和を見出し、
おのずと生成展開が行われることによって
自我の発見や創造が行われ得る。
推理小説はこうはいかない。物語の最後に解き明かされる事柄が、
最初の構想の中で明確に予定されていること。したがって、執筆の途中で
作中人物が構想をはみ出して勝手な動きをしてはならない。
だから推理小説の原則は、文学よりもパズルであるというふうに述べています。

このような前提論があり、その後もグイグイ引き込まれます。
安吾曰く、日本には怪奇小説はあっても推理小説はほとんど無いと。
その原因は民族性にあると言っています。
日本古来の文化教養には論理性が不足していたので、
推理小説が発達する地盤がなかったと言うのです。
この説には、読みながら深く納得してしまいました。

当時の「キング」や「富士」という雑誌が推理小説を受け入れず、
怪奇小説を歓迎した様子も書かれています。
それはひとえに編集者の責任なのだと。
日本在来の娯楽雑誌の編集者は、推理小説を愛好するだけの趣味のひろさ、
教養の高さがなかったと言い捨てています。

この憤慨ぶりからも、安吾の推理小説愛好がうかがえますね。
しかも論評するだけに終わらない、すごい熱がみなぎっている。
どうすれば、素晴らしい推理小説が生み出せるのか。
その具体的方法までもが提示されている・・・。

短すぎるエッセイですが、暑苦しいほどの熱気です。
論理的だし、前向きだし、やる気マンマン。

このエッセイ、ミステリ好きの人は納得、納得。
推理小説に興味のない人が読んでも、
「なんて面白そうなんだ!」って洗脳されるんじゃないかな?


私の探偵小説

2011年02月26日 | 青空文庫・電子書籍リーダー
●坂口安吾
●読んだ場所・・・事故で遅れた電車待ちのプラットホーム
●電子書籍 ~iPod 豊平文庫

人身事故で電車が遅れる。ノロノロと動いてはいるものの、まだ到着の見込みなし。
イライラするけど仕方ありません。
何か読んでいれば時間はあっという間に経ちますから。
よかったわ~iPodがあって。私はゲームよりも本読み派。
豊平文庫、いっぱいダウンロードしてあるから、短編にざざっと目を通します。



◆「私の探偵小説」について◆
私は大のミステリ好き。
「私の探偵小説」---このタイトルを見つけ、意気揚々と読み始めました。

安吾の探偵小説に対するご意見は・・・
日本の探偵小説はまだまだ。
海外ものでもクリスティ、ヴァン・ダイン、
クィーンの順に評価しているそうな。
これら作家の作品は、犯人当てに対するルールが作家と読者の間で
フェアに扱われており、とにかく最上級の作品であると評しています。

そして日本の作家では、横溝正史を愛読しているとありました。
このように安吾は大の探偵小説好きで、
自分の納得する作品が日本に少ないことを歯がゆく思っていたのです。

私自身もそのうち一つだけ探偵小説を書くつもりで、その節は大いに愛好諸氏と
ゲームを戦わすつもりである」(本文引用)


その予告通り、安吾作の「不連続殺人事件」が世に出されます。
でも残念ながら豊平文庫にそのラインナップはなし・・・
文庫本で探しましょう。