猫語のブログ〜ねこさんの、ぼくによる、ねこさんのためのよみもの〜

「猫語の教科書」をだいざいに、しもべいくせいほうほうなど。

まぼろしのこねこさん 前

2022-10-29 | 日記

ねこのみなさんごきげんよう。
ねこさんには、さむさがおみみやおはなにしみる
そのときがきてしまいました。
さむさ has come.
ぼくはえいごもしょうしょうたしなむのです。

さて、ぼくはごじぶんのきおくに自信がなくなるまえに
このことについて書いておきます。

なにせそのこねこさんんは
つねにぴょんぴょんしていましたから
ぼくはそのこねこさんの、残像しか
ご覧になったことがありません。

ぼくにとっては、残像と幻はほとんど
おなじものですので、そのこねこさんが
本当に存在したのか、しなかったのか
おねんねからおめめざめするたびに、
あいまいになっていきます。

いまはまだ、あのこねこさんがひみつの
こみちにのこしていった、
こねこさんらしいはぐれ毛がありますから
それでまぼろしではなかったと、
ぼくは言うことができるのです。

。・¨˙.゜🐾。・゛。゜:≈´∆`≈・。゜。・🐾:。・˙.˙º・

そのこねこさんは、すこしまえにぼくがみくだす窓から
しっかりとわからせてあげたこねこさんでした。

しかしわかってくれたとおもったのは
ぼくのまったくのげんそうでして、
とうのこねこさんは全くわかっていなかったのです。

けっきょく、そのこねこさんは、はいつくばるむしに
ついていってしまっておかあにゃんとはぐれ、
雨の中、よるになってもおかあんにゃんを
呼び続けていました。

ぼくは、なんともむなしいおもいをしながら
あめのおとにおみみをゆだね、
いつもどおりのばしょでおねんねして、
しもべのかえりをまっていました。

しもべがおいていく、ちょっとしたおしょくじも
なくなったころ、いつもどおりしもべがかえってきました。

めずらしく、帰って早々しもべがちゅーるさんを
とりだしましたので、ぼくはすばやいうごきで
いつものばしょにむかい、ちゅーるさんがでてくるのを
お待ちしていました。
きっと、おめめはうれしさのあまり、きらきらと
かがやいていたことでしょう。

しかししもべは、まっているぼくのよこを
ちゅーるさんを持ってとおりすぎ、
またふらりとでかけていったのです。

そのときのぼくのおきもちを
ことばにすることはとうていできないでしょう。
さいだいきゅうのいげんをもって
遺憾です、というほかありません。

ぼくはしばらくぼーぜんとして、
おこることもわすれていました。

ぼくはどれくらいぼーぜんとしていたのでしょうか。

お外につながるドア扉が開いた音がしましたので
ぼくはふとぼくをとりもどし、
それとどうじに、おこなわれたうらぎりにたいして
いかりを思い出しました。

お外につながる扉があいたら
だいたいすぐにしもべはかいだんにつづく
この扉をあけるはずです。

ぼくは、いかりをさけび、しもべが
ゆるしを乞うのをまちました。

でも、なんだかようすがおかしいことにぼくは
きづきました。
ぼくではないねこさんがこのおたくいるようなのです。

しかも、とてもちいさい。

なぜわかるかといいますと、きょうふのあまり
おいかりになったねこさんは、威嚇というものをします。
その威嚇の音で、ねこさんの大きさや威嚇経験値がだいたい
わかります。

このねこさんは、威嚇種類は空気砲タイプで、
きこえてくるその音から、とりこめる空気量はすくなく、
はきだすときの圧もぼくのため息とおなじくらい
ということがわかりました。

つまり、おからだはちいさく未熟で、
また威嚇経験値もひくいということです。

それでぼくは、ぴんときました。

ぼくのいうことが全くわからなかった
あのこねこさんがいるのだと。

それならば、ぼくはなんとしても
そのこねこさんのおつらをおがまなければなりません。

そして、だからいったでしょ?!と
言わなければならないのです。

それでぼくはひっしにしもべに
うったえましたが、
しもべはぼくのお顔をみるなり
おさかな生活とちゅーるさんを
食卓に準備しましたので、
おなかがすいていたぼくは
うっかりごはんにむちゅうになってしまいました。

そうこうしているあいだに、しもべは
こねこさんのためのおへやをしつらえ、
こねこさんをおなかいっぱいにし、
お湯責め、タオル巻きもおわらせ
こねこさんをぬくぬくにし
しずかにさせてしまいました。

しもべが、こんなにもてきぱき働けるなどと
ぼくはこのときまでしりませんでした。

<つづく>

空気砲のこねこさん



コメントを投稿