【巡り廻る。】ゼロ子旅日記 第二話【プレイ動画】

【巡り廻る。】ゼロ子旅日記　第二話【プレイ動画】




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世界を一周してきた。
とは言え、流石に闇の大陸にまでは足を運んでいない。私だって命は惜しいのだから。
火の国から地の国へ、地の国から水の国へ、水の国から火の国へ　と周ったのだが、思ってみれば悪い周り方では無いのかもしれない。
火の国で産出される火のエレメントは地の国で高く売れ、地の国で産出される地のエレメントは水の国で……となっているのだ。
また、この順番で巡ると直前の国では安価だったものが比較的高価で売却することができる。しかし個人が薬剤や武具で交易をするのは難しいだろう。安価で安定した仕入れ先を見つけるか、自身で作成するか……いや、作成したところで材料費や消費するエレメントを考えたら足が出る恐れが高い。旅をしていて余剰な分が出たら売る程度か。


印のついた地図を手に入れた。
偶然にもちょうど印のつけられた場所の近くにいたため、周辺を探索してみた。すると最近何かを埋められた形跡があったので掘り起こすと、僅かながら金が埋められていた。もっと国が富んでいれば埋蔵金も多かったのかもしれないが、これは誰が埋めたのだろうか。
貴金属では無く金、地の国に埋められていたので地の国の金が埋まっていたのだ。誰が何のために埋めたのか興味が尽きない。
モンスターに襲われた者の遺品？　それでは地図の理由がつかない。脱税をするにしてはあまりにも少額だし、モンスターに襲われる危険を冒してまで街から離れた場所に埋める理由が無い。死人は金など使わない。
となると、誰かがモンスターに襲われた時に金袋を落したのだろうか。いつか取り返そうと地図に印をつけたのかもしれない。埋まっていたのは、モンスターにそういう習慣でもあったのだろう。
しかし小銭のために危険を冒す理由も無い。冷静になってから諦める道を選んだのだろう。もしかしたら光の巫女が闇竜を封印した後に回収するつもりだったのかもしれないが。
もしそうだとしたら、なんとも呑気な人間がいたものか。光の巫女が返り討ちに会うかもしれないし、何時になるかもわからないことを待ち続けようとしているのだから。




１０２２年１月６日　水の日　地の国北の港街より