友の土産 2005年04月27日 20時58分43秒 | 短歌 ・船便で届いた旅の想ひ出は友の形見となりたる土産 ・さりげなくラジオニュースで流されし訃報は友の名を繰り返す ・金色の懐中時計にぎりしめ戻らぬ友を黙して想ふ ・遠雷や逝きたる友の告別に涙こらへし妻の指先 ※これはフィクションです d(^_^;)念の為
元ネタわかる? その2 2005年04月21日 21時38分32秒 | 短歌 ・銃声が深夜の街にこだまするレフトアローンのメロディに乗り ・果てしなき流れの果てに逢ふ人へ語りし思ひ雪は降り積む ・うばたまの闇に潜みし物の怪の明日を探す姫の御影や ・これもまた胎児の見てる夢なのかドグラマグラや血の海に座す ・修羅道へ落ちようほどに花心繰り返しゆく軍靴の響き
元ネタわかる? その1 2005年04月21日 21時28分42秒 | 短歌 ・暖かき血のこぼれたる生首に口づけをしてサロメの宴 ・野晒しに酒のひとつも供えたりわれも独り身冬の星空 ・思い出が忘れた頃に蘇るスロー硝子の遅れた時間 ・幸せの赤い靴履く人魚姫おやゆびサイズのマッチなど売る ・師の言葉理解も出来ず語り合ふこれが最後の晩餐なのに
異界へ… 2005年04月20日 03時19分59秒 | 短歌 ・遠きより聞こえし声あり冬山の異界の白き闇に誘われ ・桜散る闇に埋もれし冥府へと吾を誘う標となりて ・満月の輝きの下咲き誇る百花繚乱夢幻の宴 ・風狂の庵を訪ねて薄墨の帳に映る影は狐へ ・線香の煙たなびく仏間から亡き祖母の声など聞こえたり ・秋風と得体の知れぬもののけに出逢ひし森の思ひ出の夜 ・人知れず異界へ続く獣道遠野の山に雪の積もりて
再会の夜 2005年04月19日 02時51分46秒 | 短歌 ・過去からの声が届きし夏の夜少年たちの笑顔とともに ・先生に叱られた日もあったよね先生こんなにちっちゃかったかな ・西部劇真似てたきみに息子ゐて腹も出たよと変わらぬ笑顔 ・あの頃の原っぱの風はどこまでもぼくらと一緒に駆けていたよね ・懐かしき小学校の校庭に三バカトリオ三十路の夏だ
猫の歌 2005年04月18日 20時59分46秒 | 短歌 ・捨て猫を抱きしめたまましゃがみこむ幼女の駄々に親父手を焼く ・捨て猫にミルクを飲ます子供いて拾えぬことをあやまっている ・開かれし窓より春の風が来る金目銀目の猫が教える ・ひょっこりと現れ居座る迷い猫いつのまにやらわが家の一員 ・独り身を出迎えてくれる子猫いて暖かくなるふれあいの夜 ・わが腕を枕にしたる猫がいて起きるに起きれぬ冬の夜かな ・いつまでも帰り来ぬ猫待ちわびて独りの部屋に寒さ居座る ・陽だまりの猫の親子を眺めつつしばし幸せ気分にひたる
こんなこともある 2005年04月17日 20時28分55秒 | 短歌 ・幾度も愛していると言うあなた信じきれないわたしがいる ・のどかさや午後の紅茶を飲み干して胸のふくらみなにげに比較 ・お局が寿退社宣言し衝撃走る職場の一同 ・長い髪マフラー代わり首に巻き夜の雪道チャリンコを漕ぐ ・流行の冬着を買いに行ったのに腕に抱えたプリンタは何? ・唇に決めの一色鮮やかにきょうこそけりを付けてやるんだ
いつか飛べるよね 2005年04月13日 07時14分36秒 | 短歌 ・夏の日の少年たちが駆け抜けるわたしも少し元気をもらふ ・河原にてキャンプのカレー作りたる少年たちの汗と笑顔と ・頬染めてなかなか鳴らぬ草笛を幾度も吹きし君の横顔 ・飛翔するハングライダー見上げつつわれも飛びたき少年の夏 ・青空を自由に飛びたきこともあり最後の秋は病室の中 ・少年の夢の話に付き合ひしいつか飛べるさ退院したら ・告げられた余命の数を幾たびも指折り数へ数へて涙 ・病室の窓から眺めた青空に小さく浮かぶ赤い風船 ・手のひらを指でたどりし生命線長生きするぞ君の人生 ・虹色の歪みが浮かぶ水晶に未来を探す少年の笑み ・知恵の輪のひとつやふたつどうつてことないさと言つて後悔した夜 ・大雪が積もつた朝の街並みを病室の窓から眺めてた ・病室の空いたベッドに手をあてて君の笑顔と声もう一度