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刺激的安楽日々

本、映画、ドラマ、料理や日々の雑感

パパと呼ばないで 第19話~第20話

2009年04月03日 | TVドラマ・映画関連
まさかの引越、右京(石立鉄男)たちが米屋を出て行くことに。行き違い、誤解、意地の張り合い、
そんなことが積み重なり、右京たちの新しい生活が始まった。アパートには美人で親切な隣人(早瀬久美)が
住んでいて、右京は思いのほか浮かれてしまう。だがチー坊の本音といえば・・・

●第19話「嫁にはやれません!」あらすじ
脚本:窪田篤人 監督:千野皓司
最近、右京(石立鉄男)と園子(松尾嘉代)のケンカがエスカレートしてきた。今朝もチー坊のことでひともめし、
険悪なムードを高めてしまう。右京は園子との関係に気を揉み始め、またおじさん(大坂志郎)が
昔世話になった老人を引き取りたがっている事情を垣間聞き、自分たちは米屋一家にとって
邪魔な存在なのだと思い始める。嫌がるチー坊を説き伏せ、右京はアパートを探した。
そして黙って出て行こうとする右京に腹を立てた米屋一家とケンカ別れし、
右京はチー坊を連れて新居に落ち着くのだった。

●第20話「粉雪の舞うひな祭り 」あらすじ
脚本:窪田篤人 監督:千野皓司
チー坊たちが出て行き、朝から調子の出ない米屋一家。昇はチー坊のアパートを訪ね、寂しがっている
チー坊の様子に「帰っておいでよ」と声をかける。そこへおじさんも現れ、忘れていった箸を届けた。
一方米屋では、おばさん(三崎千恵子)がおひな様を出して飾り付けに明け暮れていた。
チー坊のためにひな祭りをやってやろうと思いついたのだ。


●大竹不動産、再び登場
第10話「ママがほしい!」でも登場した、大竹不動産。塩沢ときがおかみさんの光枝を演じ、印象深かった。
この不動産屋が第19話でも登場し、揉め事の最大の原因を作り出す。米屋では右京を園子か和子の婿にしようと
している噂があるとか、その噂を払拭するためにもアパートを借りないかと、右京に話を持ちかけるのだ。
不動産屋に悪気は全然ないのだが、ここまで騒ぎが大きくなろうことは予想していなかったのだろう。

●美容院、客で発散する園子のヒステリー
右京との関係が悪くなる一方の園子だが、本心とは裏腹。だから美容院で治子(富士真奈美)や光枝(塩沢とき)から
右京がアパートを探していると聞き、神妙な面持ちになる(第19話)。

園子「まさか……右京さん、そんなこと一度も……」
治子「お宅じゃいちいち右京さんがそういうこと、園ちゃんに断らなきゃならないことになってるの?」
光枝「やっぱりあの噂、本当だったのかしら」
治子「お米屋のおじさんたちがね、右京さんを園ちゃんか和ちゃんのお婿さんにしたがってるっていうこと」

治子はチー坊のことを、園子が一番身近にいるからなついているだけだと煽り始める。
それを聞いてむしゃくしゃが頂点に達する園子。
いつもは治子がこの園子のヒステリーの犠牲になるのだが、第19話の犠牲者は光枝。乱暴に髪をとかされ「痛い!」
そして第20話では、いつもの通り治子が犠牲に。乱暴なブローと熱すぎるドライヤーに目をむいて悲鳴!

●園子へのチー坊の気持ち
一緒に暮らすうちに、園子(松尾嘉代)に愛情を感じ始めるチー坊(第19話)。幼稚園でママの顔を描くように言われ、
「園子お姉ちゃんの顔を描こうと思ったんだけど・・・。だけどやめたの。園子お姉ちゃん、
パパとケンカばっかりしてるんだもの」
そう言って、最近ケンカばかりしている二人のことで表情が暗くなる。
チー坊からそんな気持ちを聞いたおばさん(三崎千恵子)もおだやかでない。もし園子にも右京にも一緒に
なる気がないのなら、チー坊の気持ちはどうなるのか? また将来のことを考えても、二人の結婚には
賛成できないと思っている。
そして第20話、出ていったチー坊は米屋に遊びに来たくても来れないわけがあった。
「遊びに行きたいけどまたパパと園子お姉ちゃんがケンカすると困るから行かない」と言うのだ。
それを知った園子は、これまでの自分を反省し、チー坊を迎えにアパートへと急いだ。

●チー坊の浪花節
第20話で、アパートでチー坊を演じる杉田かおるが浪花節を披露する。「あ~世は闇だ~真っくぅらだぁ~」と、
のびのいい声を張り上げる。浪花節もさることながら、第19話・第20話では、大人の都合で振り回される
子供の複雑な感情を見事に演じている。アパートで独立し始めると、どことなく大人っぽく頼りがいのある
雰囲気に。だが園子やおじさんたちへの気遣いから気弱になる表情は、演技とは思えない切なさである。
何よりいつまでも園子にケンカをふっかける右京に対し、本気で怒る凄みと悲しさの表現は秀逸。 

●早苗(早瀬久美)の存在で複雑に
アパートの隣人として、やさしくて美人の早苗(早瀬久美)が登場。早苗の存在で、治子や園子のイライラが
エスカレート。早苗は右京の会社の近くの商事会社OLという設定。面倒見が良く、チー坊にも
なつかれている。この早苗を演じる早瀬久美は、71年2月から72年2月に放送された「おれは男だ!」の
ヒロイン・吉川操である。先頃千葉県知事に就任した森田健作主演の青春ドラマだ。
主人公の弘二(森田健作)に「よしかぁクン!」と呼ばれる吉川操は、ウーマンリブの先頭を行く役どころ。
それとは打って変わって「パパと呼ばないで」の早苗は、しっかりしているけれどよく気のつく、
いい奥さんになりそうなタイプ。
私には吉川操のイメージが強すぎたせいか、違った役どころの早苗には妙にドギマギしてしまった。

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http://ja.wikipedia.org/wiki/おれは男だ!

●真剣に怒ってくれる近所のおじさん
第20話、チー坊に飛び出されて途方に暮れる右京。そこへ金造(花沢徳衛)がやってきた。
「大馬鹿ものだよ、あんた! 精さんの、いや人間の本当の気持ちがわからないんなら人間廃業しちまいな!」
そう言って、精太郎(おじさん・大坂志郎)の気持ちを右京に話す。右京はおじさんの深い思いやりを知り、
チー坊を探そうとするが、どこへ行ったか検討がつかない。
「馬鹿野郎!いざってときにチー坊の足がどっちへ向くか、そのくれぇのことわかんねぇのかよあんたには!」
この金造のきつい叱咤のおかげで、米屋に戻れた右京。
こんな風に本気で怒ってくれる他人。近所づきあいが密だった時代には、こんなおじさん・おばさんは存在していた。
「他人とは関わりにならない」という風潮がはびこる現代では、こんなおじさんはただの迷惑者になるのだろうか?
他人の子供を叱ることはおろか、手作りのお菓子さえ他人の子供には食べさせはいけないという
ルール作りをしている学校や地域があると聞く。
こんな時代だからこそ、このドラマを見て忘れてしまった心をもう一度感じてほしいと思う。